焼肉で勝負! 食堂のおばちゃん(10) (ハルキ文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758444231

感想・レビュー・書評

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  • まさか発達障害まで話題に出てくるなんて、すごい食堂です。瑠美さんと康平さんカップルや、万里くんとどちらかの女子も進展あるかな〜ソワソワするのですが、なかったらなかったで結局楽しんでいます。
    文中、「それは家族が食事を楽しむための、小さくても大切な、最初の一声だった」に目が潤みました。

  • 仕事終わりにバーに行く気力のあるおばあさんはすごい。

  •  佃の食堂兼居酒屋「はじめ食堂」を舞台にしたヒューマンドラマ。
     シリーズ 10 作目も全5話で、表題作は4話目に配されている。

         * * * * *

     本巻のポイントは1話目と5話目でしょう。

     1話目は「発達障害」にスポットを当てた作品です。

     こだわりや思い込みが強い傾向にあるのが発達障害を持つ人たち。それは食べ物の好き嫌いにも顕著に現れます。
     それでも味覚の嗜好が狭いだけで、かつて口にできなかった食べ物でも将来的に好きになる可能性はある。その可能性の芽を摘んではいけない。
     そんなメッセージ、しっかり伝わりました。

     相変わらず温かく優しい目線が感じられて心地よい。これまで LGBT やハラールを取り上げた時と同様、シリーズならではのスタンスです。

     5話目は、瑠美の学生時代の彼氏が登場する話です。

     はじめ食堂を取材する雑誌社のスタッフとして訪れた元カレと再会した瑠美。2人の間に漂う空気に(たぶん)気づいていながら問題にせず受け流す康平。
     そして、瑠美が康平や二三たちに思いを打ち明けるラストシーン。温かく受け止める康平が印象的でした。康平と瑠美の仲がさらに深まった感のある最終話。グッときました。

     それにしても康平をスコッチエッグに例えたのは秀逸だと思いました。

     ところで、はながストーカー被害に遭う表題作。万里の大活躍もないし犯人は小物感満載だし、尻切れトンボのようなラストだし。
     本巻の中心に据えるには軽すぎる気がしました。表題作には5話のほうが……。

  • 今回は、近所の小学校の発達障害クラスの親子に対して、料理教室を開く依頼が舞い込む。
    そこで、豆腐ハンバーグや餃子を教える。同じ材料で、焼いても、蒸しても、揚げても…。


    亡くなった後藤さんの家に、空き巣が入った事件が勃発!
    二三の高校時代の友達が、アメリカで大学教授をしているが、日本に戻ってくる予定があり、その空き家に住むことに。

    はなが、ストーカーに狙われる事件!
    結局、職場の上司だったのですが、はじめ食堂に因縁を付けて、上司の実態が明るみに。

    はじめ食堂が、雑誌の取材を受けると…
    瑠美さんの学生時代の彼氏が、ライターとして来ていて…世間は狭い。


    このシリーズも10冊目。
    図書館にリクエストして読んでいます。
    12巻までは、リクエストすると待ちの1番でしたが、13巻からは、少々待ちがあるみたいです。

    1冊目は、たまたま図書館で見つけて読んで、面白いと思い、調べてみると続編があったので、順番にリクエスト。ちなみに、ほぼ全巻、借りられてはいるんですよ。待ちは無くても…密かな人気シリーズ。

  • 「食育は豆腐ハンバーグ」
    切実な願いの中には。
    身近にいなければ分からないし、言われなければ想像すらしない世界ではあるのだろうな。
    忙しい中で必死に考えたものが受け入れて貰えなかった時、どれだけ子と向き合ってても辛くなってくるだろうな。

    「空き家とタコライス」
    見覚えのない車とは。
    心の整理がつかなければ、いくら遠くに住んでいるとはいえ手放そうにも難しいだろうな。
    白昼堂々と人の家に上がり込んでいるなんて思わないだろうと確信しているからこそ、やられたのかもしれないな。

    「おにぎり、ふしぎ」
    食べられないものは。
    何でと問われても無理なものは無理なのだから、歩みよって一緒に考えていくしかないな。
    普段から何でもやっているなら兎も角、手伝っているという感覚や何もしないのに外面だけいいと気分が悪いよな。

    「焼肉で、勝負!」
    足が遠のいた理由は。
    気のせいかもしれないから、本当だったんだと分かった瞬間の恐怖は桁違いのものだろう。
    混入物にもよるが、調理の過程が見えているのだから使用していないようなものが入っていたら疑問に思うだろう。

    「運命のスコッチエッグ」
    何も変わっていない。
    仕事に誠意を持ってしていない時点で、なんかと言ってしまうことすらも出来ないだろう。
    せっかく作ってくれた料理にケチをつけるだなんて失礼極まりないし、誰だって百年の恋すら醒めていくだろうな。

  • 今回も安定のほっこり。
    スコッチエッグが食べたくなったー

  • 2023 3/16

  • 私も月虹みたいな行きつけのバーが欲しいなあ。

  • 発達障害子どもたちへの料理教室のお話は良かった〜〜
    最近要ちゃんが影薄くて寂しい

  • 美味しい料理にプラスαされるお話し。今回も満腹。

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著者プロフィール

1958年、東京都江戸川区生まれ。早稲田大学文学部卒業。松竹シナリオ研究所で学び、脚本家を目指し、プロットライターとして活動。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務しながら、小説の執筆に取り組む。2007年、『邪剣始末』で作家デビュー。2013年、『月下上海』で第20回松本清張賞を受賞。その他の著書に「婚活食堂」「食堂のおばちゃん」「ゆうれい居酒屋」シリーズや、『風待心中』『ゆうれい居酒屋』『恋形見』『いつでも母と』、共著に『猿と猿回し』などがある。

「2023年 『婚活食堂9』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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