朝の「二度寝」でストレスが消える!

著者 :
  • かんき出版
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784761267827

感想・レビュー・書評

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  • 二度寝は短くするのがコツらしい。昼寝も。多相睡眠年を取ると戻るのか。そう思うとなんか納得がいく。

  •  朝の二度寝も昼寝も大好きな私としては、我が意を得たりという思いになる健康本である。

     生活不安定でなんの保障もないフリーランス仕事ではあるが、通勤ストレスがない点と並んで、朝の二度寝や昼寝が自由にできる点はフリーの特権、醍醐味といってよい(笑)。
     私はここ20年、目覚まし時計も使ったことがなく、「寝たいときに寝て、起きたいときに起きる」フリーの特権を満喫している(もちろん、逆に徹夜することだってあるわけだが)。

     従来の一般向け「睡眠本」といえば、多くは快眠法もしくは短眠法の本であった。対して、本書は睡眠自体をもっと愛し、楽しもうという「愛眠」を提唱するものである(快眠のコツにも触れてはいるが)。
     そうしたコンセプトから、朝の二度寝こそ睡眠の醍醐味だ、もっと二度寝を楽しもう、という主張につながっていく。

     著者は脳科学の研究成果をふまえ、二度寝の快楽の源になっているのがコルチゾール・ホルモンである、とする。
     「抗ストレスホルモン」とも呼ばれるコルチゾールは、睡眠から目覚める1~2時間前になると大量に分泌される(=起床時コルチゾール反応)という。つまり、二度寝はコルチゾールの分泌を高め、いわば“コルチゾールのシャワーを脳に浴びせる”ような行為なのだとか。それが、『朝の「二度寝」でストレスが消える!』というタイトルの意味なのである。

    《接吻が終わる時、それは不本意な目ざめに似て、まだ眠いのに、瞼の薄い皮を透かして来る瑪瑙のような朝日に抗しかねている、あの物憂い名残惜しさに充ちていた。あのときこそ眠りの美味が絶頂に達するのだ。》

     ……と、これは三島由紀夫の『春の雪』の名フレーズだが、まさに「眠りの美味が絶頂に達する」のが二度寝のまどろみのときなのである。そして、その快楽、至福感の源こそ、大量に分泌されるコルチゾールであったのだ。

     私はかねてより、人間の三大欲求のうち、性欲と食欲が飽くなき追求をされてきたのに、睡眠欲の追求だけがなおざりにされてきたことを不思議に思っていた。食欲の追求を洗練させたグルメがあるように、「睡眠グルメ」ともいうべきものがあってしかるべきなのではないか、と考えていた。
     だからこそ、著者の提唱する「愛眠」に、私は深く賛同するものである。朝の二度寝や昼寝が「好ましくないこと」「大人として恥ずかしいこと」みたいに貶められる風潮はおかしい。

     まあ、本書は軽いタッチの健康本であって、拳を振り上げて社会に物申すような本ではないのだけれど……。 
     後半には、睡眠学や脳科学の成果をふまえ、夢研究の最前線を紹介するパートもある。そう、夢を見ることを楽しむのもまた、「睡眠グルメ」の一翼なのである。

  • 二度寝は悪ではない、ということが堂々と書いてあって安心しました。
    最近朝活、早起きが取り沙汰されていますが、それも十分な睡眠があってこそ。ビジネス系の雑誌には2時に寝て5時に起きるワーキングマザーの記事が載っていたりしますが、私には絶対に無理!!

  • 眠りを疎かにしている現代。眠りの重要性とともに二度寝の効用を説く。目覚ましと決別できる自己覚醒法。二度寝の恍惚漢に包まれるための環境。眠りを愛する人へのご褒美として提供される夢のちょっと不思議な話など、興味深い話題でサクサク読める。

  • 以前、知り合いが朝目覚めた時に、本来起きるべき時刻よりも早かった場合に、大いに余裕を感じることができると言っていましたが、これは「二度寝をするゆとり」が楽しめることを意味していたのでしょうか。この本の著者である坪田氏は、ストレスが解消できる朝の二度寝(5分程度)を推奨しています。

    最近朝起きるときに寒いので、目が覚めてから10分程度、布団の中でその日にすべきことを考えたりすることはありますが、私も二度寝を試してみようかと思いました。ちなみに試すのは平日に影響の少ない土曜日が良いそうです。

