ルリユールおじさん

著者 :
  • 理論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (56ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652040508

感想・レビュー・書評

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  • おじさんが作業するシーンが、やっぱりいいです。
    そしてソフィは植物を研究する道に進むんですよ。

  • ソフィーの大切な植物図鑑が、ばらばらになってしまいます。新しい植物図鑑を買うのではなく、この本を直したい。そう思ったソフィーはルリユールをたずねます。
    ルリユールとは、製本、装丁の60以上の工程をすべて手仕事で行う職人のこと。その工程をずっと見つめる少女と、父からこの仕事を受け継ぎ長年この仕事を続けてきたルリユール。2人の想いが紡がれた時、本は見事に生まれ変わり、2度と壊れることなく生き続けるのです。

    1枚1枚が魅力的な風景画として鑑賞でき、通して読むことでこの本の雰囲気に深く浸ることができます。
    少女とルリユールのアンバランスな2人の交流も魅力的。少女を通じて、ルリユールは自らの少年時代を思い出し、ルリユールとしての人生も振り返ることになります。

    大人が楽しめる素敵な絵本です。

  •  おはなしの舞台は、寒い季節のフランス・パリの街。
     ある時、大切にしていた木の図鑑のページがバラバラになってしまった一人の女の子(7~8歳くらいかな?)。
     
     新しいのを買うよりも、そのこわれた本を直して欲しくて、彼女は教えてもらった「ルリユールおじさん」を捜します。やっとたどり着き、中へ入ると「わあ、ぐちゃぐちゃ!」。
     
     おじさんと女の子の少しちぐはぐな会話から始まる、その工房には、ゆったりと深く、伝統と確実な技術に裏打ちされた濃密な時間が流れてゆきます…。
     “ルリユール”とは、製本・装幀の手仕事をする職人のこと。

  • ルリュールとは、本造りの職人。
    昔は、本は高価で、貴重なものだった。 
    その本を作る職人と、自分の大切にしていた植物図鑑を使い込み過ぎで壊してしまった少女とのふれあい。

  • いせひでこさんとの出会いはこの本がキッカケでした。

    色彩の融合センスが抜群☆

  • 壊れてしまった植物図鑑を持って、ソフィーはリルユールおじさんのもとを尋ねます。
    リリユールおじさんは、本を直す人。

    1冊の本にこめられたソフィーの思い。それを、優しく受け止め、丁寧に直すルリユールおじさん。

    この1冊の本に、色々な思いが込められています。
    読んでいくと、なぜか心が温かくなり、涙があふれます。
    大人にぜひ読んで頂きたい絵本です。

  • 去年のサンタさんからのプレゼントです。幼児~大人まで楽しめます。

  • 8歳の長女へのクリスマスプレゼントとしてセレクト。

  • 『モロッコ革の本』で思い出した。数年前の誕生日に家族からもらった絵本。こちらはパリのルリユールのお話。少女の服とルリユールおじさんの服で若干異なる青の美しさが印象的。技術も思い出もつながっていくもの。

  • 小学校の図書の先生に教えていただいた一冊。
    とても素敵な本を紹介してもらえて感謝してます。
    絵も素敵だし、ストーリーも素敵。
    少女が本を大切にしようとするその姿勢がとてもいい。
    ルリユールの手仕事も美しい。

  • 図書館とかにある絵本。

    絵本にしては話が長くて、
    でもじんとくるいい話です。

  •  ある少女が、大切にしていた植物図鑑をばらばらにしてしまい、どうにかならないかと思っているところにユリウールの噂を聞いて、ユリウールを捜し始める。そして、本に新たな命を吹き込むユリウールを間近で見つめることになる。


