眠っているとき、脳では凄いことが起きている: 眠りと夢と記憶の秘密

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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784772695480

作品紹介・あらすじ

<ひと晩寝ると問題がすっきり解けるわけ>

「お休みなさい」の後で、脳は猛烈に働いている。
それは、疲れをとるといった消極的なものではなく、
きわめてアクティブな役割であることが、最新の脳科学によって明かされつつある。

たとえば、眠っているとき、脳はこんな凄いことをしている・・・

◎心の大掃除: 重要な情報をより際立たせ、不要な記憶は刈り込んでいく
◎情報の統合&要約: 新しいアイデアを生む発想力や洞察力を高める
◎気分の調整&記憶の再固定化: これを応用して「嫌な記憶」を削除できるようになる

・・・ほかにも、IQ(知能指数)と睡眠のかかわり、記憶力や学習効果を高める方法、

アラン・ホブソン以降の夢の理論など、最新の知見が満載。

眠りと夢と記憶の秘密を解き明かし、

脳を活かす<活眠>へと案内するかけがえのない1冊。

★『Nature』誌も絶賛!
 
  睡眠についての、目の覚めるような素晴らしい科学本だ。

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::著者:: ペネロペ・ルイス
マンチェスター大学の脳神経科学者。同大学の「睡眠と記憶の研究所」所長。
その研究は『ネイチャー』誌やBBC放送などでも取り上げられ、大きな注目を集めている。

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::目次::
第1章: なぜ眠るのか
第2章: 睡眠は脳にとってどれほど大切か
第3章: 脳と記憶の仕組み
第4章: 目覚めと眠りのコントロール
第5章: 眠りは心の大掃除
第6章: 記憶はどう再生され、固まっていくか
第7章: なぜ夢を見るのか
第8章: ひと晩寝ると問題が解けるわけ
第9章: いつまでも忘れられない記憶
第10章: 睡眠は心の傷を癒す?
第11章: 眠りのパターン、IQ、睡眠障害
第12章: 記憶力を高め、学習を促進する方法
第13章: 快適睡眠を実現するガイド

感想・レビュー・書評

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  •  刊行から5年が経ってしまったが、一般向けの本のなかでこれだけ睡眠のメカニズムとその凄さを平易に書いている本はあまりない。その意味で、睡眠の不思議さや面白さを教えてくれる一冊と言えると思う。なので、睡眠法などを手っ取り早く手に入れたい人よりは、それプラスで「睡眠って何?」と思う人が手に取ると、うまくハマると思う。

     個人的な話だが、ずっと昔、90年代にテレビで「レム (REM : Rapid Eye Movement) 睡眠は浅い睡眠である」と聞いたことがある。しかし本書を読むと、たしかにレム睡眠下では脳も部分的に覚醒時に近い動きを示すのだが、身体は深く眠っていて、このために逆説睡眠と呼ばれることもあるという。このあたり、自分の記憶が塗り替えられる楽しみがあった。

     ほかにも、睡眠―覚醒の調節をめぐる生理的な働きだとか、睡眠中に記憶を定着させることはできるかとか、睡眠と夢と記憶を巡る面白い話題が豊富にある。睡眠それ自体に関心のある方にはオススメしたい。

  • 非常に有益でエキサイティングな本だった。

    私は日頃ウェアラブルの心拍計で睡眠を観測しているが、睡眠の質が安定しない。夜中に覚醒する事がしばしば、特に大きな問題にはならないが、やはり不安はある。睡眠不足では、頭がよく回らない気がする。疲れも取れない。睡眠について、きちんと知りたいと思った。

    本著は実際の研究結果から、睡眠における脳の影響を解説する。睡眠不足は、感覚を鈍らせ、創造力が低下し、道徳的な判断基準と意思決定能力を変化させる。逆に良質な睡眠は、感情の整理や記憶の定着に有効だ。睡眠の時間帯や深さから異なる脳波の密度を分析し、睡眠をハックする。睡眠紡錘波の密度の高さは、IQの高さと関連性がある。これは、生まれながらに人によって異なる指紋のようなものらしい。紡錘波の数で、睡眠中に記憶を固定できる能力を予測できる可能性がある。記憶力の良い人間になれるのだ。

