物語のある広告コピー

  • パイインターナショナル
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784756243263

作品紹介・あらすじ

広告は時に、小説より面白い。

本書では、広告コピーの中でも特にストーリー性が強く、詩や短編小説のような世界観で綴られた作品を紹介します。
ブランドメッセージの伝え方を学ぶコピーライターの「教科書」としてはもちろん、ストーリーを味わう「エッセイ・物語集」としても楽しめる1冊です。

感想・レビュー・書評

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  • 常々表現者でありたいと思ってる自分は
    スポーツでの肉体の表現や
    生き様の表現以外にも、

    『言葉』を使って
    いかに自分の思いを表すか、

    いかに読む者、
    聞く者に伝えていけるかが
    永遠の課題です。
    (特に沢山の人が見ることを踏まえて書くレビューは
    読み手に伝わらなきゃ意味がないと思いながら言葉を吟味してます)


    その意味でも
    商品の良さや世界観を
    簡潔な言葉で、
    一瞬にして伝える
    コピーという表現に昔から興味があるし、

    コピーを知ることは
    「人に響く言葉」の極意を知ることにも繋がるんですね。


    いいコピーは
    読んだ瞬間に自分のことだと共感できる。

    読み手の心にストンと落ちる
    リアリティある共感が生まれます。


    本書の中で
    自分がグッときた広告は、
    女子廃止論に大賛成の
    earth music & ecologyの
    「女子ではなくて、女の子。」、

    余白を残した物語に
    妙にドキドキした
    清州桜醸造の
    「向き合わない夫婦」、

    後からジワジワくる(笑)
    日本たばこ産業の
    缶コーヒーRoots(竹野内豊編)
    「それでも、前を向く。」シリーズ、

    著名人の意外な素顔が分かるコピーとしては、
    太宰は実は大食漢で味の素好きでもあったという
    味の素の
    「偉人の食卓 太宰治」、

    当代無類の美食家だった文豪、開高健は
    実は永谷園のお茶漬けが好きだっという 事実に
    思わず「じぇじぇじぇ!」と声を上げた(笑)
    永谷園の
    「人生は、キャビアやコニャックだけでは、ちょっと足りない。」、

    読めば誰もが
    故郷を思い出して一杯やりたくなる
    飲食店「五明」の
    「海も山もある故郷を、なにも無い町と呼んでいた。」、

    誰もが未来に希望を感じなくなった時代だからこそ
    誠実で切実な言葉が胸に響く
    毎日新聞社の
    「こんにちは、未来くん。そちらはどうですか。」、

    昔話風のボディコピーと
    オチが秀逸な
    名古屋広告業協会の
    「日本一おいしいうどん屋」かな。


    本気で何かを伝えたいと思ってる人には
    言葉の力で相手を振り向かせる
    コピーライターの表現技術は
    本当に勉強になるし、
    (担当コピーライター本人による苦労話が聞ける紹介文がまた味わい深い)

    物語風なボディコピー広告を集めた本書は
    コピーを知るための入門編としても最適ですよ。

    • アセロラさん
      常々表現者でありたい…素敵です。

      覚悟というか、本気というか、何事にも真剣でストイックで、それすらも楽しまれていそうな円軌道さんの生き方が...
      常々表現者でありたい…素敵です。

      覚悟というか、本気というか、何事にも真剣でストイックで、それすらも楽しまれていそうな円軌道さんの生き方が垣間見えました^^

      コピーライターといえば、昔、田中美里がコピーライター役で出演していた清涼飲料水のCMを見て、あの職業の大変さが凄くよくわかりました(^^;

      ポッと出のような短い言葉を考えるのに、どれだけの時間と神経を使うのかと…。
      疲れて寝てしまった彼女が書いたコピーを見て、上司が「これだよ」と言うラストにこっちも嬉しくなったものです(笑)
      って、CM話ですみません(汗)
      2013/06/26
    • 円軌道の外さん

      アセロラさん
      いつもコメントありがとうございます!

      お返事遅くなりました(汗)(>_<)


      あはは(笑)
      お褒めの言...

      アセロラさん
      いつもコメントありがとうございます!