     ユリウール(Relieur)というのは、手作業で製本・装丁する職業・職人のこと。もう一度つなげる、という意味もあり、製本は60工程にも及ぶようです。日本には存在しません。
     あたたかい内容の作品で、本を大切にしているというのがひしひしと伝わってきます。「わたしも魔法の手をもてただろうか。」のところでぽろっと泣いてしまいました。
     ユリウールの仕事場は説明されても覚えきれないような量の器具や道具がたくさん置いてあるので、1ページめくるたびに思わず声を出してしまうような、「おもしろくて素敵な本なんだけど、早く次に進むよりもじっくり1ページ1ページ見ていきたい本」でした。
     最後は数年後の少女の様子が描写されています。とてもあっさりと終わってしまったので「あれっ」と思いましたが、説明が少ないだけに色々想像されて、そこに行きつくまでの少女の様子だとか、おじさんのその後というのも考えてしまって、また泣いてしまいました。
     子供にはもちろん、絵本を読む機会の少なくなった大人にも読んでほしい絵本です。

  • 女の子が大切にしていた図鑑がばらばらになってしまいました。さて、どうしたらいい?ルリユールというのはフランスの製本職人さんのこと。まるで外国の絵本のような綺麗な絵です。

  • この本は絵本なんですが大学生が読んでも感動できるお話です。

  • 物語の主人公のソフィーはある時とても大切にしていた「植物図鑑」が壊れてしまい、なんとかしたいと奔走します。  彼女の素敵なところは本屋さんには新しい植物図鑑がいっぱいあったにも関わらず「この本を直したい」と強く思っているところです。  そして(恐らくセーヌ河畔で)本を扱っている露天商の人の助言でルリユールを訪ねることになります。  壊れてしまった本のお医者さんであるルリユールを探すソフィー。  簡単にルリユールを見つけられないのに諦めない姿から彼女のこの図鑑への思い入れの深さが伝わってきます。

    彼女の本への想い、植物への想いの深さがボロボロの図鑑からも彼女の姿からも察することができたルリユールおじさんは職人らしい朴訥さで彼女の本を直し始めます。  自分の図鑑からは離れられないわ、初めて見るルリユールの仕事への好奇心はあるわであれやこれやと子供らしい発言をするソフィーが本当に可愛いし、余計なことは言わないまでも本を大切にする心ではソフィーに負けないおじさんが黙々と作業をしていく姿も本当に美しく、神々しささえ感じられるようです。

    (全文はブログに)

  • 長野の絵本美術館で買った本。
    とてもやさしいおはなし。

  • yuki
    植物の大好きな女の子と本造りのおじさんが心を通わせる姿が美しいです。人生を考える一冊にも。

  • パリの路地裏にひっそりと暮らす本創りの職人(ルリユール)を
    訪ねてきたのは、木が好きな少女ソフィー。
    大切にしていたのに傷んでしまった植物図鑑を抱えて。

    ルリユールの手は木のこぶのよう。
    その手は魔法のように傷み疲れ果てた本を再生させていく。
    そんな職人技にソフィーなさず私も興味津津。

    そんな物語をいせ先生はとても透明な幸福を纏った絵をもって紡いでいく。
    読み終わった後の心はとても穏やかで、あたたかい。
    他の作品もぜひ手にとってみたいです。

  • ジジとオンナのコの組み合わせって、なんかよいですよね。
    そしてこれはちょっとホロリとくるんだな。

  • うわさの「ルリユールおじさん」に偶然遭遇しました。図鑑を抱えたソフィーと工房に向かうおじさんが、パリの街角を背景に、どこかサスペンスタッチで描かれて素敵です。そして出会い、再び素敵な本によみがえる、ソフィーの図鑑。大切にしたい一冊になりました。

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著者プロフィール

[著者紹介]いせひでこ(伊勢英子)
画家、絵本作家。1949年生まれ。13歳まで北海道で育つ。東京藝術大学卒業。創作童話『マキちゃんのえにっき』で野間児童文芸新人賞を受賞。絵本の代表作に『ルリユールおじさん』『1000の風 1000のチェロ』『絵描き』『大きな木のような人』『あの路』『木のあかちゃんズ』『最初の質問』『チェロの木』『幼い子は微笑む』『ねえ、しってる?』『けんちゃんのもみの木』『たぬき』など、単行本・エッセイに『旅する絵描き』『七つめの絵の具』『わたしの木、こころの木』『こぶしのなかの宇宙』『猫だもの』『見えない蝶をさがして』『風のことば 空のことば』など多数。


「2022年 『愛蔵版 グレイがまってるから』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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