“文学少女”と死にたがりの道化 (ファミ通文庫)

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  • エンターブレイン
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757728066

感想・レビュー・書評

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  • 野村美月の『“文学少女”と死にたがりの道化』を読んだ。

    高校の文芸部の遠子先輩は本を食べる妖怪だ。
    今日も心葉は遠子にデザートを提供すべく、五十枚綴りの原稿用紙に筆を走らせている。
    ある日、一年生の女の子、千愛から恋を叶えるべくラブレターを代筆してくれと頼まれる。
    しかし、千愛の片思いの相手、片岡愁二はなぜか学校には存在しなかった・・・

    ミステリー風ではあるが、基本的にはラブコメに近いかな。
    遠子先輩の設定とかぶっ飛んでしまってるし。

    特徴的なのは全編を通して太宰治の『人間失格』をモチーフに話が進められていくことだろう。
    『人間失格』はあらすじこそ知っているが未読の作品で、事前に太宰作品を読んでからだとまた違った印象になるのかもしれないなと思った。

    モチーフが暗い作品なので、多少ダークな内容が綴られている。
    自殺の話がいくつも出てきて、そのたびになんともいえない気持ちになった。
    自殺って世間一般に思われているほど簡単な心情じゃないと思う。
    生きているのが異常に辛くて苦しくて地獄に叩き込まれたような感情を持っているんじゃないかな。
    周りから見てなんでそんなことでと思うようなことでも、本人にしてみれば圧倒的に絶望的な心境なんだろう。
    そこに救いの手を差し伸べてあげられるのは、叱咤でも激励でもなくて愛情なんだと思う。

    本作はコミカルな表現が多くて、最後まで陰湿感は薄い。
    軽く読めてしまう小説だ。
    ライトに語られた方が救われるってこともあるね。

  • とても綺麗な作品で「透明な硝子」を連想させる様な本です。読んだ後は心の中が澄んだような気持ちになります。

  • 全作読んでいるけど、この作品が1番好き。
    千愛って名前かわいい。

  • 遠子先輩かわいい

  • 文学作品とリンクする、透明感のある苦しい青春の話

  • 純文学とライトノベルの架け橋的作品。

  • ああ、ライトノベルだなぁ、と強く感じる。

    内容はアレだが、テーマはなかなか。

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • ブクログの推薦で図書館から借りたが、表紙や何枚かめくって読むか返すか迷ってしまった。結論としては読んで良かったと思う。
    作者の太宰愛がすごく感じられた。トッピと感じられることはあったが読み方が悪いせいかもしれない。

  • 今読んでも色褪せない作品。15周年ツイートで、引っ張り出して再読。最近のラノベ(異世界転生系とか隠キャラブコメ系)は全然合わないけど、やっぱりこういう作品がいいですね。大きなストーリーは覚えてるけど、それぞれのエピソードは忘れてたね。太宰治は人間失格だけじゃない!遠子先輩に憧れる。この調子でどんどん再読しよっと。

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著者プロフィール

合唱王国福島出身。春の夕暮れに生まれる。幼いころから読むこと、書くこと、眠ることが大好きで、作家を目指す。作品に「文学少女」シリーズ、「むすぶと本。」シリーズ、『ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件』(いずれもファミ通文庫)などがある。

「2021年 『世々と海くんの図書館デート(5) 春めくきつねは、つりばしにゆられて、あのこに会いにゆきます。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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