真贋

著者 :
  • 講談社インターナショナル (2007年4月1日発売)
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本棚登録 : 235
感想 : 21
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「あなたへのおすすめ」に出てきたので読んでみた。随分冗語性の高い文章だなあ、と思って、途中であとがきを読むと、ロングインタビューを編集者が構成した本だった。読みやすくはあった。

親鸞の悪人正機説の解説は非常に明快でこれまで聞いたどの解説よりも分かりやすかった。

P56
善人は救済を必要としない。だけど、人間、救いを必要としているとすれば、それはどこかに悪をもっているからだ
こうした考えをうけて、「悪人が天国に行けるというのなら、意識して悪いことをしたらいいじゃないか」と言って悪いことをするお弟子さんもいました。それを造悪論といいます。それに対して親鸞は、「じゃあ、いい薬があるからといってわざと病気になったり怪我をしたりするか。それはしないだろう。だから、つくった悪はだめだ。心ならずも悪いことをしてしまったとか、ひとりでにこうなってしまった、という悪の人は必ず救われるんだ」という考え方で応じます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年3月3日
読了日 : 2022年3月2日
本棚登録日 : 2022年2月22日

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