あなたはそっとやってくる

  • あすなろ書房
3.66
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本棚登録 : 107
感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784751522066

感想・レビュー・書評

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  • 黒人の少年とユダヤ系の少女との間の悲恋を描いている。
    アメリカの人種問題を扱ったYAというと過去に『ホエール・トーク』を読んでいて、これはあからさまに黒人がマイノリティである地域での話なのだが、こちらの話の舞台は人種のるつぼニューヨーク。登場するヒロイン・ヒーローはいずれもお金のかかる私立学校に通う生徒。ヒーローである少年は父親が著名な映画監督、美人で文学的才能にすぐれた母をもついわばセレブ。ヒロインはユダヤ系の医師の娘だ。環境的には、人種の違いについて比較的理解が得られているはずの暮らしではあるのだが、でも、父親は彼に「白人の住む区域では絶対に走るな」と息子に言い聞かせている。ヒロインの少女と彼が手をつないで街を歩けば、「あなた大丈夫なの?」と老婦人が少女に声をかける。ヒロインの身内からも、「住む世界が違うから」と曖昧な形で難色を示される。彼らのつきあいに対する世間の受け止め方(というより受け止められなさ)の微妙さが描かれている。

    というテーマを背景にしているが、しかし基本的には若い2人の純愛物語。ヒロインとヒーローの2人の心理描写が丁寧に積み上げられていて、良質のラブストーリーに仕上がっている。中高生の女子に読ませたい本。

  • どんな本かな~と思ったら
    白人の少女と黒人の少年(15歳)の恋愛小説に
    離婚や反抗期やらの家族の問題があって
    人種差別!なにこのひどい話は!!!
    って話だった。

    肌の色がちがうカップルがいっしょにいるだけでじろじろ見られたりこそこそ話されたり
    公園を夜走ってたら射殺されたりするのか
    恐ろしいアメリカ

    差別が当たり前にある社会ってすごいな
    なさすぎると思ってるけど(身の回りでは)どうなのかな
    差別されてる方は何かしら感じてるのかもしれない??

    女の子がユダヤ教なのは単語とかは色々でてきたけど
    特に何もなかった
    まあ宗教の差別もなあ・・・

    ふたりのキラキラピュアピュアな恋愛がとてもよかった
    最後やりきれない

  • 家族関係や差別の問題に悩みながら,寄り添うふたりの恋模様に,やさしい気持ちになりました。
    だから,もう少し二人を見守りたかったので,残念でした。

  • 人種差別について考えさせられた。

    白人は白人であることを忘れるって書いてあったけどそれは日本人もだなあっておもってかなしくなった

  •  ニューヨークを舞台にした、黒人少年と白人少女の本当に切ないラブストーリー。
     随所に二人の家庭で置かれている状況や、取り巻く社会環境が出てきます。映画で見ているような錯覚に陥るほど、描写がとても素敵でした。

  • 学校で初めて会ったときから、惹かれ合うエリーとマイア。
    でも、まわりは責めるような目をしてきます。
    マイアの肌が黒い、というだけで。

    日本に住んでいると、人種差別はあまり感じない。
    それでも、どこかには必ず差別をするひとも悲しむひともいる。
    淡い初恋が、そんなくだらないことで傷ついていく。残念でならない。

  • 愛することの大切さ、悲しみ、喜びが彼らの独白から伝わってきます。
    彼らは若くて、それ故純粋で、生まれながらの絆が自分を縛る現実に失望させられ、胸が破裂しそうなぐらい互いの存在を心で求めていました。
    私はこんなにも他人をいとしいと、意識したことがかつてあっただろうか?

    自分の告白はただただ淋しいばかりですな。

  • こんなこともあるんだ‥まだまだこんな世の中なんだ‥とショックを受けました。
    読みながら何が待っているのか予想ができて、だけど感動させようとしているわけではない淡々とした文章に救われました。

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