採用の超プロが教えるできる人できない人 (サンマーク文庫 B- 101)

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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784763184184

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  • 採用の超プロが教えるできる人できない人 (サンマーク文庫) 文庫 – 2006/3/2
    単行本2003/1/31

    「ほんの少しの才能」を持つことは、それほど難しいことなのだ
    2018年7月31日記述

    安田佳生氏による著作。
    1965年1月19日、大阪府に生まれる。桃山学院高等学校卒業後、18歳でアメリカ合衆国に渡り、オレゴン州立大学で生物学を専攻。
    帰国後、株式会社リクルート営業部に就職。
    1990年11月21日、人材コンサルタント会社の株式会社ワイキューブを設立。
    倒産前は人材コンサルタントにならび、中小企業向けのCI・企業ブランディング支援も行なっていた。

    2011年3月30日、株式会社ワイキューブが民事再生法の適用申請した。
    資本金8,775万円、負債約40億円、倒産時の従業員88名、売上のピークは2007年5月期の約46億1400万円。
    2013年、ニート(若年失業者・無職者)による会社「NEET株式会社」の設立に参画。

    以上のようにWikipediaで紹介される著者。
    倒産などの憂き目にあってもなお、世の中への発信を続けているしTwitterの発言も勉強になる。
    他の著作にも目を通してみたいと思っている。

    本書は2003年1月サンマーク出版刊
    2006年3月1日サンマーク文庫初版発行。
    本書もいわゆる自己啓発書のような表現も目につくが・・・身も蓋もない話もある。
    ただその冷徹な現実を踏まえ経営し行動し判断していくべきだろう。

    印象に残った点を列挙していくと

    会社が目指すべき大前提は、できる人間が辞めないことである
    彼らの実力を正当に評価すること
    地位の向上もあるが、端的には報酬のアップ

    100の実力を持った社員には120の仕事を与える
    (鍛える意味でも)
    *ただ120、130というのが肝心な所だ。
    東芝の不正会計問題では
    100のちからのある社員に200以上の無理難題をチャレンジを称し無理やりさせた所から改ざんが相次いだ。

    成功するには、人一倍の努力と少しの才能の両方が必要不可欠なのだ
    バカではないこととほんの少しの才能とは全く別のものなのだ
    たとえば商品開発なら、商品開発の源である「クリエイティブな力」が必要だし、営業ならば、顧客のニーズを察知できる「マーケティング力」や「コミュ二ケーション力」が要求される。
    そしてたいていの経営者は、バカでないかぎり、その仕事に必要なスキルがゼロということはないと思っている。
    しかし、これはとんだカン違いで、そうした力、つまり才能を、バカではないにもかかわらず、1%も持ち合わせていない人間は、意外と多いのである。
    「ほんの少しの才能」を持つことは、それほど難しいことなのだ

    力を入れて採りに行かないと、本当にいい人材は絶対に来ない
    会社の成長を本気で望むのならば、入社後の研修や教育にお金をかけるより、採用にかけるほうがずっと効率がいい。
    いい人材は簡単な研修で仕事ができるように
    なるし、逆によくない人材はどれほどの研修費用をかけても、できる人材にはならないからである。

    上司が育てたと自慢する部下は、自分で育ったのである。
    採用時はイマイチだったが、できるようになった人材というのも、採用の段階では本当の能力を見抜けていなかったということなのである。
    古田がカツノリになる可能性はある!
    いい環境が無ければ、せっかくの才能も花開くことはないのだ。

    仕事ができる経験者が人材マーケットに流れてくることは殆ど無い
    仕事ができる経験者はよほどの事情がない限り、辞めようと思わない
    仕事ができる経験者は待遇面でも恵まれている
    仕事ができる経験者は、辞めるときにはたいてい次の職場がすでに決まっている

    自分は仕事ができるという思い込みそのものが「できる人」になれない最大の理由ということにさえ気づかない。
    もし、仕事ができないことを自覚できる能力があれば
    自分のできない部分に気づき、仕事ができる人間になろうと努力もするだろう

    職場に害をなす経験者は、即戦力ならぬ「即害力」で、最も敬遠すべき人材である
    しつこいようだが、仕事のできない経験者だけは採用してはいけない。

    元気がいい人というのを採用の基準にしてはいけません

    指示通りにやれる人間以上に希少なのは「自分で仕事をつくり出せる人間」
    営業職の分野においては、コアとなる人材はプロパーで育てるしかないという。
    私が新卒者にこだわり、顧客企業にもそれを勧めているのは、中途採用で仕事ができる人間に来てもらうのは、これほど難しいことだからである。

