- Amazon.co.jp ・本 (193ページ)
- / ISBN・EAN: 9784772407205
作品紹介・あらすじ
初回面接のみで姿を見せなくなるクライエントが、実はドロップアウトではなく1回の面接で改善しているとしたら…「治療の失敗」と考えられてきた多くのケースで、予想外の改善を示していることが、タビストック・クリニックの「治療されなかった患者」の研究をはじめ、多くの調査や研究で明らかにされている。著者らはさらに計画的に数多くの1回面接の事例を集め、1回の面接で何が起こっているのか、何がクライエントの改善可能性を引き出し、それを最大限にするためにはどうすればよいかを追求し、その経験からシングル・セッションの可能性の根拠と実践のためのさまざまな工夫を本書において詳述している。
感想・レビュー・書評
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初回面接のみで姿を見せなくなるClが、実はドロップアウトではなく1回の面接で改善しているとしたら... 作者達はドロップアウトした元Cl達を調査し、そこから初回のみの面接でも効果が出るシングルセッションセラピー(SST)を構想する。
この本ではSSTになり得る面接はどの様にして行うべきか、どのような点が重要かを事例を交えて説明している。
SST論の最も重要な視点はClの成長力を信じセラピー自体の成果は小さなものと考えることにあるのだと思う。だからこそ大がかりなアプローチを考えるのではなく、初回からでも小さなアプローチをしていくことができる。最も有効なセラピーはセラピストが目立たないものだったという言葉には納得。
理論ありきではなく結果から理論を考える姿勢に感服。
意見が分かれる部分も多いと思うが、カウンセリングについての固定観念を再考させてくれる良書。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この一年ほどブリーフセラピーのいろいろを勉強してきたのだが、本書との出会いがその一旦の総括になった。技法論ではなて、ただ一回の効果に集中するセラピストの態度と常識と即興への指向は極めて実用的なアートなのかもしれない。