世界平和のために (ハルキ文庫 ラ 1-1)

著者 : ダライラマ14世テンジンギャツォ 塩原通緒

• 角川春樹事務所 (2008年7月1日発売)

感想・レビュー・書評

[kasuranさんの感想 · 2018年10月21日]

この書のタイトルは「世界平和のために」であるが、元の題は「幸せに生きるために」である。これはどういうことであるか。時代背景として自分の幸せのためというよりも世界平和のためとした方が見栄えも聞こえも良いのは理解できる。しかし、これは主客転倒である。ダライ・ラマの語る世界平和は、どんな境遇であれども仏法のもとでいかに自分が幸せに生きていることを実感し、感謝することによって実現するものなのだ（断定するが大乗仏教とは本来そういうもののはず）
この本は仏教徒と対象としない不特定多数への説法をまとめたものであるため、理解されにくいと判断したのか、やや説明が不足しており、綺麗事を並べてしまっているように見えるのが残念でならない。やはり前提知識としての仏教的な思考の下地は必要なのではないかと思う。（これは仏教徒でなければ持ち得ないものではなく、単に考え方の問題であるので宗教は問わない）

[lillamyさんの感想 · 2008年11月13日]

ダライ・ラマの本は好きでよく読む。でも手に取るときは、やっぱり疲れてるときが多い。読後数日でも、「やっぱりきちんと生きよう」と思って暮らせる。今回思ったことは、欲は良くないということ。「煩悩」は消すように努力しないと・・・。とにかくどの本を読んでも、反省することが多い。数日でもきちんと頑張って生きよう。