    以下は気になったポイントです。

    ・2010年の国民全体の睡眠時間の平均(平日)は、7時間14分であり、1995年比較で 13分減少している、減少著しいのは、40代の男性で 6時間43分と 36分も減少している(p12)

    ・睡眠も食事も規則正しくとるのが基本、空腹で寝れない場合は、温かいミルクやヨーグルト等の消化の良いものを少量が夜食の推奨(p20)

    ・睡眠をいざなうメラトニンは、朝の光を見てから14-16時間で分泌が始まる(p20)

    ・目覚めている時に受け取った情報は、必要なもの不要なものにわけて記憶の整理・固定化をしている、その作業を行っているのが、大脳皮質と海馬である(p27)

    ・体内時計は脳内だけでなく、心臓・肝臓・腎臓といった内蔵や血管に時計遺伝子が埋め込まれている(p41)

    ・体内時計の1日周期は24時間と数十分であり本来の周期とずれているが、そのリセットの役割が朝の日差しである(p43)

    ・年寄が夜中に目が覚めたり、朝早く起きてしまうのは、メラトニン不足のため(p47)

    ・ノンレムとレムのサイクルが90分の人が、4サイクル(6時間)を経てレム睡眠状態で目覚めた時の方が、7時間寝てノンレム睡眠で目覚めた時よりも気分がすっきりする(p56)

    ・成長ホルモンが最も盛んになる、午後10時から午前2時までに十分な睡眠がとれないと成長ホルモンの分泌が鈍る(p61)

    ・コルチゾールは副腎皮質ホルモンの一つで、身の危険を感じる状態になると分泌していたホルモン、現在はストレスに対抗するためにこのホルモンが分泌される、目覚めの1-2時間前に分泌量が高まる(p75)

    ・二度寝の推奨時間は、5分から10分程度、二度寝は半醒半睡の状態(p97)

    ・寝る1時間前には控えるべきことは、テレビ・パソコン・携帯電話メール・カフェイン入りの飲料摂取・喫煙、である(p106)

    ・入浴は、就寝時刻の1時間くらい前に、ぬるめのお湯(38-40度)に20分程度つかるとよい(p107)

    ・朝食に時間が取れない場合は、バナナと牛乳でもよい、トリプトファンというアミノ酸が含まれていてセロトニンの分泌を促す(p128)

    ・1日に歩くべき歩数は、1万歩が目標(p129)

    ・夢が記憶に残りにくいのは、現実の生活に役立たないから(p134)

    ・ノンレム睡眠(深い睡眠状態)でみる夢は、ストーリー性が希薄で白黒が多く、感情の起伏も少ない(p139)

    ・寝床についたときには、「明日にはきっといいアイデアが生まれるはず」と自分に言い聞かせて、解決したあとの自分の輝かしいイメージを思い浮かべながら眠りにつくことが大切(p163)

    ・カフェインの覚せい作用が効きだすのは飲用後30分くらいからなので、15分程度の昼寝直前に飲むのは丁度良い(p187)

    2012年1月29日作成

  • うたたね、二度寝、最高!

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著者プロフィール

日本睡眠学会所属医師、医学博士
雨晴クリニック副院長
1963年、福井県生まれ。日本コーチ協会、日本医師会、ヘルスケア・コーチング研究会に所属。医師として診療にあたるなかで、睡眠障害がほかの病気の発症や経過に深く関係していることに気づき、高齢者を中心に睡眠障害の治療を開始。その後、治療から予防に重点をシフトし、「快眠で健康な生活を送ろう」というコンセプトのもと、睡眠の質を向上するための指導や普及に努める。2006年に生涯学習開発財団認定コーチを取得し、睡眠コーチングを創始。2007年から総合情報サイト「All About」の睡眠ガイドとして、インターネット上で睡眠情報を発信。日本医師会認定産業医として、睡眠を糸口とした職場のメンタルヘルス対策についての講演も行っている。テレビ東京系「たけしのニッポンのミカタ!」への出演や雑誌への寄稿など、メディアからも注目を浴びている。著書に、『脳も体も冴えわたる 1分仮眠法』(すばる舎)などがある。

「2020年 『女性ホルモンが整うオトナ女子の睡眠ノート』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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