- Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
- / ISBN・EAN: 9784768467848
作品紹介・あらすじ
英語ばかりが外国語じゃない!いつもこころに文法を。長い道のりだからこそ、ときには道草、外国語。各駅停車でのんびりすすむ外国語への旅。
感想・レビュー・書評
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著者の黒田氏は著作が多いのでこの本を代表としてレビューしたい。氏の各著作に流れるテーマは一貫してて、「外国語は英語だけが全てではないですよ。ある言語が他言語と比較して難しいとか有用だとか、そういう理由で優れているとか劣っているということはなく、全ての言語は平等です」ということだと思う。
僕は他言語学習をしている女性の方のブログ(この女性は凄いです。英語を生業にして、イタリア語検定1級、フランス語検定2級、スペイン留学経験有り、ドイツ語検定3級という素晴らしい結果を残されています)を見て、この本の著者の黒田氏を知った。氏はロシア語(スラブ語)が専門で、スラブ各諸語の他、英語、仏語、独語にも精通している。
以下、引用があったので載せておきます。語学はやればやっただけ成果があるという、そして少しずつでも良いから勉強しようという控えめながら力強い主張に心惹かれるのです。
●一つだけよくない教科書の特徴を挙げておく。それは習うより慣れろ、外国語の発想を身につけよ、というようなことを強調しているタイプの教科書だ。
●外国語学習にとって最も大切なこと、それはやめないことである。
「続けること」なんていう積極的なものではない。とにかくやめない。諦め悪く、いつまでたってもその外国語と付き合っていこうという、潔くない未練たらしい態度が必要なのである。
氏の本には、自分の主張を押し付けない謙虚な印象を持つ。だからこそ僕は氏の本を読んでみたいという気持ちになるのだろう。世の中には「・・・すべき」とか「・・・するな」とかそういう題名の本が売れているみたいだけど、そういう自己主張の強い本が多い中で、読後感に爽やかさが残ります。
氏の各著作を読むまで、ロシア語に全く興味が無かったが氏の影響で、ロシア語を少し勉強しようと言う気になった。氏の(スラブ諸語・ロシア語に対する)熱意が、本の隅々にまで溢れています。外国語勉強する方にとって、一度は読んでおきたい本だと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【展示用コメント】
英語以外の外国語を勉強したくなったら
【北海道大学蔵書目録へのリンク先】
https://opac.lib.hokudai.ac.jp/opac/opac_details.cgi?lang=0&amode=11&place=&bibid=2000872254&key=B154476278118658&start=1&srmode=0&srmode=0# -
副題にあるとおり、「外国語学習」の観点から言語学を繙いた一冊。習得するために必要な知識や心構え、習慣等がユーモアを交え、時には熱く語られている。
「どうせ完璧なんて無理なんだから、中途半端でも構わないじゃない?」
諦め悪く、目くじら立てずに楽しく勉強。読んでいて心が軽くなる、著者ならではのこの一節が強く印象に残った。 -
理系の大学で英語を教えていたときの話、という読み出しで興味を持ち手に取った。
筆者が出会った、様々な言語の学習者を紹介している。まずきっかけを持ち、勉強を始め、自分に合った勉強方法を見つける。言語が習得できるか否かは性格や素質は関係ない。絶対に必要なのはあきらめずにしぶとく勉強し続けるという姿勢だ。随所に、語学習得には時間がかかる、と書かれていて心からうなずけた。 -
所在:展示架
請求番号:807/Ku72
資料ID:11800459
選書担当:黒田 -
黒田龍之助の著書にハマったことから、この本は避けて通れないなと思い手に取った。エッセイとしての描写はもちろん秀逸であるが、別著書において著者が主張する言語学入門としての役割も十分に担えていると思う。これほど自分の学問へ素直にまた謙虚に向き合う先生と出会える学生が羨ましくて仕方ない。
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個性的なメンバーと彼らにまつわる言語たち。
実際に著者が行った授業や勉強方法も書かれていて、なるほどなと思わされる事から思わず笑ってしまうような事まで書いてあり、面白かったです。
またこんなに和気藹藹としている研究室なら楽しいだろうなと羨ましく思ったりしましたが、これも教授個人の研究室だからできる事なのでしょう。
正直これがゼミの研究室であれば、研究は進まなさそうです。
尚、内容は前半はエッセイ、後半が言語学入門の入門といった感じでしょうか?
言語学の入門書として購入される方におすすめしませんが、読み物としては面白かったです。 -
かつて東工大の教員だった著者がロシア語授業で出会った東工大生(日本人学生&留学生)が前半の主人公。過去に教えたどの外国語学部の学生より情熱的だった理系学生達。笑える話も一杯!
外国語=試験科目とだけ考えると、学ぶ楽しさを忘れがち。先生曰く最も大切な事はやめない事。自ら、未知の言語習得に挑戦し、体を張ってその楽しさを伝えています。 -
良い先生だなぁ。
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ロシア語を大学出教える筆者の研究室でのさまざまな話。
その研究室にさまざなま言語を学ぶ留学生が集まってくる。その場所などの出来事や言語についてのエッセイ。
思わず笑ってしまうエピソード(筆者のユーモアによる)や、各章の最後に問題があり、学生のレポートの内容が取り上げられ(また、これが実に多種多様!)、言語を学習している自分にとって、いろいろ刺激になる。