      お返事遅くなりました(汗)(>_<)


      あはは(笑)
      お褒めの言葉嬉しいです!


      いやぁ〜そんな大層なもんじゃないけど、
      幼少期に施設で育って
      ずっと一人で生きてきた関係で
      誰かと繋がりたいって思いをずっと持ってたし、

      文章を書いたり
      体を動かしたり
      誰かに何かを伝えたいって思いが
      多分人より強いんだと思います。


      アセロラさんの言うように
      ホンマ、コピーライターという職業は
      スゴいですよね。

      自分の思いを潜ませながらも
      自己主張が強すぎてもダメだし、
      商品を印象づける言葉を吟味して
      CMならたった15秒から30秒くらいの間で
      忘れられないような
      インパクトを
      観る人に与えなきゃいけないんですもんね。

      だからこそ言葉のプロの力は偉大だし
      すごく勉強になります。

      この本はそんなコピーの中でも
      物語になったボディコピーを集めた
      小説で言えば短編集みたいな感じです(笑)

      ちょっと値段は高いので
      図書館で見かけたなら
      またパラパラ覗いてみてくださいね(笑)(^_^)v


      2013/07/15
  • 広告コピーが小説と違うのは、
    はっきりと「あなたに近づきたい」というメッセージが込められていること。
    特にこの本に納められているコピーたちは、
    企業や商品を主張することと同時に、読み手をすごく尊重していて、
    黙読しながら、実は対等な立場での「会話」が成立してるんだと思います。
    だから、読んだ後が心地いい。

    表紙の装丁、ぴったりですね^^

  • お金がかけられた“言葉”って、なんだか不思議。販売促進という会社都合を起点に、背中をさするような寄り添いを結べる、コピーライターさんに憧憬。

    ・読んだ人が「これ、自分のことだ」と思うコピーが、いいコピーなんだと思います。コピーが、不意に、自分の心のやわらかな部分に入ってくるときがある。(p43原田朋さん)トモキ

    ・でも、ちょっと無口で「ひとこと少ない」くらいのほうが、人と同じように、好きになってもらえるのではないかと、つねづね思っておりました。(p49三井明子さん)


    キスしよう、と思った。
    いや、正確に言うと、キスしなきゃ、だ。
    一緒に食事するのもこれで3回目

    (p78 赤石正人さん、東京証券取引所新聞)




  • 広告は総合的で、色やサイズ感はもちろん見るロケーションによって印象が変わる。なのでちょっともったいない気も。制作者の想いが読めるのはよかった。

  •  まず、装丁が素敵。広告はいわば不特定多数の人間に向けたメッセージだから、ラブレターのような装丁もぴったりです。
     本屋さんで買った足でそのままカフェに入って読み始めたのですが、最初の広告コピーからぼろ泣きしてしまいました(笑)

     短い文章の中にはさまざまな要素が凝縮されています。それらのなによりの強さは、読み手の想像力をかき立てることだと思います。
     文章に書かれていない部分を、読み手は頭の中で無意識に補完しながら読むから、読んだときの感動がいっそう、読み手に寄り添うものになる。
     広告コピーは読み手の共感を誘わないといけないわけだから、自然と、広告コピーを通して自分の心をひもとくような形になるはずです。

     ライターさんのコメントも添えられていて、どういう経緯でこのコピーができたのか、また、作ろうと思ったのか、ここにも物語がありますね。

     元気が欲しいとき、気ままにぱらぱらとめくってみるのにいいかもしれません。

  • 明治チョコレートのが一番好きだ。
    物語があっても、あまり長過ぎるとつまらない。
    削ぎ落とした、後の洗練された言葉には、はっとさせられるし、そんな言葉が、時代を超えて心に残るコピーだと思う。

  • 広告代理店に勤めはじめて
    もうすぐ1年が経つ。
    私がしたかったのは、この本に載っているような
    心に響く広告に携わることだったということを
    思い出させてくれた。
    このタイミングで一度、こうした思いが
    決して幼くて、夢物語でなく
    実現可能であるという希望を持たせてくれたことに感謝。

