あきない世傳 金と銀(四) 貫流篇 (ハルキ文庫 た 19-18 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 1905
感想 : 203
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758441100

作品紹介・あらすじ

江戸時代中期、長く続いた不況を脱し、景気にも明るい兆しが見え始めた。大坂天満の呉服商、五鈴屋でも、五代目店主の惣次とその女房幸が、力を合わせて順調に商いを広げていた。だが、徐々に幸の商才を疎むようになった惣次は、ある事件をきっかけに著しく誇りを傷つけられ、店主の地位を放り出して姿を消す。二度と戻らない、という惣次の決意を知ったお家さんの富久は、意外な決断を下す。果たしてその決断は五鈴屋を、そして幸を、どのような運命へと誘うのか。大人気シリーズ第四弾!

感想・レビュー・書評

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  • 「ただ金銀が町人の氏系図になるぞかし」

    ほらね!だからわい言うてたやん!
    収まるべきところに収まった第四巻だす
    三巻までいらんかったな(絶対そんなことはない)

    やっぱりさー!男に大事なのはやさしさよねー
    こう包み込むようなやさしさよ(わいのように)
    それでいて大事なところは前に出る(わいのように)
    いいのいいの奥さんが優秀ならね
    任しちゃえばいいの
    転がされてればいいのよ
    うまく転がされるのにもたいへんな技術がいるんだから(わいのように)
    わいなんか1級転がされ技術者の免許持ってますからね
    結婚してすぐに2級取得して5年間の実務経験の後、一発で1級合格してますからね
    面接のとき試験官に号泣されてその場で合格が決まるっていうね

    そしてなんか今回もうま〜くいい感じの長さに納めつつ次回への引きが強い!
    高田郁さん、あんた天才か!

    すぐ次に!と思ったけど手元にない
    わい…あかんたれや!。゚(゚´Д`゚)゚。

    • 1Q84O1さん
      2級の免許持ってましたが返納しました
      もう転がされるのは嫌!
      反抗期です٩(๑`^´๑)۶
      2級の免許持ってましたが返納しました
      もう転がされるのは嫌!
      反抗期です٩(๑`^´๑)۶
      2023/09/15
    • ひまわりめろんさん
      あー反抗期ね
      うん反抗期だからしばらくしたら落ち着くやつだわそれ
      反抗期が過ぎるとちょっと今まで聞いたことのない種類の音がするくらい転がされ...
      あー反抗期ね
      うん反抗期だからしばらくしたら落ち着くやつだわそれ
      反抗期が過ぎるとちょっと今まで聞いたことのない種類の音がするくらい転がされても気にならなくなるから
      そしたらもう1級は目前だから
      2023/09/15
    • 1Q84O1さん
      もう一度転がされ直して1級目指してみようかな〜
      図書館で試験対策の本借りてこよーっとφ(..)
      もう一度転がされ直して1級目指してみようかな〜
      図書館で試験対策の本借りてこよーっとφ(..)
      2023/09/15
  • 幸さん...あなたの強さに慄くわ。
    3回よ。3回!それもタイプが違う3兄弟よ!?
    凄いわ。いや、もしかしたら羨望もあり...?
    まあ私は始めから、智ぼん推しでしたが。まんまと作者の思うツボですな。

    物語後半になればなるほど「これは半沢直樹?」「作者池井戸さんの間違いじゃ?」と勘違いするような場面が多い!
    江戸時代でも現代でも、あきないというものはきっとこういうことなんでしょうな。(ざっくり)

  • 人気シリーズ4作目。
    1作目も2作目も3作目もあっと驚く結末でした。
    そして?

    幸は、大坂天満の呉服商「五十鈴屋」に女衆として奉公していました。
    店主の祖母である「お家(え)さん」と、番頭の治兵衛に認められ、四代目店当主の後添いに。
    ところが、放蕩者の四代目は、あっけなく‥

    次男の惣次が五代目徳兵衛として跡を継ぐことになり、幸を嫁に迎えるのを条件とします。
    幸を気に入っていたはずの五代目との間がきしむようになり、ある日突然‥

    夫の出奔が理解できないまま、なんとかしのごうとする幸。
    お家さんから、思いがけない願いを聞いて涙します。
    幸の才覚を戦国武将とまで評価していた治兵衛は、三男の智蔵に期待をかけます。
    貸本屋で戯作者の道を歩んでいた智蔵は?

