あきない世傳 金と銀(四) 貫流篇 (ハルキ文庫 た 19-18 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758441100

感想・レビュー・書評

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  •  ああ……こういう話が書きたかったんだろうなぁと思わせる展開、なのだが、いろいろ不穏な気配があるので、この先どうなるんだろうとはらはらしてしまう。

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    江戸時代中期、長く続いた不況を脱し、景気にも明るい兆しが見え始めた。大坂天満の呉服商、五鈴屋でも、五代目店主の惣次とその女房幸が、力を合わせて順調に商いを広げていた。だが、徐々に幸の商才を疎むようになった惣次は、ある事件をきっかけに著しく誇りを傷つけられ、店主の地位を放り出して姿を消す。二度と戻らない、という惣次の決意を知ったお家さんの富久は、意外な決断を下す。果たしてその決断は五鈴屋を、そして幸を、どのような運命へと誘うのか。大人気シリーズ第四弾!
    +++

    あとからあとから厄介事が持ち上がる五鈴屋であるが、今回は、惣次が失踪したり、お家さんが亡くなったりと、別れが多い。だが、三男・智蔵が戻って五鈴屋を継ぐことになり、幸の運命もまたまた大きく変わることになる。初めからこうなることになっていたのだとも思えるが、これまでのあれこれがなければ、こうなることもなかったのだろう。壁が立ちはだかる度に、妙案を思いつく幸であり、それがことごとく当たってきたが、最後の最後にまたしても難題が。ただ、今回の難題は、五鈴屋にとっていいことになりそうな予感もあるので、次作が愉しみである。長く続いてほしいシリーズである。

  • あきない世傳シリーズ第4弾。
    姿を消した5代目店主・惣次の跡を継ぎ、6代目となった智蔵。そしてご寮さんとして支える為、智蔵の女房となった幸。3兄弟それぞれと夫婦になるなんて、本当にけったいな運命だなぁと思う。でもようやく、軌道に乗った感じはある。
    幸が五鈴屋にやって来た時から、こうなるだろうなと思ってはいた。遠回りはしたけど、幸の人生の糧になる経験だったんだろう。辛い思いも含めて。
    その中で、幸とお家さんの富久との絆は熱くなるものがあった。
    本作は桔梗屋さんの買い上げに名乗りを上げるといういいところで終わったので、次作はどんな幸の知恵や奮闘が見られるのか、楽しみ。

    2018年初読みとなったのは高田郁さんでした。
    ブクログを始めて10年。今年もたくさん素敵な作品に出会えますように。

  • 浪速の言葉がとてもいい。

  • 一巻の伏線通りに話が進んで、激動過ぎる人生を歩む幸を心配しましたが、なんだか逆にいきいきとしているのでこれで良かったんだなと思います。
    商いが上手くいっている事で内容もどんどん加速していくので、一気に読んでしまいました。
    幸が幸せそうで、楽しそうなのが嬉しい。

  • 次から次へとあれよあれよと急展開して、シリーズも早4作目。
    五代目店主となった惣次の女房となった幸は、今度こそ力を合わせ商いを広げていこうと意気込んでいたが、その幸の商才を徐々に疎ましく思うようになった惣次は、ある事件でプライドを傷つけられ店を放り出し、姿を消してしまう。
    なんと隠居をするという惣次に見切りをつけ、富久の下した決断、そして驚きのなりゆき.・・・
    またしてもまたしても、これでもかとばかりの展開に次ぐ展開。
    もうちょっとなが~く引き延ばしても・・・
    今回もあっという間に読了。
    自作が楽しみです。

  • やっぱりそうくるしかないよね。満を持しての三男智蔵さん。
    内助の功も良いが、幸は表舞台で気張って欲しい。
    あんまり波乱や不幸が襲いかかって来ないようにとは祈っているけど次はどんな流れが押し寄せてくるやら。
    治兵衛さんがまた泣かせる。
    朝ドラの影響で富久の言葉が京香様で再生され、幸がてんで再生されてしまって大阪の商人言葉がすんなり響く。

  • シリーズ第四弾。今まで通り、裏のあらすじも、中の目次も見ずに読み始める。じゃないと楽しみが減るー。

    幸の聡い人柄、微笑ましい風景、商人の人情は相変わらずでほっこりする。そしてまたすごい展開に、次が早く読みたい!

    みおつくしシリーズは美味しいが食べたくなったけど、こちらは着物を着て出かけたくなる。

  • 四代目だったゲスの夫を亡くして五代目の嫁となった幸。ここまでは予想したけれども、第三巻で五代目も失踪、この第四巻で六代目と夫婦になるとは。それを聞かされた天満組呉服仲間の第一声と同じく私も「げっ」。三人兄弟のもとへ順繰りに嫁ぐなんて。が、六代目と幸のコンビは絶妙。これまでの巻と比べてイケズされる度合いも低く、幸が次々に繰り出すアイデアが楽しくて、ニヤニヤしながら読むことができました。労を惜しまず商いに精を出せば自ずと財を成す。誰も試したことがないからこそ試す。その姿勢を見習いたい。引き続き頑張ってや、幸。

  • やっぱり最終的には智ぼんか…と思いつつ、幸がようやくのびのびと商いを広めていくさまは読んでいて気持ちが晴れる。
    (話の都合上仕方ないことだけど、四代目五代目の身勝手さにイライラしていたもので)
    どんな運命にもありがとうございましたと言える幸を見習いたいものです。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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