複雑性PTSDとは何かー四人の精神科医の座談会とエッセイ

  • 金剛出版
3.86
  • (2)
  • (2)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 60
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784772418904

作品紹介・あらすじ

複雑性PTSD(Complex post-traumatic stress disorder;CPTSD)とは,心身への組織的暴力,家庭内暴力や虐待など長期反復的なトラウマ体験の後にしばしば見られる,感情などの調整困難を伴う心的外傷後ストレス障害(PTSD)である。国際疾病分類(ICD-11)において初めてPTSDと区別された診断基準として記載され,診断名として2022年1月1日から正式に発効された。その診断基準は,否定的自己概念,感情の制御困難及び対人関係上の困難といった症状が,脅威感,再体験及び回避といったPTSDの諸症状に加えて認められることとされる。

本書は,『複雑性PTSDの臨床――心的外傷?トラウマの診断力と対応力を高めよう』(金剛出版,2021)の発刊に併せて行われた四人の精神科医による座談会の記録と書き下ろしエッセイを収録したものであり,複雑性PTSDに関する最新の正確な知識・経験を読者に提供しようとするものである。日常臨床への有効なヒントを提供するであろう。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 【学内】
    https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000124448
    【学外】
    https://elib.maruzen.co.jp.iuhw.remotexs.co/elib/html/BookDetail/Id/3000124448
    最初に利用する際は、eリソースコネクトへログインし、上記URLを再度クリックしてください

  • ICD11にてあらためて再評価された「複雑性PTSD」。精神医療を当たり前に出来るようにされている原田先生が座長?として、4人の精神科医の座談会とそれを補強する形で、エッセイを寄稿され、最後に原田先生の「複雑性PTSD」に対する考え方の変遷や現在の治療について述べられたものである。座談会はPTSD研究の第一人者である飛鳥井先生、稀代の先進療法家、神田橋先生、ACTから最近はODで有名な高木先生と多士済々のタレントをそろえての対談本でつまらないはずがない。まず飛鳥井先生から「型」の話があり、神田橋先生より「型」崩しの話、神田橋先生からコモンセンスサイキアトリーと言われる高木先生の意外?と基本的な話。神愛想で紙わない漢字の微妙な対談を原田先生がまとめ上げ、何とも言えない雰囲気の対談本となっている。「複雑性PTSD」についてこれから学ぼうと思っている人にも手を付けやすい本だと感じた。

  • 著明な精神科医4名による座談会。丁度1年前同じ内容がウェブ上で公開されていいたものの、ネット回線の調子が悪くて音声が聞き取り辛いところが多かった。そんなわけであまり内容が頭に入っていなかったので書籍化されて嬉しい限り。

    内容的にも素晴らしく、自分の臨床にも役立つことが多かった。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

医学博士、精神科専門医・指導医。東京大学医学部卒業、(公財)東京都医学総合研究所副所長(心の健康プロジェクトリーダー)を経て、現在、同研究所特別客員研究員、医療法人社団青山会青木病院院長、(公社)被害者支援都民センター理事長。日本トラウマティック・ストレス学会初代会長。

「2021年 『複雑性PTSDの臨床実践ガイド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

飛鳥井望の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×