てのひらに未来 (くもんの児童文学)

著者 :
  • くもん出版
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本棚登録 : 151
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774330549

作品紹介・あらすじ

中学生の琴葉が、家族や平和について考えながら、未来に進んでいく物語。

 中学2年生の琴葉は、そりのあわない頑固職人である父親や、居候の気になる年上男子・天馬に悩まされながらも、充実した学生生活を送っていた。琴葉の実家は、父の経営する町工場だったが、ある時期を境に、注文の量が減りはじめ、経営が危うくなってくる。注文が減りはじめた理由は、「琴葉の父が、大口の注文を断ったからだ」ということを知った琴葉は、父に理由を尋ねるが、頑として教えてはくれない。
 実家の危機に立ち向かうなかで、天馬の見せる優しさにふれた琴葉は、次第に彼のことを意識するようになる。やがて、彼の口から「中国人である母と、祖母の折り合いが悪く、家族がバラバラになってしまった」という事実を聞かされる。以来、ますます天馬のことが頭から離れなくなった琴葉。そんななか、これまで姿を見せなかった天馬の父親が工場を訪ねてくる、という知らせが入ってきて……

 第3回児童ペン少年小説賞を受賞した『セカイの空が見えるまち』や『となりの火星人』、『あした、また学校で』など、話題作を発表しつづけている工藤純子先生の新作は、「未来と平和」について考えるきっかけになる物語。

感想・レビュー・書評

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  • 予備知識なしで読んだけど、良かった。テーマに戦争や平和に関する思いがこめられていた。未来を作る手。若い世代に、ぜひ、読んでほしい。

  • 「憎しみってね、絶対に完璧には消されへんよ?消えへんよ?少しずつ少しずつ薄く薄くなってくだけ。しかも、時々、濃くなって出てくる厄介者やねん。」
    って思ってるアタシは捻くれてるんやと思う。
    恋、家族、家庭環境、戦争と平和のお話。

  • ある町工場の娘、琴葉の家に、ある事情で居候先する天馬。天馬の家族がバラバラになった理由や戦争や平和を絡ませ、その中で琴葉と天馬の恋も加わり…。中学生がここまで考えるかなぁとは思うが、純粋な心ってキレイだなって思う。

  • その人の性格や行動には、その人の生きてきた背景がある。
    その人の親、そのまた親、それぞれの背景が影響して、その人がいる。
    それに気づけるかどうかで未来が変わるんだ、というメッセージを私は受けとりました。

  • 戦争扱うなら、この本のようなものでないと、今の子には読めないと思う。その点ではぜひ読んでほしい。
    しかし、おばあちゃんのエピソードに疑問なのと、評価されるポイントだけを集めた作文のような感じで、読書の楽しみがあるとは思えないのが残念。

  • 父の工場で働く天馬と同居する琴葉の淡い気持ち。特定の仕事は断る父のこだわりなど簡単ではない問題を織り混ぜながら、読後感は明るい。

  • #小学生#中学生

  • 以前読んだ工藤純子氏の作品、表紙の2人に惹かれて手に取ってみた。中学生の主人公の家に、居候の天馬が来るところから物語は始まる。主人公の父の経営する中小企業の抱える悩みや、日本に誇れる技術の高さ、それらを天馬を通じて知る主人公。シンプルな構図で子供達の成長がよくわかる。
    誰しも両親がいるわけではないし、誰しも両親にわかりやすい愛情を届けてもらえるわけもなく、当たり前って難しいとわかる作品。

  • 恋物語のようで、戦争の話のようで、将来を、家業を考え見つめ直す本のようで。高学年から。

  • 素敵な恋の物語…
    と思いきや、平和を訴えるとは!
    今ここにある日常は、平和である証なんだよね。
    私のポリシー、なんだろう。

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著者プロフィール

『セカイの空がみえるまち』で第3回児童ペン賞少年小説賞を受賞。『となりの火星人』、「恋する和パティシエール」シリーズ他作品多数。日本児童文学者協会会員。全国児童文学同人誌連絡会「季節風」同人。

「2023年 『リトル☆バレリーナ  きらめきストーリー☆3つ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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