食堂つばめ 8 (ハルキ文庫 や 10-8)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 126
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (177ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758440509

感想・レビュー・書評

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  • 生と死の境目にある「街」の不思議なレストラン〈食堂つばめ〉。ここで食事した人は、生きる力を取り戻し、生き返ることができる。ところがこの店の料理人⚫ノエに、小さな変化が起きはじめていた。一方、死に限りなく近い人だけがやってくるはずの「街」に自由に出入りでき、店の常連となっている食いしん坊のサラリーマン⚫秀晴は、妻の柊子の出産を控え、父親になる日が近い。それなのに、秀晴はなぜかノエの変化ばかりが気になって…。大好評「食堂つばめ」シリーズ、切なくも心温まる最終回。

  • 最終巻。流れはなんとなく想像通りだったけど、美沙ちゃんと秀晴が街へいって、という展開は予想外で面白かったな。柊子さんが出産で危なかった時もだけど、とにかく怒濤の料理尽くし。打ち上げ花火の終盤みたいにどんどん出てくる(笑)。そしてどれも美味しそう。ノエがいなくなった後の街にも、ノエがいる。というのはちょっと都合良すぎない?と思うのだけど。生まれ変わったで良いと思うんだけどね・・・。

  • 私が大好きだったシリーズが、終わってしまったぁとちょっと心にぽっかり穴が空いた感じがしましたが、終わり方が個人的には好きです。
    前巻で出ていたあの球体。やっぱりノエさんだったんだなぁ。柊子さんの所に出てきてる事からちょっと考えていたんですが、こっちを読んで納得しました。生まれ変わるって寂しいような嬉しいような、すごく複雑な気分だったかのかもしれない。
    終盤になっていく中、うるってする部分あり!まさかのクスッと笑える部分もあり!あとがき含めて楽しかったです。続編とかあったら、絶対に読みたい!

  • か、完結したあー!
    なんだか不思議な世界観らしく、不思議なオチがついた。
    不思議ではないんやけど(?)、なんでもありみたいな。
    気持ちのいいなんでもありみたいな。
    読了感はすっごくよかったです。

    長い期間をかけて読んでしまったので(途中数年開いてるので五年くらい…?)初期のころの細かいところはちょっと忘れちゃったかも。申し訳ない。

    もちろんそれでも十分楽しめるんやけど、最終巻を読んだときに、初めに秀晴くんが「街」にやってきたときのことを鮮明に覚えていたら(わたしが)もっとじんわりきたかもなあとも思う。^^

    ところどころで砕ける文章が面白かったなあ。
    この本の初版が2016年やから、ちょうどわたしが本読み生活に戻ったあたりかあ。
    1巻もそのころに読んでるはず…。
    でも、2016年にこの最終巻を読んでも、ここまでほっこりはせんかったかもしれん。

    年齢を重ねるごとに、「そう思ったら物事はそう」という考え方が好きになってきてる。

    白黒はっきりつけることが世の中には多すぎるから、つけなくてもいいことこそ大事にしたいねんな。
    説明できない感情とか、感覚とか、そういったもので構成されてる。し、構成されたい。
    仕事は、そんなことをいうわけにはいかんからね。笑

    わたしも「街」に行って(帰ってきて)みたいなと思ったけれど、あとがきを読むと著者曰く、こういう「街」は自分で作るものなのだと。
    なるほど確かにそうかも。
    わたしも子供のころは、お風呂の湯舟に映る世界を見て「この向こうの世界は、」と、何度も想像したなあ。
    そんなことをいつの間にわすれてたんやろ。笑。

    わすれてたというより、わたしは二次創作へすっかりはまってしまったので、「街」はわたしの二次創作にある。
    最近全然できてない(二次創作が)!

