人を助けるへんな細菌すごい細菌: ココまで進んだ細菌利用 (知りたい!サイエンス 20)
- 技術評論社 (2007年9月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
- / ISBN・EAN: 9784774132204
作品紹介・あらすじ
天空高く飛びまわり、地中深くにひっそり潜伏。モノづくりがやたら上手で、薬を作り、磁石を作り、プラスチックまで作り出す。めちゃくちゃピンチに陥ったときは、遺伝子チェンジでパワーアップ。我等がヒーロー・細菌にかかれば、大抵のコトは即解決!!そんなスゴイ細菌の利用法を、敬意を持って学んでみよう。
感想・レビュー・書評
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人類は古代から細菌を使って食物を加工していたことは衆知だろう。ワイン、ビール、納豆、漬物、チーズなどなど例には事欠かない。本書では、もちろんこのような平凡な事実を解説するわけではなく、もっと知られていないような細菌の性質を説明する。 たとえば、ピロリ菌について。こいつは胃がんの原因とされているが、どのような仕組みでこんなことが引き起こされるのか。それには人類の能力を超えた高分子化学の力が介在する。偶然と淘汰が支配する生物進化において、細胞の中に直接毒を注入するような高分子構造物が出来上がっていることに驚愕。 例を挙げればきりがないくらい、ほかにも驚くようなことがたくさんあり、非常に面白い。
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細菌=汚いというイメージが未だに根強いが、私達はすでに細菌無しでは生活できない状態になっている。そんな細菌達の、その脅威の多様性と能力に迫る。発酵食品など身近な話題から、バイオブリックやナノバクテリアなどの最先端技術まで紹介されている。
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菌をモーターのように使うとか、記憶媒体にするとか、300度以上でも死なない菌だとか、オーダーメイド細菌だとか。もうタイトル通り、へんな、そしてすごい細菌に感嘆するしかないのです。それらを見つけたり、創りだしたりする人類の英知や探究心にも嬉しくなると同時に、悪用への恐怖も持たないといけません。肉眼で見えない恐怖や、研究者が必ずしも社会性を持っていないということを、僕らは十分学んだ、はず。
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★★★★★
「料理が上手で、特に漬物なんかを上手に作れて、食材が余っていると保存食を作っておいたりもする。汚れたものを片づけるのも得意で殺虫剤や石油を間違ってこぼしても文句もいわず掃除をする。趣味は園芸・音楽・染物で、健康管理にも気を配ってくれる。時には悪さもするけど、小さくてかわいくて、運動が得意」な細菌の話。
生きた細菌をメモリーカードとして使ったり、雪を降らせたりとか、先端の細菌研究もびっくり!
(まっきー)-
おもしろかったー!世界の発酵食品は、ほとんど「も○しもん」の解説というか、同じでしたね。
いろんな研究が現在進行形で進んでるんだ~って、将...おもしろかったー!世界の発酵食品は、ほとんど「も○しもん」の解説というか、同じでしたね。
いろんな研究が現在進行形で進んでるんだ~って、将来を考えるにもいいですね!(i44)2011/03/07
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身近なものなら「こんなやつもいるのか」と意外な役割を持つものまで、いろんな細菌の紹介。「細菌に意思がある」という視点で書かれているので、文章に色があり、いきいきとしている。
フランクでありながら冗長な表現が少ない文章だからか、読みやすい。おそらく小中学生向けであろう豊富な模式図、イラストがこれまたわかりやすい。新聞記事に付されるあのコンパクトでスマートな図解と重なる。
べん毛モーターの仕組みは読めば読むほど感動の域。ナノマシンとして活躍する日が待ち遠しい。 -
愛しの細菌について書かれた本。
細菌の悪い面には目をつぶって、細菌はこんなに素敵!こんなに不思議!と大絶賛。
その目線、嫌いじゃないです。
地球上にも体の中にもあふれんばかりに存在している細菌達がわたしたちとどんな関係にあるのかがとても分かりやすく興味深く書かれている。 -
よく聞くインターネットラジオ局のパーソナリティさんが書いた本.
わかりやすくておもしろいのですが,ちょっと簡単すぎるかなぁ.
入門書とかちょっと知りたい,といった感じですね.