教育心理学者という立場から、学生にもわかりやすく勉強法を示した本です。
この本の重要な点はこの3つです。
1.理解をすること
2.記憶する際には、既存の知識と結びつけて覚えること
3.失敗をすることで印象に残り、疑問を産み勉強が楽しくなるということ
1について例をあげてみましょう。下に記した歴史の出来事を年代順に並べ替えてみてください。
A.墾田永年私財法 B.三世一身の法 C.荘園の成立 D.班田収授の法
正解はD→B→A→Cです。年号で覚えた人は一個でも忘れてしまうと解けなかったりしたと思います。
それでは著者は年号暗記ではなくどのような勉強の仕方が良いと考えたのでしょうか?それは、できごとのつながりを捉えるというものです。
D「班田収授の法によって、人は生まれたら国から口分田をもらい米を作った。
死んだ後は口分田を国に返した」
↓
B「ところが人口が増えて田んぼが不足した。そこで朝廷は開墾を奨励して開墾した
土地は三代に限り私有を認めた」
↓
A「しかし、それでも不足したので、開墾を奨励するために、開墾した土地は永久に
私有地として認めた」
↓
C「その結果、貴族や寺社はたくさんの私有地をもつに至った。これが荘園だ」
どうですか?かなりわかりやすいのではないでしょうか?私もこれを見たときには目から鱗でした。コツ2や3の例もたくさんあり楽しく読める本でした。