    レム睡眠を利用すれば嫌な気分を沈められるかもしれないし、徐波睡眠を増やして新しく学習した記憶を強化することもできるかも知れない。そうした脳波をコントロールし、深い眠りを得る方法が書いてある。香りを嗅げば夢をコントロール出来るかもしれない。この本は、実用書でもあるのだ、素晴らしい。

  • 『睡眠は私たちにどのような効果をもたらすのか』
    について、実験による根拠を元にわかりやすく解説してくれている本です。

    この本では睡眠にまつわる効果の根拠を示すために、
    『そもそもの脳の仕組みとはどのようものか』
    というところまで解説してくれているため、
    睡眠の効果だけではなく、脳の仕組みを利用して私たちの生活に活かす方法についても学ぶことができます。

    脳について専門的に学ぼうとは考えていないが、
    自分の人生をよりよくデザインするために脳の仕組みを利用していきたい。
    と考えている人にはとても参考になる解説書であるように感じました。

  • "睡眠が、私たちの記憶の定着に大きな貢献をしていたり、睡眠中に新たな事柄を学習することが可能であることが実験で確認されたりしていることが、わかりやすく解説された書物。
    究極の睡眠学習法については、個人差があるので、人それぞれのブレンドを生み出すほかない。
    脳内での化学反応がどのように発生しているのか?
    鬱と睡眠の関係は?
    音、においなどが及ぼす影響は?

    新たな学習をしたい人は、本書を読んで記憶の定着の一つのツールに睡眠も取り入れるべきである。"

  • 睡眠不足はアルコール摂取と同じ効果がある、ということはネットからの情報としてどこかで読んだ記憶があったが、寝ることはいろいろな意味で人間にとって(多分動物すべてにとって)非常に重要なことであるということがよくわかる。
    そのうえ、睡眠の種類によっていろいろな機能が備わっているらしいことがだんだんと判明してきているようだ。
    例えば、
    レム睡眠→いやな気分を鎮められる
    徐波睡眠→記憶の固定を強化する
    など。

    なにより、この本の文章が非常に判りやすい。
    翻訳者の腕なのだろう、科学的な説明が非常にすっきりとした文章で判りやすく記述されており、読んでいて一番感心した部分だった。

  • おそらく、とても有益な内容だと思います。
    が、専門用語が多く、文体も少々論文ぽくて、
    娯楽のために気晴らしに読む、という感じではありませんでした。
    私の読解力が高ければ、楽しめたと思います。
    同じ内容で、もう少し柔らかな文体で書かれていればよかったです。

  • まだまだ研究途上といった感じかなぁ。
    「つまり5時間ずっと目を覚ましていれば、脳が仕事をする成果の点では、だいたいアルコール飲料を平均的な一杯飲んだのと同じことになる。」というのは経験的に正しい。40過ぎて朝の3から5時間くらいしか頭脳労働はできないと感じているので。

  • 専門的なワードが多くて少々脳が疲れました…が、睡眠が疲労回復や嫌な記憶の除去に非常に役に立つことは分かった気がします! 睡眠で基本、なんでも解決できるようですね…これからは睡眠を大切にしようと思える本ですね!

    レム睡眠やノンレム睡眠など…時間帯によって睡眠の質も変わるようです…勉強になりました!

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • 著者が睡眠に詳しいが故に慎重というか、ここまで科学は進んでいるのかと驚くことは少なく、むしろこの程度しかわかっていないのかとがっかりすることが多かった。タイトルでは、「凄いことが起きている」だが、実際は、凄いことが起きているようだがまだまだよくわからないことが多い、というのが読んでみた感想。
    実際にはたいしたことがわかっていないのに、商魂をたくましくして、あれやこれやを売りつけようとする話が多い中で好感はもてるが、ややつまらない感じがするのは確か。

  • 献本いただく。

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著者プロフィール

マンチェスター大学の脳神経科学者。同大学の「睡眠と記憶の研究所」所長。その研究は『ネイチャー』誌やBBC放送などでも取り上げられ、大きな注目を集めている。

「2015年 『眠っているとき、脳では凄いことが起きている』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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