- Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
- / ISBN・EAN: 9784767828114
作品紹介・あらすじ
なぜ歴史あるホテルは居心地がよいのか
明治以降の日本のホテル史を俯瞰する、
美しい名ホテル38 軒の知られざる物語
ホテルは事業主の熱意だけでできるものではありません。
接客のプロであるホテルマン、ゼロからかたちを生み出す建築家、
現場で建築家の無理難題と格闘する施工者……。
彼らの想いも込めて、ホテルができるまでを描いています。
なかには、建築家が志半ばで天に召されたホテルもあります。
しかも残されたホテルは複数あって……
感想・レビュー・書評
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奈良ホテルのような、いかにも歴史がありそうなホテルから、京都タワーホテルなどなど。カラー写真多数。
でも、京都タワーって、ホテルだとは知らなかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
クラシックホテルの建てられた背景、建築家や施工主の思い、時代的背景に沿って話が進められるので読み物としても面白い。ホテルの写真がいい。文章に合うようなポイントで撮影されており、泊まってみたくなる。
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稲葉なおとさんの建築写真は、いつ見てもきれいだ。
そして、その写真を見ていると、必ずその場に行きたくなるし、泊まりたくなる。
今回のこの本は、ホテル建築に関わる建築家、依頼主、施工会社のそれぞれの物語が書かれていて、一つ一つのホテルの重さを感じるとともに、日本のホテル建築史を読んでいる感覚になる。
このような知識があって、そのホテルに行くのと、知識なしでいくのとでは全く違う。
数は少ないが、過去に行ったことのあるホテルの話が出ていて、それを知らずに見てしまっていたことを悔しく思った。
今ならば、別の視点から色々と堪能できただろうな。。
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建築の背景にあるストーリーを知ると、ホテルが違った視点から見える気がした。ただの建物としてでなく関わった人たちの物語を感じながらぜひ訪れてみたい。
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一口にホテルといっても名建築には物語があるんだな!
まさに芸術の域に達する...
お金はもちろん
経営者の知識というか...美学というか文化力というか...もちろん経営力...
設計者の...これまたなんというか「熱さ」かなぁ〜
地の利、タイミング
なんだろ...
建物そして特にホテルって...
奥が深いなぁ〜と思ってしまう。
いくつか泊まったことのあるホテルもあって記憶の中にあるロビーや階段の手すりフロアの磁器タイルの感じが思い出されて...作り手の痕跡がある空間ってやっぱり記憶に残る。
改めて載っているホテルを検索しながら読み進んだけれど、解体が決まったホテルもあってショックだった(東京讃岐倶楽部)
それから格安で泊まった宿が改装したのかびっくりの値段になっていたり(都ホテルの佳水園)
そして国際文化ホテル...には行ってみたい泊まってみたいと強く思う...
他にも気になるホテルは色々あったけれど...
解体される前に泊まっておきたい... -
ホテルに焦点をあてて、日本の近代建築史を振り返るような一冊だ。
単純に、スポットが当てられやすい建築家だけでなく、施工会社、事業主についても語られているのが面白い。
たとえばプリンスホテルというと、現代ではそれほどいいホテル、という印象がないけれど、往時はものすごい羽振りだったことがわかり、さらに二代目の堤という男が、様々な建築家に設計を依頼してホテルをあちこちに建てる、というのが、高度経済成長期の、上向け上、の日本の時勢を映しているようで興味深い。
明治のホテルも紹介されるけれど、村野藤吾にはじまり、村野藤吾に終わる一冊だった。
豊富な写真も美しく、読み応えのある内容だった。