天の梯 みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-12 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
4.56
  • (995)
  • (406)
  • (108)
  • (13)
  • (1)
本棚登録 : 3901
感想 : 574
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758438391

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 遂に完結!
    なんじゃこりゃーってくらい今まで厚く暗い雲に覆われていた満天から一筋の光が差し込んできたかと思うと、それは一気に雲間を広げ地上にまぶしい程の光を浴びせ、薄目を凝らしてみれば、そこには雲外蒼天が突き抜けていた!みたいなw
    全ての点が線となり、絡まった糸はほどけ、クラシックのストラヴィンスキー「火の鳥」を聴いているかのようなクライマックス感!これほどのハッピーエンドはない!
    高田さんは聖人か?と思えるほどにいいことしか思いつかない人なんじゃないだろうかと思える。
    でも、これは小説だから面白いのであって、なんで実写なんかで映像化しちゃったんだろうね。せっかくの想像で十分楽しめるものを映像化で現実化したためにすべての想像力を失い、作品そのものをダメにしたと思う(見てないけどw)
    おまけに、この後の話がまだあるので、また時間を空けて読む予定。
    「雲外蒼天」この小説で初めて知った言葉だけど、この完結に本当にふさわしい言葉でした。

  •  最終巻。これで最後です。ラスト。うーん。むむむ。
     うーーーーーん……!

     シリーズものとしては大好きです、この作品。何度もレシピまねしてます。忍び瓜おいしいです。
     澪ちゃん始め、登場人物魅力的で、雰囲気もよくて、ストーリー展開もどきどきして。
     何より、従来ジャンルにはまらない独自性。江戸時代のNHK朝ドラって感じの雰囲気、展開。

     ただ、最終巻として見た場合……もっとゆーっくりと、お話を畳んでほしかったなぁと言うのが正直なところで。
     エンドロールは冗長なくらい長くていいんですよ……!
     あんだけ澪ちゃんつらい思いさせて、溜め回多くて、……なのに。
     こんなにさくっと、ぱさっと終わりにしちゃったら、この行き場のない思いはどこに持っていけばいいのか……!

     好みの問題なんだと思います。
     伏線のたたみ方はしっかりしていましたし。もともと、コツコツ積んだ展開を、怒涛の勢いでぱぱぱっと畳むのがこの作者さんの魅力なのは理解しているつもりです。

     それでも……!
     もっとゆっくり、じっくり、味わうように、澪ちゃんと源斉先生が距離をつめていくところが見たかったんだ……! 
     澪ちゃんと野江ちゃんが、もっとじわじわと会話して、幸福を味わって、見つめ合って微笑み合って、手を取り合って喜び合うシーンが見たかったのですよ……!

     ラストの展開は、あえて書いていないのであろう余白がいっぱいありすぎて、私の脳内では補完しきれません……っ

     楽しかった、面白い作品だった、それは間違いありません。
     それだけに、最終巻読み終わって、心底じたばたしております。

  • 発売直後に購入済だったが、これが最終巻かと思うと読んでしまうのが惜しいような、早く結末を知りたいような、そんな気持ちで今日まで保留。
    そして、思い切って手に取った。
    期待通りの大団円。
    はるかに遠い四千両にこんな手があったとは。
    この後、特別巻があるとか、楽しみに待つとしよう。

  • ついに完結。ここまで涙、涙な展開で澪があまりに不憫だと思ったこともあったけど、ラストに向かっては転がるように物事が進み、雲外蒼天の大団円。
    澪が行動することで周りの道も決まってゆく様子がいい。人はだれしも、周りの人と影響を与え合うことで、前へ進んでいけるんだと納得させられる。
    恋する澪、野江を想う澪も好きだけれど、やっぱり料理をしている時の澪がいちばん輝いて見える。その意味で、いずれ自分の店を持つ澪の姿が思い描けるラストは良かった。いいシリーズだったなぁ。

