パターン、Wiki、XP ~時を超えた創造の原則 (WEB+DB PRESS plusシリーズ)
- 技術評論社 (2009年7月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784774138978
感想・レビュー・書評
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建築の世界からソフトウェア開発への至る歴史や思想がわかる。また、パターン・ランゲージについても触れている。
書名にもあるデザインパターンやXP、Wikiについて生まれた背景や思想、パターンの適用などが記述が少ないながらも纏まっている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今回のテーマは、クリストファー・アレグザンダーの思想です。
デカルト的な二元論的パラダイムとは異なる見方で、建築の世界を捉え直し、建築のデザインを再考したクリストファー・アレグザンダーの考えと実践の遍歴を辿ります。
序章, 第1~6章 -
貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784774138978 -
タイトルに上げられた3つの一見すると関係なさそうな項目の起源や関連を見ていくという野心的な本。自身としては「一見すると関係なさそう」と最初に思ってしまったので、無理な理論展開などがあるんだろうなと思い込んでしまい、しばらくの間「積読」状態でしたが、一旦読み始めるとかなり引き込まれました。
というのもそれは、クリストファー・アレクザンダーの建築における多大な実績によるところが大きいと思う。彼が解決しようとしていた問題のスケールの大きさや、問題解決に対するアプローチの仕方が非常に興味深く、ソフトウェア業界がそのような功績に注目したのも頷ける。
ソフトウェアにおけるパターンムーブメントについても、GoFといった人たちのことは知ってはいたが、実際にどのような形で進んでいったかという歴史・背景を知る上で非常に参考になった。比較的同時発生的に、幾人かの人たちがこのような問題に着目して、OOPSLAなどで洗練されていったというも興味深い。
またKent BeckによるXP(eXtreme Programming)のプラクティスがプロセスパターンなども含めたパターンの成果から生まれてきたというのは、これまで全く想像していなかったことなので、それについても興味深かった。
あとはWikiに関する章については、単純に読み物として面白かった。 -
建築家クリストファー・アレグザンダーが提唱した6つの「創造の原則」が今日のソフトウェアの礎になっている。
この事実を歴史を追って理解できることがとても素晴らしい。
特に、この原則がケント・ベック、カニンガム、コプリエンらの活動の源流にあることを知るだけでもこの本を読む価値がある。 -
すごくおもしろかった!
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本書はデザインパターン、XP(エクストリームプログラミング)、Wikiの三つに共通する設計思想の背景を建築家アレグサンダーに求め、アレグサンダーの思想がどのようにソフトウェア設計に取り入れられてきたかを紹介した本である。
したがって技術書として読むと物足りないように思うかもしれないが、ソフトウェア設計の思想的背景を知りたい人にとっては面白いと思う。
Wikiっていつの間にか流行っていたし、ウェブサイトの編集を簡単にしただけのものぐらいにしか思ってなかったけど、こういう背景があったのかと興味深く読んだ。
気になった点をいくつか。
・アレグサンダーは建物そのものではなく、その設計プロセス・生成過程が重要であると考えた
・建築を一回作って終わりのものではなく、漸進的に発展するものだと考え、拡張の余地を残した
・ユーザビリティーを重視した人間中心の設計
・アレグサンダーはもともと数学科出身であったが、あえて「無名の質」という名付けえぬ概念にこだわった。
・XPで重要なことは「今いらないものは作り込まない」。なぜなら将来的にもどうせ必要にならないから。
・修正を入れたらすぐにテストする。結合テストも頻繁に行うべきである。そうすることで常に品質が保たれる。
・Wikiはプログラムでありドキュメントでもある。
・Wikiではそれ自身の編集方法、記述のルール、各ページの階層関係といったメタ情報もまたWikiページとして記載される。フラットな構造である。
個人的には、プロダクトに注目することから設計プロセスに注目するという移行が、20世紀における人間認識に対する大きな変化の一つの表れのような気がするが、それを今考えるのはちょっと手に余るのでそのうち考えたいと思う。 -
題名から何となく、避けていた一冊だが
読んでみると、結構面白かった。
あとwikiってハワイ語とはしらなんだ。