scaramoucheさんの感想
2017年4月22日
ヤママユの一生と、ヤママユの繭から絹糸(天蚕糸)を取る営みを描く写真絵本。 ヤママユの終齢幼虫は、何度見ても目を惹きつけられる。顔はグロテスクとも言えるはずなのだが、脚はまるで赤子のよう。 成虫は、雄の触覚がやはり格好良い。 そして束ねられた絹糸の緑が美しかった。 繭から絹糸を取ることで、ひとがヤママユを殺しているということを、柔らかい言葉でとはいえ、子どもの読者に伝えているところも、真摯で良かった。
自然写真家。 愛媛大学農学部環境保全学科応用昆虫学研究室で鳥を研究。教育映画の演出助手などを経て、フリーの昆虫写真家として独立。昆虫の多様で不思議な生態や形態を掘り下げ、独自の視点から撮影を続けるほか、様々な動植物にも目を向け、生き物たちのつながりも観察、撮影する。宮崎県三股町在住。 著書に、『むしこぶ見つけた』(ポプラ社)、『生まれたよ!カメムシ』(岩崎書店)『虫たちのふしぎ』福音館書店、『虫のしわざ観察ガイド』(文一総合出版)、『はじめて見たよ!セミのなぞ』『虫のしわざ探偵団』『虫のしわざ図鑑』以上3点(少年写真新聞社)ほか。 「2022年 『野鳥のレストラン』 で使われていた紹介文から引用しています。」