- Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
- / ISBN・EAN: 9784773085945
作品紹介・あらすじ
-誰かの一番になりたい。ドアマンの橋本は、ゲイでいつも男運が悪かった。二股、暴力…普通の恋がしたいだけなのに、付きあうのはみな酷い男。最近も傲慢で橋本を馬鹿にしてばかりの飯島という男に言い寄られていた。ある日、橋本は飯島と口論になり殴られてしまう。その時偶然居合わせたバーの常連の嵯上に助けられる。嵯上の柔らかな優しさに癒され、嵯上もまた橋本の純粋さに惹かれ、二人は少しずつ距離を縮めていくが…。
感想・レビュー・書評
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「上海金魚」と「透過性恋愛装置」の続編。
オテル・ド・エンピールのドアマンでゲイの橋本が本編の主人公。制服が似合う美形で性格もいいのに、恋愛にはまったく恵まれていません。飯島という最低男に纏わりつかれ、あげく大怪我まで負わされてしまいます。窮地の橋本を助けたのは、バーの常連の嵯上。10歳年上で聞き上手なオトナの男です。
互いにゲイで好意は持っているのに、深い関係になることを避けている二人。嵯上は橋本のことを噂ほど軽くないし、いい子だと思っているのですが、飯島と付き合っていて自分に気がないと勘違いしています。橋本は橋本で、軽い男と思われるのが嫌だし、ちゃんとした恋がしたいので、嵯上とも誰とも距離を置いた付き合いに徹してます。
そんなある日、淡い恋心を寄せる上司の牧田に恋人ができたという噂を耳にして、橋本は多大なショックを受けてしまいます。
もちろん、牧田の恋人といえばあの男、北嶋です。
前作読んでないと何コイツ!?って思っちゃうぶっ飛びキャラ。今回もいろいろやらかしてくれてます。詳しくは「透過性恋愛装置」参照ですね。牧田と晴れて恋人同士になって、少しはトーンダウンして大人しい子羊ちゃんになってるかと思ったら、人間の性根なんてそんなに簡単に変わるもんじゃないのね。相変わらずというか、ますます困ったちゃんぶりが際立ってきましたよ。いきなり、橋本をアンタ呼ばわりするところにも失速することのない不遜さが、むしろ彼らしくて安心させられたりもしたのでした。
橋本と嵯上は、過去に恋人との関係で似たような苦い経験があって、そのことがより二人の気持ちを引きつけ合っていきます。素直に相手を受け入れ寄り添っていくというのは、簡単に見えてなかなか上手くいかないもの。手探りでささやかな幸せを見つけていく二人に暖かい気持ちになります。
でも、何といっても今回の目玉は、主役を食ってしまうほどにインパクト大だった「北嶋の近況報告」でしょう。むしろ、彼の健在振りを描くための本作であったと言っても過言ではありません。そんな彼が牧田の一言でカワイクなっちゃうところなんか、何度読んでもおかしくてたまらなくなります。鼻持ちならないんだけど、いいところもあって何だか憎めない最強キャラ。
そんな困ったちゃんの北嶋が、牧田にお仕置きHされてしまう「星の滴」は、独特なエロが素晴らしいSSでした。ドSな牧田とドMな北嶋のHに、淫らさとそこはかとない品性の両方を感じることができるのです。
それから忘れていけないのが登。辛らつで鋭い視点を持つ登が、いい立ち回りで持ち味を発揮しています。今回もキツい言葉の裏側に気遣いを感じられて、ますます好きになりました。
久々に北嶋困ったちゃん王子を堪能できて、大満足。シリーズ通して、イラストがちょっと苦手な絵柄なのですが…詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
良かったです。受がひどい目にあう話は苦手なんですが、トラウマには感じない良い意味で辛さを流してしまう受だったので、嫌な気持ちにならず読み進めることができました。だからこそ、手の届かない憧れの人に失恋したときだけは流せずに自棄になってしまう受が可哀想で。でもそんな消化しにくい悲しみがあったからこそ、自分にとってのただひとりの人に巡り合えたのかな。現実の容赦のなさとお伽話の甘さが混在した物語。そしてそれを彩るのが前作、前々作のカプたち。カメオ出演どころじゃない登場に、この本を最初に読んじゃった人は随分損したのではないかと。前作・前々作を知ってるファンには嬉しい誤算です。読んでいて良かった。
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えーと、正直かわいさんの本の評価がこんなに低くなるとは・・・。と自分でも思うんだけど、なんかなにこれー?って感じがしてしまいました。
なんかお互いいつ好きになった???って感じでした。だって橋本は牧田さんらぶだったはずだし、嵯上さんも別にそんなんもういいです。って感じだったじゃん!!みたいな。いや、流れとしてそうなるのはわかるエピソードはあると思うんだけど、そこらへんの心理描写がスッポ抜けてたような印象がなんかあって・・・。
ストーリーはホテルのドアマン橋本がゲイバーでなんか彼氏面してくる男とトラブルになってるところを嵯上さんが助けてくれて、でも別にお互い意識とかしてなくて・・・でも最後はくっつくから・・・んー?です。
北嶋くんがちょこちょこ出てきては嫉妬丸出しでかわいいですけど。それ以外は橋本は自己評価低い素朴な幸せを求める子なんですが、なんであんなトラブってもあのバーに行くのさ。とかなんか思ってしまいます。 -
全体的に落ち着いた雰囲気。主人公2人が穏やかなのでゆったり静かに読めた。
嵯上さんがいつの間にか恋愛モードになっていたので戸惑ったけど、橋本くんと末永く幸せにやってほしい。
北嶋は憎たらしいけど憎み切れないキャラで相変わらず。
牧田さんは海のように広い心の持ち主で毎回感心しちゃうw -
静かで優しい二人のしっとりとしたストーリーだったわけなんですが、いかんせんアレがキョーレツすぎんのよ、全てにおいてあのカップルが!!主役差し置いて光りまくってましたがなwwww
月カップルは本当に月のような二人なんだな・・・。でもふんわり幸せなので、それでよし。だって…あんなきっついカップル2つもあったらBL世界が崩壊するってば!wwww -
★3.0。表題作カプにはイマイチ萌えず。誤解を解こうとしない受にもちょっとイライラ…。淡々と時間だけ過ぎて、いつ二人の恋愛スイッチ入るんだろ?と思ってたら、恋愛感情を自覚する過程が飛ばされて、最後にさらっとくっついたという印象。結局終盤まで恋愛にすら発展してないような、曖昧で薄ぼんやりした感じでした。とにかく北嶋、北嶋、北嶋(笑)あんなに愛らしいキャラだっただろうか?北嶋が面白かったです。牧田のSっぷりが素敵。
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シリーズものと知らないまま読んじゃった。かわい先生は本当に丁寧な文書を書かれるなぁ…。決して派手ではなく、淡々と進んでいくお話が好き。
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実は、かわいさんのクロスノベルシリーズの「透過性恋愛装置」の方、積読本状態でまだ読んでないんです。先にこっちを読んじゃった!!うひゃひゃっ。