  • 単なる商品説明ならすっ飛ばしちゃうけど、物語だと読んでますネ

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    「広告は時に、小説より面白い。
    本書では、広告コピーの中でも特にストーリー性が強く、詩や短編小説のような世界観で綴られた作品を紹介します。
    ブランドメッセージの伝え方を学ぶコピーライターの「教科書」としてはもちろん、ストーリーを味わう「エッセイ・物語集」としても楽しめる1冊です。
    【掲載作品】
    女子ではなくて、女の子。(earth music&ecology 児島令子)
    泣いたオムレツ(ユナイテッドアローズ 一倉宏)
    海も山もある故郷を、なにもない町と呼んでいた。(五明 細田高広)
    人生が、ラブストーリーでありますように。(明治 山田尚武)
    南アフリカの父へ(朝日新聞 小山佳奈)
    日本一おいしいうどん屋(名古屋広告業協会 山中康司)
    無になる時、無二が生まれる。(天米 松岡佐和子)
    向き合わない夫婦(清洲桜醸造 森俊博)
    など、約100作品 」

    • しをん。さん
      素敵な表紙で思わず見入ってしまいました♪
      発売はまだ?なので首を長くして待とうと思います(^^♪
      素敵な表紙で思わず見入ってしまいました♪
      発売はまだ?なので首を長くして待とうと思います(^^♪
      2013/01/10
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「首を長くして待とう」
      2月20日発売予定なので、あと1ヵ月ちょっとです。。。
      約100点のコピーなので、たっぷり楽しめるような気がします(...
      「首を長くして待とう」
      2月20日発売予定なので、あと1ヵ月ちょっとです。。。
      約100点のコピーなので、たっぷり楽しめるような気がします(頁数からすると、見開きで一作品くらいで読み易そう)。
      2013/01/11
  • 最近の広告はあまり好きになれなかったのですが、この本を読んでなぜ嫌いかがはっきりわかりました。ただ流れていくキャッチコピーならあまり深く考えることもなかったのでしょうが、集めて、活字で読むと、胡散臭さが増します。底が浅くてその場限りで自己顕示欲と自己陶酔の塊。それは嫌うよねと思いました。なかには殺意さえ覚える大嘘のコピーもありました。
    でも、世間の皆さんは好きですよね。若い人は言葉に関する知識とか感覚をもっと勉強してほしいと思いました。

  • 考えみれば、ですが、日常のなかでテレビ以外の広告を目にする機会は、限られています。

    ポスターやパネルは、その場に行き、かつその広告を自分が意識しなければ、出会えません。
    雑誌や新聞広告も同じで、そのページを開き、かつ、その広告が広告であることを意識して読まなければ、なかったものと同じです。

    本書はそんな、出会えなかった広告に出会える本です。

    ここで紹介されている広告は、詩のようであり、物語であり、自分のことのような広告です。
    人生の一場面をあざやかに切り取り、感慨深く見せてくれる広告ばかり、なのです。

    「へー、あの会社、こんな広告コピーだしてたんだ」
    「この広告、いいな。○○って会社のなんだ」

    というように、自分と広告が出会うことで、知らなかった企業の側面が見れたり、はじめましての企業があったりもしました。

    コピーライターさんのコメントが広告ごとに載っていて、広告コピーが誕生した裏側や、コピーにこめたコピーライターさんの思いも知ることができます。

    「この広告コピーは○○さんていうコピーライターさんが考えたのか~」
    本書を読み、それを知ることで、広告コピーがより身近に感じられました。

    白黒印刷であるのが惜しい気もしましたが、カラー印刷だったらむしろ彩りに目がいきすぎて“広告コピー”に目がいかなかったかもしれません。

    “広告コピー”の本だからこそ、白黒印刷であるから、広告コピーをじっくり、読み込むことができるんだなと、最後は納得しました。

    さらっと読もうとして手にとった方、本書は
    さらっと読める本ではありませんよ。
    どのページを開いても、手が止まってうなずいてしまうので、読み終えるのに3日はかかるでしょう。

    そして読み終えたときには、心がぽかぽしている自分に気づくはずです。

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