    ちょっと展開が急ですが、まあまあ収まるところへ収まった、という感もあり。
    もう誰が見てもべっぴんさんの幸が、御寮さんとして力を発揮し始めます。
    とはいえ、大阪には「女名前禁止」という決まりがあったんだそうで。一家の商売を女が表に出て仕切ることは出来なかったという。
    四代目の最初の妻が実家で活躍しているとは、頼もしい。名はともかくとして、こういう実態はあったんでしょうか。

    智蔵は商才があるというわけではないけれども、人当たりがよく柔軟。
    智蔵の生き方や考え方が独特で、なるほど、若い頃のほのかな気持ちだけじゃなく、成長してこうなった男ならこのときの幸と合うのか!と面白かったです。

  • しばらく積読状態でしたが、やっと読めました。

    しかし、まさかまさかの急展開!
    回り道をしたけれど、ようやく納まるところにといったところでしょうか。

    ただ、幸の淡い初恋が実ったのはとても嬉しいのですが、
    あまりにあっけなくて…
    もう少し智蔵と結ばれるまでのドキドキを味わいたかったなぁ。

    結果として四、五、六代目に嫁ぐことになった、聡くしっかり者の幸ですが、
    この聡明すぎるところが、最終的に惣次を追い詰めてしまった部分もあったような気もするので、
    智ぼんには、幼い頃の幸のようにもっと甘えて欲しいです。

    それにしても、惣次は今どこで何をしているのでしょうか…
    たぶん今後またかかわって来ますよね…怖い…。

    茂作の行商のための風呂敷や、留七と伝七への情け、
    菊栄との再会、心の中で拍手しました。
    特に人形浄瑠璃の観劇の仕掛けは幸の本領発揮ですね。
    後は、もう少し富久に生きていてほしかったです。
    表紙の桑の実色の着物が素敵♪

    すべては人の情けに繋がっていく大勝負に期待しています!

  • 突然の5代目から届けられた隠居届けと離縁状
    五鈴屋の暖簾を守るため、世間の冷たい好奇の目と中傷を尻目に
    艶やかな笑みを持って、三男智蔵改め6代目徳兵衛の妻となる
    長男、次男に続き三男にまで嫁す!
    驚きの展開だが、暖簾を守っていく難しさというのは、常識をはるかに超えるものなのかもしれない
    『どんな時も笑って勝ちに行く』治兵衛の教えを貫く幸だ

    『女名前禁止』という掟がある大坂、女は家持ちにも店主にもなれないきまりの中で、智蔵は、人形浄瑠璃に例え、自分が人形に、幸は人形遣いになって、思う存分商いの知恵を絞って欲しいと提案する

    6代目徳兵衛の優しさに守られながら、次々とアイデアを形にし、実を上げていく幸
    今までとは店の雰囲気も一変し、奉公人や女衆も伸び伸びと店のために力を尽くす
    自分のことを何の才もない木偶の坊と言うが、自分は人形に徹する事で、幸の才を生かすことを考えた智蔵は、それはそれで素晴らしい人を生かす才能の持ち主だと思った

    近江商人や元五鈴屋の手代を使って地方に五鈴屋の羽二重や反物を広める、人形浄瑠璃の人形に五鈴屋の反物を提供するなどのアイデアは、読んでいても、心が躍る楽しいものだった

    江戸進出の基盤が着々と整いつつあるように思えるこの巻であったが、最後の最後にまた一勝負・一波乱の兆しが・・・

  • 六代目のご寮さんとなった幸、本格的に商い参入ですね。あっ、これ前作でも言った記憶が。
    そしてなんと続きが気になる終わり方…

  • 5代目、そんなことになるのかい。。、余りにも、あっさりしてしまって、虚しく哀しい。
    しかし、そのおかげ?で、いよいよ幸が全面的に力を発揮し始める。
    お家さんも本当にご苦労なすったが、最後は安心していけたのではなかろうか。。。
    いよいよ、物語は安定軌道に乗ってきたか。
    今後も目が離せない。

