パターン、Wiki、XP ~時を超えた創造の原則 (WEB+DB PRESS plusシリーズ)

著者 :
  • 技術評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774138978

感想・レビュー・書評

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  • 建築の世界からソフトウェア開発への至る歴史や思想がわかる。また、パターン・ランゲージについても触れている。
    書名にもあるデザインパターンやXP、Wikiについて生まれた背景や思想、パターンの適用などが記述が少ないながらも纏まっている。

  • パターンランゲージという建築の思想が,プログラミングやWikiにおいて形を変えて実現されているという,非常にエキサイティングな本でした.
    プログラミングもWikiも,作っていくうちに,計画通りいかないこと・事前に予測できないことが必ず発生するので,その都度徐々に改良していくことが必要になるから適用できたのかと思います.
    その点では研究も同じなので,研究の進め方に活かせるアイデアがいくつもあるなという読み方もできました.

  • 今回のテーマは、クリストファー・アレグザンダーの思想です。

    デカルト的な二元論的パラダイムとは異なる見方で、建築の世界を捉え直し、建築のデザインを再考したクリストファー・アレグザンダーの考えと実践の遍歴を辿ります。

    序章, 第1~6章

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784774138978

  • タイトルに上げられた3つの一見すると関係なさそうな項目の起源や関連を見ていくという野心的な本。自身としては「一見すると関係なさそう」と最初に思ってしまったので、無理な理論展開などがあるんだろうなと思い込んでしまい、しばらくの間「積読」状態でしたが、一旦読み始めるとかなり引き込まれました。
    というのもそれは、クリストファー・アレクザンダーの建築における多大な実績によるところが大きいと思う。彼が解決しようとしていた問題のスケールの大きさや、問題解決に対するアプローチの仕方が非常に興味深く、ソフトウェア業界がそのような功績に注目したのも頷ける。
    ソフトウェアにおけるパターンムーブメントについても、GoFといった人たちのことは知ってはいたが、実際にどのような形で進んでいったかという歴史・背景を知る上で非常に参考になった。比較的同時発生的に、幾人かの人たちがこのような問題に着目して、OOPSLAなどで洗練されていったというも興味深い。
    またKent BeckによるXP(eXtreme Programming)のプラクティスがプロセスパターンなども含めたパターンの成果から生まれてきたというのは、これまで全く想像していなかったことなので、それについても興味深かった。
    あとはWikiに関する章については、単純に読み物として面白かった。

  • 良い本だと思う。
    技術書ではなく、読み物。

    情報共有のためのWiki
    開発プロセスのXP
    別々のものだけど、起源を辿ると建築家アレクザンダーのパターンランゲージに行き着く。

    これを読んでおくと、XPを学習した時に思想や起源が分かるので入りやすいのかも。
    (XPの学習はしてないから、なんともいえないけど)

    読んでて、
    Wikiで設計書を書いたら面白いんじゃないかなんて事も考えた。
    (設計書書くためのWikiエンジン作ってしまうとかね)

  • 建築家クリストファー・アレグザンダーが提唱した6つの「創造の原則」が今日のソフトウェアの礎になっている。
    この事実を歴史を追って理解できることがとても素晴らしい。
    特に、この原則がケント・ベック、カニンガム、コプリエンらの活動の源流にあることを知るだけでもこの本を読む価値がある。

  • すごくおもしろかった!

  • 本書はデザインパターン、XP(エクストリームプログラミング)、Wikiの三つに共通する設計思想の背景を建築家アレグサンダーに求め、アレグサンダーの思想がどのようにソフトウェア設計に取り入れられてきたかを紹介した本である。

    したがって技術書として読むと物足りないように思うかもしれないが、ソフトウェア設計の思想的背景を知りたい人にとっては面白いと思う。

    Wikiっていつの間にか流行っていたし、ウェブサイトの編集を簡単にしただけのものぐらいにしか思ってなかったけど、こういう背景があったのかと興味深く読んだ。

    気になった点をいくつか。

    ・アレグサンダーは建物そのものではなく、その設計プロセス・生成過程が重要であると考えた

    ・建築を一回作って終わりのものではなく、漸進的に発展するものだと考え、拡張の余地を残した

    ・ユーザビリティーを重視した人間中心の設計

    ・アレグサンダーはもともと数学科出身であったが、あえて「無名の質」という名付けえぬ概念にこだわった。

    ・XPで重要なことは「今いらないものは作り込まない」。なぜなら将来的にもどうせ必要にならないから。

    ・修正を入れたらすぐにテストする。結合テストも頻繁に行うべきである。そうすることで常に品質が保たれる。

    ・Wikiはプログラムでありドキュメントでもある。

    ・Wikiではそれ自身の編集方法、記述のルール、各ページの階層関係といったメタ情報もまたWikiページとして記載される。フラットな構造である。

    個人的には、プロダクトに注目することから設計プロセスに注目するという移行が、20世紀における人間認識に対する大きな変化の一つの表れのような気がするが、それを今考えるのはちょっと手に余るのでそのうち考えたいと思う。

  • 題名から何となく、避けていた一冊だが
    読んでみると、結構面白かった。

    あとwikiってハワイ語とはしらなんだ。

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著者プロフィール

(ニコニコ学会β実行委員長・プログラム委員長)
1997年、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。2010年、東京大学大学院情報理工学系研究科博士課程修了。博士(情報理工学)。メディアアーティストとして、「sensorium」でアルス・エレクトロニカ賞グランプリを1997年に受賞。国立研究開発法人産業技術総合研究所主任研究員として「利用者参画によるサービスの構築・運用」をテーマに研究を続ける傍ら、2011年11月に「ニコニコ学会β」を立ち上げた。おもな著書に『進化するアカデミア』(イーストプレス)、『ニコニコ学会βを研究してみた』(河出書房新社)、『パターン、Wiki、XP』(技術評論社)。

「2016年 『ニコニコ学会βのつくりかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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