覇道の槍

著者 :
  • 角川春樹事務所
3.74
  • (5)
  • (11)
  • (10)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 83
感想 : 16
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (369ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758412339

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 信長登場前の戦国前期はほとんど知らないんだけど、三好元長の天下統一の夢をドラマチックに描いて面白かった。最後に松永弾正が登場して義輝、信長の後期を予感させる

  • どれだけ志を同じくした者たちでも一度芽生えた憎しみの炎は命わかつまで消す事が出来なかったのか、と哀しさが残る。

  • 三好元長という武将をこの本を読んで初めて知った。あの、三好長慶のお父さんだった。しかも、弟があの三好三人衆の一人三好康長「笑巌」。驚いた。
    三好元長が、元長・足利義維・細川六郎「晴元」の三人でこれから新しい幕府を作ろうと約束したのに、それぞれの確執からこうもなってしまうのかと驚愕した。誰が悪いとかと言ったらこの三人だと思う。お互いにもっと立場をわきまえるじゃ変だと思うけれどもう少し信頼すればよかったと思う。
    人間関係においてこういうことが今も起こりうることだと改めて思い知らされた。
    とても、内容的にも面白い。
    最後の九一郎「元長の忍」には「わぁお!」という感じのサプライズ的な。
    読んでる途中でふとあれかなあとは確かに思ったがまさかね。興奮しちゃった。
    また、戦のシーンが最高!緊迫感が得られ読んでるこっちまで戦ってる感じにさせられた。滅多に戦を書く歴史小説の方は今まで読んできてなかったので嬉しかった。
    登場人物もまた素晴らしい色々な武将がたくさん出てきて嬉しい(^o^)
    なんと言っても知らない武将ばかりだから「へえ~」と勉強になる。
    悲しいけど満足できる小説。
    元長の息子達の話も続き的なもので書いて欲しい!

  • 三好元長を主人公に。長慶の父。/四国、阿波にて、将軍家の血を引く足利義維、管領細川京兆家の御曹司細川六郎とともに、畿内平定、天下をつかむことを目論む三好元長。当初は、世のため、民のため、戦のない世にしたい、転じて、暗殺や民の犠牲もいとわず。堺公方府を打ち立て、天下に覇をとなえようとするも、内訌は止まず、また元長も内訌の一ファクターとなり、公方府をまとめられず。最後は、はたから見ても甘い、主は元長を討とうと決意しているのに、最後まで主を討つことなどかなわぬ、と信念を貫き通して敗死していった元長。単純にスッキリしない感は、「南海の翼 長宗我部元親正伝」にも通ずる。柳沢賢治、浦上村宗、木沢長政、朝倉宗滴など、ほかにも興味深く、調べてみたいひとびとも。のちの松永久秀も、久一郎という名で元長につかえる忍びだった、という設定も創作だけど興味深く。元長「汚れることを厭うていては、志を遂げることはできませぬ」/朝倉宗滴との二度の会談シーンもみもの。朝倉宗滴や久一郎からの、再三の六郎を見限っては、というすすめにも首を縦にふらず。甘さと厳しさのアンバランスが魅力だったのかもしれない。元長「皮肉なものよ」「我らは、民のために戦いのない世を築こうと、この堺公方府を作り上げた。だが、公方府を滅ぼすのは誰でもない、名もなき民たちであった」

全16件中 11 - 16件を表示

著者プロフィール

天野純希
1979年生まれ、愛知県名古屋市出身。愛知大学文学部史学科卒業後、2007年に「桃山ビート・トライブ」で第20回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2013年『破天の剣』で第19回中山義秀文学賞を受賞。近著に『雑賀のいくさ姫』『有楽斎の戦』『信長嫌い』『燕雀の夢』など。

「2023年 『猛き朝日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

天野純希の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×