  • 高田郁『あきない世傳 金と銀(四) 貫流篇』ハルキ文庫。

    シリーズ第4作。『女名前禁止』という掟のある江戸時代中期の大坂で、主人公の幸が商いの道をひたすら突き進む。幸の知恵と勇気と決断力。そして、商人としての心意気。何とも爽快で、感動的な物語が展開する。

    大坂天満の呉服屋・五鈴屋の五代目店主は隠居を申し出て、幸のもとから姿を消す。店主不在の危機にお家さんの富久は意外な決断を下す。

    次々と五鈴屋を襲う様々な危機を、持ち前の知恵と勇気と決断力で乗り越えていく幸の生きざまが清々しい。ラスト1行の幸の決断に心の中で拍手した。

  • あきない世傳金と銀、第4巻。
    ようやく手に入れました!
    そして、ゆっくりじっくり味わいながら読みました。

    第3巻のラストでどうなることか?!
    と、気をもんでいたのですが…
    予想だにしない展開に、「えっ!!!」と声を出してしまいました。

    天満の五鈴屋へ女衆として奉公に上がり、4代目徳兵衛の後添えになった幸。
    4代目徳兵衛は3兄弟の長男ですが、読んでいて腹立たしくなるほどの放蕩息子。
    その4代目徳兵衛が不慮の事故で亡くなります。
    事故の原因も自業自得というか…

    そして、5代目徳兵衛となったのが弟の惣次。
    3兄弟の次男。
    5代目徳兵衛は幸の商才を認め、幸を娶ることを条件に5代目に。
    この惣次、商売熱心で、商売人としては4代目とは比べ物にならない。
    幸の商才を認めていたので、幸と二人三脚でやっていくかと思いきや…
    商売が上手くいき始めると、手柄は自分ひとりの裁量と勘違いし始める。
    ”情”というものが全くなく、儲けることしか考えない。
    その結果…
    自分で自分の首を絞める状況を招いてしまう。

    そんな状況を作ったのは4代目自身なのに、あろうことか、お金をもって逃げ出した。
    後に残された幸と五鈴屋。

    どうする幸????
    どうなる五鈴屋~~~~!!!!

    と、思っていたら、3兄弟の末っ子、智蔵が6代目徳兵衛に。
    そして、そして、幸がその嫁に!

    3兄弟の長男、次男、三男と三人の嫁になった幸。
    でも、第1巻で智蔵は幸と夫婦になることを望んでいたのだし。
    そして、なんといっても人としての優しさを持っている智蔵。
    自分を人形に、そして幸を人形遣いに例え、幸が思う存分あきないに力を注げるように尽力する姿。
    ”智ぼん、よう言いはった!”
    ”智ぼん、ようやらはった!”
    と拍手喝采!!

    次から次へと窮地に追い込まれ、やっと商いが軌道に乗ったら、またまた問題が!

    第5巻は来年の春ごろ発刊でしょうが、今から待ち遠しい!!!

  • 納まるべきところに納まった幸と智蔵。
    いよいよ、幸の胸のすくような活躍が始まる。
    一巻で、四代目徳兵衛に嫁ぎながら夫に愛想をつかし、実家に戻った元ご寮さんの菊栄。その立ち居振る舞いが魅力的で、一巻だけでこの物語から姿を消してしまうのは残念に思っていたら、前巻で幸と5年ぶりの再会。この巻では、幸にとってさらに貴重な役割、重要な存在になってくる。
    今後も、この二人、様々な関わり合いになっていきそうな予感。
    一気に第四弾まで読んでしまったが、第五弾は未刊行。
    今までの刊行間隔からすれば、次巻は来年の2月?
    楽しみに待つとしても、なるべき早い刊行をお願いします、高田郁様。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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