- Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
- / ISBN・EAN: 9784751522066
感想・レビュー・書評
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黒人の少年とユダヤ系の少女との間の悲恋を描いている。
アメリカの人種問題を扱ったYAというと過去に『ホエール・トーク』を読んでいて、これはあからさまに黒人がマイノリティである地域での話なのだが、こちらの話の舞台は人種のるつぼニューヨーク。登場するヒロイン・ヒーローはいずれもお金のかかる私立学校に通う生徒。ヒーローである少年は父親が著名な映画監督、美人で文学的才能にすぐれた母をもついわばセレブ。ヒロインはユダヤ系の医師の娘だ。環境的には、人種の違いについて比較的理解が得られているはずの暮らしではあるのだが、でも、父親は彼に「白人の住む区域では絶対に走るな」と息子に言い聞かせている。ヒロインの少女と彼が手をつないで街を歩けば、「あなた大丈夫なの?」と老婦人が少女に声をかける。ヒロインの身内からも、「住む世界が違うから」と曖昧な形で難色を示される。彼らのつきあいに対する世間の受け止め方(というより受け止められなさ)の微妙さが描かれている。
というテーマを背景にしているが、しかし基本的には若い2人の純愛物語。ヒロインとヒーローの2人の心理描写が丁寧に積み上げられていて、良質のラブストーリーに仕上がっている。中高生の女子に読ませたい本。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ニューヨークを舞台にした、黒人少年と白人少女の本当に切ないラブストーリー。
随所に二人の家庭で置かれている状況や、取り巻く社会環境が出てきます。映画で見ているような錯覚に陥るほど、描写がとても素敵でした。 -
学校で初めて会ったときから、惹かれ合うエリーとマイア。
でも、まわりは責めるような目をしてきます。
マイアの肌が黒い、というだけで。
日本に住んでいると、人種差別はあまり感じない。
それでも、どこかには必ず差別をするひとも悲しむひともいる。
淡い初恋が、そんなくだらないことで傷ついていく。残念でならない。 -
こんなこともあるんだ‥まだまだこんな世の中なんだ‥とショックを受けました。
読みながら何が待っているのか予想ができて、だけど感動させようとしているわけではない淡々とした文章に救われました。