    残念ながら、日本の転職マーケットにやってくる人材の殆どが、ピラミッドで言えば、底辺に近い所にいると断言しても言い過ぎではないのである。

    社会に出て2年の経験など何の役にも立たないということを、身をもって知ったからだ。
    一般に、ほかに売れるキャリアを身につけるためには10年、早くても7、8年はかかると見ていい。
    それだけ働いて実力をつけてから、そのキャリアを活かして転職をすると
    いうのであれば、それは発想として正しい。

    世の中で転職が多いというが、実はそれは3割程度に過ぎない。
    ピラミッド底辺にいる同じ人が、色々な会社をぐるぐる回っているだけなのである。

    伸びる素材を持って入ってきた新入社員の周囲に配すべき人間は「まだまだ足りない」という自覚を持って仕事に取り組んでいる人間である。
    それを見れば、「あれほどやってもまだ頑張っているとは言えないのか」と考えるに違いない。
    そして、自分の目標を高いレベルに置くだろう。
    結果として、よい習慣が職場に伝染していくことになる。

    人はそれほど環境に左右されやすい弱いものであるし、限りなく怠け者だということを、経営者は知っておいた方が良い。

    経営者が社員を満足させられない以上、社員は客を満足させられないという当たり前の事実に、経営者は早く気づくべきだ。

    新卒の場合、ゼロからの出発で大差はないと思ってしまいがちだが、それが間違いである。
    違う親から生まれ、20数年間それぞれの環境で生きてきた人間が同じであるはずがない。

    お互いが100%わかり合うのは不可能であるという前提に立って、コミュニケーションしようとしているかどうか

    言った言わないの争いが生じて、あの時言ったじゃないかという言葉を連発する人は、コミュニケーション能力は低いと見ていいだろう
    言ったことは伝わると思い込んでいて、相手に本当に伝わったかどうかを確認しようとしない。
    つまり、伝えることの難しさを知らないのだ。

    用意してきた話や的外れのことをひたすらしゃべり続ける学生はコミュニケーション能力が無いと判断していい。

    ナンバーワンとは言わないが、少なくとも上位5%くらいに入る人でなければ部下を持つ資格は無い。

    相手を信用しているからこそ、簡単に裏切れないような状況を用意しておくべきだ

    主導権を握るためには、相手側により大きなメリットを与える必要がある

  • タイトルで受けていた印象とは若干違う本。雇われる人のできる、できないを論じた本かと思ったが、これは経営者側のできる、できないを論じた本だった。おもしろい視点
    と感じた。7年前の本であるが、まだまだ、この本の内容は有効であると思う。日本復活の鍵は教育にあると思う。安定志向に未来は無い。世界で一番高い人件費にしたいというのが印象に残る。自分が経営するなら、良いオフィス環境、待遇を日本一にして人材を大切にする会社にしたい。

  • ・人材には育つ人材と育たない人材がいる。
    →社長以上の人材は来ないし、向き不向きはかなり大切。
    ・ビジネスマンとしての必要な素質
    素頭のよさ、素直さ、エネルギー量
    →これらは、訓練で増えたりするものではない。
    →素直さ:自分の価値基準を持っているコト
    →エネルギー量:人生の目標のバーの高さ、モチベーション
    ・やりがいのある職種があるわけではなく、その人がやる仕事に期待ががかかっているときに「やりがい」が生まれる。
    ・スピードとクオリティは比例する
    →「仕事をスタートさせるまでの速さ」がポイント
    ・手を抜かないでやることを自己評価の基準においた人は本物の「プロセス重視」だ。

  • H28.8

  • 1000人を超える社長と2万人の学生から絶大な信頼を集める敏腕コンサルタントが、これまで誰も語らなかった「できる人を見抜く秘策」を初公開。この長い不況の中、「生き残るには、人に投資するほかに道はない」と主張する著者が、どのような人材を採用し、どのように育てるべきかを説きます。採用する側はもちろん、される側も必見の書。(Amazon.co.jp)

    電子書籍にて購入。著者は元・株式会社ワイキューブ社長だった安田佳生氏。2011年に民事再生法を申請したので既に同社は存在しないのですが、ワイキューブで活躍されてた頃に書かれた「人材見極め論」といったところでしょうか。10年以上前に出版されているので、雇用環境や経済状況が変わったかな?と思ったのですが、私も面接を行う側なので採用基準のズレを修正できればと思い、読み進めてみました。

    感想の前に、その他レビューを拝見。辛辣なコメントが結構目立つ。 例えば、人を見抜く力はあっても育てる力がないとか、当たり前のことしか書いていないので内容が浅すぎるとか。確かに考えてみれば、日本の中小企業はざっと400万社以上あり、それに係わる職種も星の数ほどあるワケなので、採用基準を統一化することは難しい。ただ、私が属しているセラピスト職について言えば、参考になるトピックが多かった。以下、備忘録としてご紹介。



