- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784761265267
感想・レビュー・書評
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端的に、買いかどうか、という観点で言えば、不要、と思う。
ただし、同様のスコープの本を読んでないのであれば、一読の価値はある。
以下、感じた点を述べる。
著者は約2,000社の会社の社長、コンサルタントとして業績回復の責を負ってきたプロである。ということで、所謂課長職が会社というヒエラルキーの中でどのような責務を担う職位なのかということを、一般論として俯瞰できるということには一定に価値があると感じる。 通常のサラリーマン(ビジネスマン)であれば、せいぜい2、3社しか生涯経験できないだろう中で、自身が課長職となった時に世襲的に引き継がれる自社業務、職責が妥当なのかどうかを知ることができるからである。
しかしながら、書かれている内容としは、当たり前のように感じてしまう面も多々あるように感じた。この手の本としてぬきんでている部分はあまりないと感じる。一度は読む価値はあると思うが同類書との比較という点でそれほど推せる点はない。それがこの評価の理由である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本で言うところの課長の仕事ととは、・部下の仕事の精査・人を育て、組織を強化・売上に責任を持つ・一組織(自分の統括する課)を超えた全体最適などなど、その他もろもろいっぱいあるのだが、言ってみれば当たり前のこと。これだけやっていれば良いのであれば、非常にラッキー。上司に恵まれています。私なんて、こんなんじゃ許してもらえませんから。グチ、グチ、グチ。
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(本書からの引用)
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■企画の立て方
1. 背景・経緯
2. 現状の課題
3. 課題改善の可能性
4. 目標設定
5. 目標達成のためのアクションプラン
6. 経済性
7. 他に与える影響
■優秀なできる課長の条件
「うるさい、細かい、しつこい、横着しない」という厳しさを持つ度胸と、
「基本を身に付けて、しっかり成長してほしい」という愛情を持っている。 -
著者はゼネラルフーズ・ジョンソン等でマーケティングプロダクトマネジメントを担当。その後ケロッグジャパン・バイエルジャパン等の外資系企業で経営幹部や代表取締役等の要職を歴任している。
これまでに2000社を超える企業の再生事業に参画している。
その著者が上記2000社の課長たちの質問に答える形式で真のリーダーへと成長するための即戦力本としての位置づけで著している。
上記の素晴らしい経歴から見れば内容は自分が今まで考えたことのなかった考えの及ばないような難しい秘策がたくさん書かれているかと思いきや蓋を開けてみれば、普段の仕事においての基本的な心構えや行動を一から説明を行っている。
やはりきちんとした経営を行っていく。その経営を担っていく課長という役職であっても基本を忠実にこなす。基本を当たり前のように着実にこなしていくというその大切さを痛感させられる内容であると感じた。
日常業務においても奇策において背伸びをすることなく本書に書いてあるような基本に立ち返り行っていこうという襟を正そうという気持ちになった。この気持ちを忘れず明日から早速取り入れていこうと思う。 -
■概要
自ら社長あるいは経営コンサルタントとして、約2,000社の業績を回復させてきた著者が、課長やマネジャーとの直接的な会話から得られた、業績回復のための問題解決力についてまとめた書。
【課長の心構え7か条】
・原理・原則を重視する
・悪い情報を隠さない
・敏速に行動する
・会議は最小限に減らす
・自ら仕事を作り出す
・信賞必罰が実行できる
・セクショナリズムに陥らない
■仕事に活かせる点
特に印象的だったのは、以下のページ。
・細かいことにも厳しいけど慈愛がある母親役と、人として間違ったことをしたときには激怒するけど大きな夢を与えてくれる父親役。
・判断(ジャッジメント)は正確に、決断(デシジョン)はスピード主義で。これができないと、周囲は迷惑。
・答えを教えずにビジネスの視点を教える。小さな変化を見逃さない。
・熱意とは仕事の準備の量。
・儲かる仕組みもいずれは陳腐化する。早め早めの商品開発を。
⇒今の仕組みを回すことに終始するのではなく、先も見越しながら、また、自分だけで突っ走ることなく、共に成果を上げられる基盤づくりを心がけたい。
(千)
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090216
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納得しながら読み込める1冊。
仕事力をつける5つの心得
1.どのような課題にも、必ず解決策があると信じる。
2.24時間、考えることを習慣化する。
3.解決策をつねに論理的に考える。
4.仕事術を見につけたプロになる。
5.1週間に1日、完全リラックスする日を持つ。
課長の心得7か条
1.原理・原則を重視
2.悪い情報を隠さない
3.敏速に行動する
4.会議は最小限に減らす
5.自ら仕事を作り出す
6.信賞必罰が実行できる
7.セクショナリズムに陥らない
■リーダーシップの原則
・「うるさい、細かい、しつこい、横着しない」という厳しさを持つ度胸と、「基本をしっかり見につけて欲しい」という愛情をもつ
細部をチェックする能力が欠けていれば、大きなミスは必ずおこる
・関心と干渉は違う
・判断は正確に、決断はスピード主義で
・具体的な指示は一切ださず、考え方のヒントを与える
■人間関係の原則
・依頼内容と同時に3つの情報を伝える
1.その仕事をやるにはどんな意味があるのか?(メリット)