    ちょうどいま、書きたいネタがあるから、明日絶対書こう。
    わたしも、わたしの「街」に、ふとした瞬間に訪れるのだ。
    その感覚を忘れないようにしないと。^^

    秀晴の訪れる「街」は、著者にとっても気分転換になる大事な世界(のひとつ)のようで、その「街」について書いたものがこのシリーズ(でもあった)らしい。

    わたしは著者の想像の世界に浸って、おいしそうだなとか悲しいなとかうれしいなとか、たくさんの感情を共有したわけで。

    …ん? そう思うと、これはどこまでが「想像」なんやろ?
    著者の「想像」は小説として「現実」になり、その「想像の現実」にわたしはまた想像をかきたてられている。わたしはわたしを著者の書く「街」へ何度もとばしている。

    あれ? いま、わたしはどこの世界線におるんやろ? 笑

    作中作でもないけれど、物語と現実の境界線を見失う瞬間が、本読みをしていて一番ぞくっとくる。

    まさかこのシリーズで、そんな感覚をじわじわ感じるなんて、最初は思いもしてなかったなあ。

    とても、楽しくて、せつなくて、「どこか見覚えのある」読了感でした。
    読んでよかった。

  • 妻の出産の近付く秀晴と、生まれ変わる日の近付くノエの最終巻。幾ら食べても満腹にならないところや隙のある文章、ノエと混ざった赤ちゃんが話し出す展開等、微妙な違和感は最後まであったけれど、太らないことも含め食いしん坊の夢なところも確かにあった。二種類の玉子サンドやケーキのようなちらし寿司が美味しそう。

  • 終わってしまったなぁ。
    ずっと美味しそうなシリーズだった。
    ちょっと謎だらけだったけど、美味しいは正義!!

  • 思いもよらぬ終わり方でした。
    全員幸せそうなんだけれど…新ノエさんは作らなくても良かったのでは?と思ってしまいました。

  • 食堂つばめシリーズ最終巻。

    どうやって完結するのかと思っていたら、そうきたか(笑)

    私が秀晴のように「街」に行き来できていたら、何をノエに作ってもらっていかなぁ。

    2017.9.25 読了

  • 2017年23冊目。

    シリーズ最終巻。

    食堂ツバメの料理人ノエに変化の兆しが。
    生き返る前に生前の記憶を取り戻せるのか。

    今作は、ノエの思い出の料理、ちらし寿司、玉子焼きサンドイッチが登場。
    ……そうか。
    1巻で秀晴は玉子サンドを食べていた。
    玉子サンドに始まり玉子サンドで終わったのか。

    最終巻初めのページに秀晴の家系図掲載。
    これ、全巻にあるとなおよかったなあ。

    またキクさん(ノエの母)に会いたい。
    元気なキクさんが登場するとうれしかったので。

  • まさかこんなラストになるとおもいませんでした。

  • 物語の終わりとしては、心情的にも理解できるし良かったなぁと思います。
    ただラストの展開は秀晴の願望とはいえちょっと納得いかない。

  • どこまで続くのかなと思っていたが、きれいに終わった。ただ、秀治が情けなさ過ぎるし、最後は蛇足のような気もする。

  • 「食堂つばめ」シリーズ、完結編。
    どんな解決になるのかな、と思っていましたが、なるほどと思える結末。
    ノエに救いがあって良かったとは思いますが、あちらも欲しい、こちらも手放したくない…が何でも叶ってしまうのは、多少、虫が良すぎる気がしました。
    生と死を扱っているわけですし。
    それにしては少し軽いし、駆け足な気がする完結編でした。

  • う~ん終っちゃいましたね。物語が続いていくのに少し息切れかなぁと思っていたのでノエのこういう展開もありなんだと思いますが・・・最後の美沙とつばめの場面は無い方が良かったです。

  • 大団円。

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著者プロフィール

一九六四年、埼玉県生まれ。八五年、矢崎麗夜名義で星新一ショートショートコンテスト優秀賞を受賞し、八九年『ありのままなら純情ボーイ』で作家デビュー。主な著書に「ぶたぶた」シリーズ、「食堂つばめ」シリーズ、「NNNからの使者」シリーズ、『あなたのための時空のはざま』など。

「2022年 『おいしい旅 想い出編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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