    ・場の空気が読み取れる人間かどうか

    ・コミュニケーション能力はこうして見抜け

    ・論理的思考力の差が、年収の差を生み出していた

    ・焼肉の焼き方ひとつでわかる、これだけのこと

    ・素直かどうかは、入社後の成長の分かれ道

    ・「達成ぐせ」のついた人材の見抜き方

    ・すべての仕事に不可欠な「ストレス耐性」

    ・採用担当者にこそ必要なコミュニケーション能力

    ・「仕事選び」は「生き方選び」である



    以前、「面接で人を見抜く質問術」を読んで、求職者をプロファイリングしていく手法がとても勉強になったのですが、上記トピックも人材を見抜く有益な判別方法。とても共感できたのが、コミュニケーション能力とストレス耐性が必ず揃っていなければ「できる人材」ではないということ。私もよく経験するのですが、コミュニケーション能力は高そうだけど、転職が多いとストレス耐性に不安があると見てしまう。またその逆も然り。そうなると、何か突出したキャリアやエピソードがないと採用は難しくなる。しかし職歴だけでその人を判断すると、本質を見落としかねないので、そのあたりのテクニックは必須なのですが、セラピストという技術職はモノにならなければ意味がない。逆説的に言ってしまえば、この2つさえ持っていれば、採用する可能性は高いと思います。私もまだまだなのですが、面接する立場として、日頃から「性格・精神状態・能力」を見極める必要性を感じます。

    最後に面接する側としての意識もひとつ。形式上は求職者を面接しているのですが、逆に面接されているという気持ちがないと、魅力ある企業・人柄だと思ってもらえない。夢や目標をどのような方法で応えることができ、やりがいをどのような環境で提供できるかなど、その方の想いに沿って話をするスキルは必要だと思う。採用内定後に辞退者が多いようだと、その可能性を疑ったほうがいいのかも。(笑) 経験はないのですが、お見合いした時の心配りをしながらマッチングするといった気持ちなのでしょうね。

  • ワイキューブを立ち上げた安田さんの著書。

    俺らが就職活動する時には、ベンチャーの走り的な存在で世間をにぎわせてたような記憶も。そんなワイキューブも時代の流れとともに、自己破産。理由は環境変化による売上の頭打ちに、人件費を上げすぎたことが重なったらしい。

    で、この著書の一番最初にもってきているテーマが「世界一人件費の高い会社になりたい!」。良い人材を取るには、見合う給与が必要。人材が集まれば、売り上げも伸び、給与もペイできるというロジック。当時はそれで、イケイケドンドンだったんだろうけど、やはり時代の流れとともに、成功モデルは大きく変わるし、時代の流れの変化に見合った変化をしないとならんのだなーと、しみじみ感じてしまいました。

    以下参考になった点。引用、自己解釈含む。


    ・カツノリは永久に古田になれない。血筋や環境ではカバーしきれない、厳然たる「才能」が存在していることを認めること。但し、古田はカツノリになる可能性は十分にあることも理解し、素材を殺さないこと。

    ・主導権を握るとは「その交渉を先に打ち切るといえる」こと。交渉を打ち切っても構わない立場になるには「価値を相手よりも与えている状態」が必要。とかく、人に与えるよりも、与えられることを求めがちだが、価値を多く貰う≒主導権を渡すことを認識するべき。

  • 同じく倒産を聞いて再読。
    出版時が2003年。確かに、よく出来た内容で基本的なことが中心だが仕事はスピードが命。仕事のスピードとクォリティーは比例するもの。
    「仕事をスタートさせるまでの早さ」は「即処理」を習慣づけることなど、良いことが分かりやすく書いてあり、失敗した経営のことはあまり書かれていないので、いい内容だと思う。

  • 就職活動中に見つけた本。
    客観的に見れば就活中の人たちも読んで損はないと思うが、どちらかというと企業や経営者側に向けての人材採用と育成を指南した本。

    就活生の立場とすれば、第2章などは読んでみるのもいいと思う。

  • 内容の感想としては、そういう見方もあるけど一方的に切り捨てるのも勿体無い感がする。適材適所といった言葉もあるし、「できない」から「できる」ようにする、しなきゃいけないみたいな価値観を植えつけてはいけないんじゃないかと思った。成長は必要だけど、筆者がいうようなのはなんか一元的な感じがした。

    学びとしては、「スピードとクオリティは比例する」「主導権を握るには自分より相手にメリットを持たせる」が印象的。

  • 言ってる事には正しい事もあるものの、筆者の強い偏見に満ちた考えを押し付ける様な文章の書き方で読むのが少し億劫でした。


    筆者の考えに従えば、この本を鵜呑みにする人は「できない人」であるという矛盾が生じると感じるのは私だけでしょうか。

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