読書のちから

著者 :
  • 亜紀書房
3.92
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本棚登録 : 257
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750516783

作品紹介・あらすじ

待望の最新エッセイにして、格好の読書案内。

恩師・井上洋治、遠藤周作、須賀敦子、神谷美恵子、池田晶子、柳宗悦……著者自身の「危機」を救ってきた言葉の数々を紹介し、今を生きるためのヒントを探る。

「生涯の一冊」に出会うための読書の方法も記す。

感想・レビュー・書評

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  • 「読書のちから」若松英輔著|日刊ゲンダイDIGITAL
    https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/287464

    亜紀書房 - 読書のちから
    https://www.akishobo.com/book/detail.html?id=992

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      井上洋治著作選集2 余白の旅 思索のあと
      https://booklog.jp/item/1/4818421235
      井上洋治著作選集2 余白の旅 思索のあと
      https://booklog.jp/item/1/4818421235
      2021/04/07
  • 自分の生きる意味を探して、自分のために時間を費やすのではなく、他社に「時」をささげ、共感と理解を深めるなかにこそ人は、自らの「傷」を「愛」へと変容させる道を見出す。


  • 苦しみや「かなしみ」が私たちに教えるのは、答えではなく問いの深まりである。-情愛の泉

    自分の生きる意味を探して、自分のために時間を費やすのではなく、他者に「時」をささげ、共感と理解を深めるなかにこそ人は、自らの「傷」を「愛」へと変容させる道を見出す。-いのちを生きる

    だが、よく考えてみれば私たちはつねに、日々を死と隣り合わせに生きている。日ごろあまり意識しないが、人はつねに、生きつつあるとともに死につつある。
    日々、死に近づいているにもかかわらず人は、いかに生きるかばかりを考え、いかに死を迎えるかという問題を見過ごしている。
    「死の床にある人、絶望の底にある人を救うことができるのは、医療ではなくて言葉である。宗教でもなくて、言葉である」。「死」に力点を置いて読むとき、この一節が、異なる光を放つのが分かるだろう。-たましいの糧

    わたしが地上を去るとき、別れのことばにこう言って逝かせてくださいー「この世でわたしが見てきたもの、それはたぐいなくすばらしいものでした」と。
    「光の海に咲きほこるこの蓮華の秘められた蜜の甘さをわたしは味わった、こうしてわたしは祝福されたのです」ーこれをわたしの別れのことばにさせてください。-十読は一写に如かず

  • 本を読むことは、書き手との対話である。
    だが、誰と対話するかは慎重に選ばなくてはならない——
    恩師・井上洋治、遠藤周作、須賀敦子、神谷美恵子、池田晶子、柳宗悦。著者自身の「危機」を救ってきた言葉を紹介し、「確かに生きる」ヒントを探る。
    知識ではなく、人生の手応えを与えてくれる「生涯の一冊」に出会うための方法も記す読書をめぐるエッセイ集。

  • (図書館で借りた本)
    読み始めた(4月15日)〜読み終わった(5月2日)

    哲学的な本で抽象的な内容が手強い。
    タイトルの「読書のちから」が漢字でない意味は「たましい」を「魂」と書かないことと同じなんだろう。
    読書は呼吸で吸うこと。吸ってばかりで吐くことがなければ呼吸ではない。吐くことは書くこと。。。

    うまく書けないが「読書」は読むだけでなく、血肉となって生きることに繋げていけるものに出会う。。。ことがある。。。ような「おぼろげ」な感想を抱いた。

  • 筆者の豊かな読書経験から、単なる「読み方」や「読書の効能」に留まらず、そこから人生に行き詰まった人への指針にもなる本であった。
    個人的にはハウツー本やネット、SNSといった短く、すぐ結論がわかるようなものを多く読んでいた時期にこの本に出会った。筆者が言うところの浅い呼吸ばかりしており(筆者もそれ自体を否定していない)、深い呼吸ができていなかった。本を多く読むよりも深く読むことが重要である。ではそのためには何が必要か、「深く読むためには深く書く必要がある」のだ。この本で紹介された本を購入した。難しいものも多いが、「たましい」と対話して読みたいと思う。各篇それぞれに味わいがあり、すべて紹介できないが、とても読み応えありました。ありがとうございました。

  • 2021I046 019/Wa
    配架場所:A3 東工大の先生の本

  • 雨の音と読書は相性が良く、するすると…読めない!
    というか、するすると読めるのだが、読み込むのは簡単ではなかった。若松さんの選び抜かれた言葉に心酔するも、これはそれでどういうことだ?と読み返すこと幾たびか。

    いくつか、すーっと入ってくる文章に出会った。うちのひとつ。

    ---人生に「答え」などない。このことは誰もがどこかで感じている。しかし、そのいっぽうで「答え」がないという不安に耐えることもできない。
     私たちに必要なのは、ありもしない「答え」めいたものではなく、たしかな人生の「手応え」なのではないか。---P69より

    また、「十読は一写にしかず」(P105)との言葉もあった。むつかしかったけれど、素敵だった文章、心にひっかけておきたい文章含め、付箋したところを今度、書き写してみよう。

    充実の、手応えのある読書であった。

  • 【1回目】DMMブックスにて購入。慣れない読書アプリのため、少し難儀した。氏の著作は何作も読んでいるため、すでに「おなじみ」の論者(池田晶子やリルケなど)について論及されていて、取り立てて目新しさは感じられなかった。しかし、一篇一篇は、吟味するのにふさわしい内容であったと思う。

  • 資料ID:98201016
    請求記号:019.04||W
    配置場所:工枚特集①
    (※配置場所は、レビュー投稿時のものです。)

    ☆特集展示「ココロとカラダをリフレッシュ特集 」☆
    日頃抱えるプチストレスをリフレッシュするため、
    ココロとカラダが元気になる図書を集めました。

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著者プロフィール

1968年新潟県生まれ。批評家、随筆家。 慶應義塾大学文学部仏文科卒業。2007年「越知保夫とその時代 求道の文学」にて第14回三田文学新人賞評論部門当選、2016年『叡知の詩学 小林秀雄と井筒俊彦』(慶應義塾大学出版会)にて第2回西脇順三郎学術賞受賞、2018年『詩集 見えない涙』(亜紀書房)にて第33回詩歌文学館賞詩部門受賞、『小林秀雄 美しい花』(文藝春秋)にて第16回角川財団学芸賞、2019年に第16回蓮如賞受賞。
近著に、『ひとりだと感じたときあなたは探していた言葉に出会う』(亜紀書房)、『霧の彼方 須賀敦子』(集英社)、『光であることば』(小学館)、『藍色の福音』(講談社)、『読み終わらない本』(KADOKAWA)など。

「2023年 『詩集 ことばのきせき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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