2.いつまでにやってほしいのか?(デッドライン)
3.どんな方法で実行するのか(ノウハウ)
・同じ事柄でも、立場が違えば、着目する角度や心に響く表現が違う (上司は何を基準に価値を測るのか、相手のモノサシで言葉を選ぶ)
・できる/できない で叱るのではなく、やる/やらないで。
・若い部下には頭から説明してあげる
・相手に不利益があるが、どうしても引き受けてもらいたい場合は、マイナス情報と一緒に、それを上回るメリットや不利益の解決方法を伝える
(納得の上、取り掛かってもらう)
・メールは検討に時間が必要なマイナス情報の場合でも、最低限、メールは受け取った旨を返信するのがマナー
・熱意とは仕事の準備の量と比例
・人脈が自然にできるには、誰に対しても誠実でいること以外ない
・★嫌われてもいいから信頼される (いい人だが信用できない人と、気が合わないが信頼できる人)
■売上アップの原則
・値下げのタイミングを逸すると誰も買わない
・3つの仕組みが重要:「良い製品をつくる仕組み」、「販売する仕組み」、「流通の仕組み」
営業のノウハウを指導できる鬼軍曹的な人物はいるか、効率的な訪問がでいる環境が整っているか、
・お客が目の前にいなくても、どこかでつながっている (常に相手の立場を意識)
・接客は商品を売るのではなく、相手に気持ちよくなってもらうこと。
・平身低頭の度が過ぎると慇懃無礼になり、不愉快にさせる (自分はひとりの人間でなく、お金を払う人としか見られていない)
・営業で聞き出したいのは、ニーズと予算
・10個の特徴より1個の特徴10回 (関心を持つポイント、競合と比べての優位性にフォーカス)
・平均点を全体的にあげるより、他が決して真似できないレベルまで差別化を進めるために優先的に使う
・ライバルの計画・実行がブレたとき→王道を歩く
・市場が広がらなければ、売上は必ず下がる(自社が代表して業界を活性化させるという自負もつ)
・自社のシェアは企業の通信簿 (1位と2位は圧倒的な差が生じる)
・トライアル・リピートモデル。ジレットの事例。 サンプルの方法、ターゲットは検討要。何人がリピートして、いくら利益に貢献したか分析なしではコストがかさむ。
・儲かる仕組みもいずれは陳腐化する
・商品や商権を絞り込む。勝てるエリアだけなど選択と集中。
・マーケティングとは、企業がシェアをとるための活動、すべて。
・ブランドが認知されると、営業もずいぶんラクになる。→市場全体より、身近なところから浸透させる。→口コミ
■利益を生み出す原則
・購買意欲を掻き立てるのは、安いだけでなく、お得感。
・交渉する前に、相手の損益分岐点を知る。 → この価格では利益がでません、というのはまだ下がる証拠。
・商品やサービスの欠点やアラを探して、値引きの材料として活用する
・値下げの影響をうける商品は、思い切って、撤退・縮小するか、改めて付加価値をつける方法を模索する。
・利益は小さい仕事の積み重ね
・経費削減のルール
経費の額で比べるのではなく、対売上費で経費の額が大きい事業から削る
一般管理費(間接部門のお金、経理・総務の人件費、福利厚生・交通費など)→販売管理費→原価の順番に見直す
・大きな借金は利息も莫大の為、コツコツでは時間がかかる。 回収サイトを短くするのが効果的
・インフレ→物の価値が高まるので、借金してでも設備投資
■企画・発想の原則
企画とは、、
1.背景・経緯(現状把握、いま何が起こっているのか)
2.現状の課題 (いま抱えている課題はなにか)
3.課題改善の可能性 (問題は改善可能なものか)
4.目標設定 (どの問題をどのレベルまで改善するのか)
5.目標達成のためのアクションプラン(どうやって改善?)
6.経済性 (プランを実行すれば収支はどうなるか?) いつまでにいくらの利益?
7.他に与える影響 (実行されれば、どのようなリスクがあるのか?)
・良いアイデアは少しでも多くのアイデアを出す以外なし。
・シーズ(新技術の商品化)か、ニーズか。迷ったら、市場のニーズを選ぶ。シーズは三振の多いホームランバッター。
・ヒットを狙うよりも、ライバルの一人勝ちを防ぐ (2番煎じを諦めると、寡占化し、他も影響がでる)
■改善の原則
・抜擢人事は若手に夢を与え、ベテランにも火をつける
・伸びる会社は経営理念の中身はどうであれ、社員に浸透させる仕組みを持っている
・モラルの低い組織は生産性も低い
■スキルアップの原則
・ブレスト:自由闊達に意見を出させながらも、リーダーが的確に駄目だしして、チームとしても思考をひとつの方向に集約させていく
的確な駄目だしとは、結論を駄目だしするのではなく、思考のプロセスに駄目だしする
・情報収集は、集める前にあたりをつける (情報ソースの量x質x思考力)
効率的にするにはどのアプローチが適切化か
信頼性のあるソースはどこか
情報の真偽はどうすれば検証できるか
・一流の人や物に触れる機会を増やす →見識とは物事の本質を見抜く力 (良書を読んだり、本質を知っている人に会って教えを請う)
・問題発見力とは、1.問題の真因を発見する力。2.問題が表面化していないとき、問題の存在自体を嗅ぎ付ける力
・機会を見つけて、できる上司に同行。スキルを盗む (同行時は、頭の中で「自分だったらどうするのか」というシュミレーションをしながら観察するのが大事)
・ツキがある人とない人がいるのはなぜか? → 幸運が舞い込んだときに、そのチャンスを活かす準備ができているかどうかの差。
・本当は心配事があるのに、プラスに考えなくてはいけないと思い込み、無理にリスクから目をそらしてしまうこと
・やると決まったことに対して、理屈っぽく文句をつけるのは評論家の仕事で、実務家に求められるのは、会社の決定を成功に導くこと。
知識は否定する材料ではなく、建設的な提案をするために活用する
■キャリアアップの原則
・就職したら、あとは会社のレールの上を歩くだけ。そんな人生は送りたくない。
・給料が一円でも下がる転職はしない
・広くより深く、専門分野にこだわり、代替不可の人物になる
・自分の適性を見極めるのには3年は必要。