- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784770040695
感想・レビュー・書評
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「あなたへのおすすめ」に出てきたので読んでみた。随分冗語性の高い文章だなあ、と思って、途中であとがきを読むと、ロングインタビューを編集者が構成した本だった。読みやすくはあった。
親鸞の悪人正機説の解説は非常に明快でこれまで聞いたどの解説よりも分かりやすかった。
P56
善人は救済を必要としない。だけど、人間、救いを必要としているとすれば、それはどこかに悪をもっているからだ
こうした考えをうけて、「悪人が天国に行けるというのなら、意識して悪いことをしたらいいじゃないか」と言って悪いことをするお弟子さんもいました。それを造悪論といいます。それに対して親鸞は、「じゃあ、いい薬があるからといってわざと病気になったり怪我をしたりするか。それはしないだろう。だから、つくった悪はだめだ。心ならずも悪いことをしてしまったとか、ひとりでにこうなってしまった、という悪の人は必ず救われるんだ」という考え方で応じます。
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真贋という言葉、初めて知りました。
すみません…。
それで、すごく難しい本かと思っていたら
意外にわかりやすくて面白かったです。
知っている有名人がたくさん登場するし。
戦前戦中戦後を経験する人の体験・気持ちは興味深いですね。
そういうかたはだんだん減ってしまうわけだから。
身近のお年寄りに聞くのはちょっと面倒くさい時があります…。
「あらゆるものに利と毒がある」というお言葉はよかったです。
どうしても一途ぞっこんになってしまうので
熱くなりすぎずクールにかかわっていけたらいいなと。
「子供の頃の母とのかかわりが性格をきめること」を
何度も語っていたので、忘れないようにしたいです。
親鸞の話も興味深く、今図書館に予約してある本が待ち遠しいです。 -
ものの見方、人の見方をわかりやすい文体で紹介。
「毒が回っている人の特徴として、なんでもやりすぎるということがある」 -
なにかを学ぶ(例えば本を読む)時は、毒もまわる、というのが印象的だ。"学ぶ"ことは一も二もなく"善いこと"とイメージするが、なるほどと思った。問題は学ぶ本人が、毒と感じられるか?だろうか。
実は吉本の本を読んだのは、はじめてだった。本文にもあるように、この人は、いいにくいことをはっきりいう人だ。インタビューをおこしたものだからか、読みやすい。でも、スパッといっているところが、小気味良い。ホントにこういう人が少なくなった。
戦中派のひとりだか、誰だってそうだけど、好んで"その時代"に生まれてきた人はいない。吉本はこの奇妙な時代を忌避せず、背負い込めたひとりだと思う。 -
人の意見に左右される事なく、自分の目で見て判断する事が必要だ。
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意外な読みやすさに驚いた。自分の中で発酵させて自分の考えを生み出せるまで、繰り返し読みたいな。いろいろ教えていただきたい。他の本も読んでみよう。
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共感と異論をぶつけながら読み進めた。
あらゆるものに「利」と「毒」がある。
多面的な視点が大切であるということを改めて感じられた1冊。 -
利と毒両面をみる
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私のすきな三島由紀夫と対極にあるかのような
吉本隆明さん。影響力のつよいお方なのか、慕う
方が多い印象がある。私も気になったので、内容が
難しくなさそうな本書を図書館で選んで読んでみた。
語り方がわかりやすかった。
思想においては「私はちがうなぁ」と思うことも
しばしばだったが。 -
あらゆるものに毒されていると自覚しながら、生きていくことが重要。
わたしも、毒におかされているわけで。