- Amazon.co.jp ・本 (587ページ)
- / ISBN・EAN: 9784652079546
作品紹介・あらすじ
谷には伝説があった-人を襲う怪物トローとの戦いに命をかけた十二人の勇者の物語が。しかし、それらがすべて嘘で、勇者などいなかったとしたら?少年は、伝説に包みかくされた真実を求めて、谷を出る。思いもよらない結末が待っているとは知らずに…。
感想・レビュー・書評
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あっさりファンタジー:D
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昔、人や家畜を襲うトローという怪物がいた。それを牧草地からつきでた巨大な岩≪戦い岩≫で12人の勇者が誓いの儀式をし、トローたちと戦った。その先頭にたったのがスヴェンだった。勇者たちに守られた谷、夜にケルンを越えてはいけない。勇者たちを祖先にもつ家々は、祖先の、そして家の名誉をとても重要に思っている。
そんなスヴェンを先祖に持つスヴェンソン家のハリ。スヴェンソン家がいちばん大きいと思っていたが、実際は違っていた。ある日、叔父のブローディアがハコンソン家のものに殺され復讐をしたいのだが、争いごとは名誉のためにたたかうのではなく、人々の話し合い≪裁き≫で解決されていた。土地を渡すというそれだけで。不満だったハリは、復讐の旅にでた。
そのまま冒険ものになるのかと思っていたら、主人公のハリはずんぐりした体形で、背も兄の半分ほどしかない。しようとしていたことも上手くいかず、正しいと信じたことも裏目に出たり、結局は復讐できずに谷にもどる。しかしトローと勇者の伝説が嘘なのではないか、トローなどいない、というアウドと出会い、谷を出る。
谷を出たり入ったり、予想外の展開をしますね。メインは谷の中での物語。結末も意外。 -
読みやすいが、バーティミアスに比べるとこじんまり。
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舞台は渓谷の12の村落。
かつて12人の勇者が獰猛なトローと戦い、現在の礎を築いた。
…とされている。。
実際は勇者などいなかったとしたら?
12の村落が銘々勝手に自分の先祖を英雄に祭り上げ、全てが
虚構で塗り固められた伝説だったとしたら??
というのがストーリーの軸になり、そこにストラウド特有の
性格のまっすぐでない主人公が絡んできます。
(少なくともナルニアには出してもらえない感じの…)
『従来のファンタジーを覆すようなストーリー』であることに
間違いはないのですが、同時に読者がファンタジーに求めている
ものも無視してしまっているような…
『バーティミアス』ときはあれほどやめられないとまらない状態
だったので、つい同じレベルを期待してしまい残念。 -
かつて戦いに優れ多くの土地を手に入れたと言われるスヴェンの子孫であるスヴェンソン家の次男、ハリは法で全てを決め戦おうとしない現代の暮らしに飽き飽きしていた。つまらないいたずらをしては怒られるだけの日々に嫌気がさし、大好きな叔父を殺されたことで、復讐と冒険心に火がついたハリ。ハコンソン家にたどりついたものの、復讐できずアウネソン家のアウドの世話になる。伝説の勇者たちもトローも否定するアウドとともに、ケルンを越えてトローがいないことを確かめようとするが・・・?!
バーティミアスの著者だが、あまりにも期待外れと言わざるを得ない。私にとってはホントにあの作者?と思うくらいの出来ばえでがっかり。毎章スヴェンの伝説が語られるのだが、まずもってこの彼があまり魅力的でない気がする。復讐のために人を殺せなかったハリの方がよっぽどカッコよい。前半は話がなかなか進まずイライラしたが、後半はアウドの活躍もあって生き生きしていたと思う。ラストの中途半端な締めがなければ、多分もっとおもしろく感じたのになあと残念。 -
ケルトな感じの物語でした。
主人公がものすごく毒を吐く子で・・・(;x△x)彼自身も日常的に不細工とか呪われてるとか、けっこう散々な言われようで、ちょっと気が重く・・・。
そんなこんなでストーリーもけっこう重く、次々に悪いことが起こるので安心できない感じでしたw
主人公の母親で、主人公の一族の「法を司る者」アストリッドの凛とした感じが好きでした。
主人公の兄リーンは描かれ方がけっこう散々でしたが、母親をとても大切にしていて、それがすごく自然で、息子としてはすごいかっこいいし、
姉のグドニーも意外と(?)人をきちんと観察していておおっと思ったり。
そんな脇役がけっこう好きでした。
とりあえず表紙折り返しの部分の紹介文・・・・・・( °Д°)なんかちがくない? ジャンプの予告級だよ・・・ -
「バーティミアス」のJ.ストラウドの新刊。なんとなくケルンの境の秘密ってM.ナイト・シャマラン監督の「ヴィレッジ」みたい。不細工でチビで短足のハリはどうしようもない悪戯もの。しかし一族を救うために立ち上がる。
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分かりやすく、読みやすい。1巻で完結するからこその、読者の感情を揺さぶるような展開。