抗うつ薬は本当に効くのか

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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784767809540

作品紹介・あらすじ

うつの治療にまつわる定説を根底からくつがえす!製薬会社と規制機関により患者にも医療にも隠されてきた臨床試験データを調べ上げ、「抗うつ薬神話」が形成された経緯と、副作用に苦しまず、かつ再発のリスクの低い代替治療を明示する。

感想・レビュー・書評

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  •  抗うつ薬の効き目はほとんどプラセボだった?

     元々抗うつ薬とプラセボの差は小さく、プラセボと何もしない群の差はそれに比べると大きいことは気になっていたが、こんな本があったのか。。。
     二重盲検法の盲点などによって抗うつ薬とプラセボの差は言われているよりもっと小さい。プラセボとSSRIとの差だけでなく、あらゆる薬物、治療法があまり効果に差がない。
     さらにこの本ではプラセボとは何かをその歴史を振り返りながら掘り下げている。
     効果の大半がプラセボならば、プラセボはどうすれば最大限に発揮できるかというのが大事になる。しかし、うつ病にはどういった治療をしていくべきかというのはなかなか難しい問題だ。プラセボだからと抗うつ薬をすぐになくすわけにもいかない。だが、少なくとも3分間診療はすぐに改めるべきだろう。

  • 意外な出版社から出た翻訳。内容は非常にカタく、ちょっと一般向けではないのが残念か。抗うつ薬、特に最近のSSRIの効果はプラセボ効果に過ぎないということが延々主張されているが、この手の本にありがちな製薬会社批判がなく、専門書っぽい書きぶり。・臨床試験では実薬がプラセボを少しだけ上回っているという結果が出ているが、これは被験者が副作用を自覚することで実薬に割り振られたと認識することによる。実際、アトロピンなどのように副作用のある薬剤を対照として用いた試験では、抗うつ薬との差がなくなる。・モノアミン仮説も間違っており、depletion study の結果を見ても(少なくともFHのない人では)moodとセロトニンは関係がないし、SSRIとは逆に、再取り込みを促進するような薬剤でも抗うつ効果はみられる。

  • これは論議を呼ぶ内容では?!

    真偽のほどは僕にはわからないけれど

    これだけ世界中で売られているSSRIが、その薬効が実はプラセボ効果以上のものではないというのは…もし本当なら一種の詐欺でしょう。

    もちろん、プラセボ効果でも効くのならそれはそれでいいのかも知れないけど。ちなみに、新薬のミルタザピンは、日本で初めてプラセボ対照比較試験においてプラセボに対する優越性を検証した抗うつ薬であるらしい。

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