  • いつの間にか自分もつる屋のメンバーになっていて、一緒に泣いたり笑ったり。

    読みながら、知らないところでいつも誰かが自分を案じてくれているのだなぁと、しみじみ思いました。
    それなのに、自分は自分のことばかり考えていて・・・。反省です。

    完結してしまい、名残惜しくて、他の方のレビューも全部読ませていただきました。

  • この本だけは一気に読みたくて、その時間ができるのをひたすら待ちわびた。


    なんという…これ以上はあり得ないと思うほど至福の大団円。

    澪の曇りのない人柄があればこそ、多くの人がその心の内にきらめく善意のありったけを大切な人たちへと互いに注ぎ合い、針の先ほどにも見えなかった光を、思いも寄らぬ輝きに育ててしまった。

    誰かがこの上なく幸福になる時、その幸福を我が幸せと噛みしめることのできる生き方。澪と心を通じ合わせた人たち皆が、澪と生き、澪と暮らし、澪と働き、澪と苦楽を共にするうちに、知らず知らずに手に入れてしまっていた。

    この物語の中で生きれば、私もそうなれただろうか。

    ここに登場する善意の人々…すべてに幸あれ。
    澪を優しく包む源斉、野江らの慈しみが、彼女がこれから目指す料理人への道道で、その献立のひとつひとつにあふれる「滋味」へと育ち、多くの人の心と体を健やかにしてくれますように。

    善き人たちの善き心と行いに満ちた物語。
    高田郁さん…本当にありがとうございました。



    追伸 つる家、一柳、みをつくし。よき料理人が暖簾を守る三つのお店…最後にその10年後を垣間見て…鳥肌が立ちました。これぞ大団円。

  • みをつくし料理帖シリーズ ⑩

    結び草 葛尽くし
    葛は見た目が麗しく根性もあり、美緒さんみたい…。
    張出大関 親父泣かせ
    政さんの「親父泣かせ」が料理番付に!!
    明日香風 心許り(こころばかり)
    酪作りで捕えられた佐兵衛を救うのは小松原さま。
    天の梯(そらのかけはし) 恋し栗おこし
    ついに、あさひ大夫の身請けへ!!いざ、大阪へ!!

    終わってしまったー( ノД`)…
    こんなに感情をクルクルさせられた、みをつくし料理帖。
    終わってしまった…。
    でも、その終わり方はどの人にもハッピーエンドって
    感じがして、それが良かった。

    小松原さまとは恋をしたときもあったけど、
    自分の心星を見つけることができた、きっかけ。
    それを小松原さまも分かってくれてる感じが良かった。
    澪ちゃん、源斉先生と末長くお幸せに(*´艸`*)

    最後の料理番付乗ってるのが良かった!!
    めっちゃ、想像しまくったー笑
    こういうのがイキだねぇー!!

  • ついに終わってしまいました。
    皆それぞれの心星を目指して進んで行って欲しいです。
    巻末の番付が粋ですね!

  • 最終巻!
    もう全員粋、全員いい人、全員大好き!

    本当に感無量の最後でした。
    ここをきちんと最後にもってきてくれて嬉しいよぉ。

    本当にいろんなことのあった江戸での生活。
    丁寧に生きるときちんと
    自分に返ってくるんだと思える素敵なシリーズでした。

  • 雲外蒼天の見事なまでの大団円でした。途中、又次の死が本当に辛かったけど、それさえも必要なことであったのだなぁ、と納得できた。

    そもそもこのシリーズを読み始めたのは毎日ごはんを作ることに疲れてしまい、少しでもモチベーションを上げるために良さそうな気がしたのがきっかけでした。時代は変わり、薬やサプリなどで栄養は手軽に取れるようになったけど、「食は人の天なり」という言葉が示すように日々口にする毎日の食事こそが大切だと気付かされた。なのでごはん作るの面倒だなと思った時はこの言葉を思い出すようにします。

    そして巻末付録は思わずにやり。最後まで粋な計らいありがとうございました。番外編も読まねば!

全574件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

高田郁の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×