- Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
- / ISBN・EAN: 9784778117627
作品紹介・あらすじ
アンドロイドが普及し、人に代わって戦争すらしてくれる時代。大学生の南里輝は、自分だけを愛してくれるセックス用アンドロイド、通称「裏ドール」を伴侶にすることを夢見ていた。その資金を貯めるため裏方バイトをしていた風俗店に、ある日とびきり美しい裏ドールが売られてくる。悲しげな姿を見かねた南里は、つい貯金をはたいて「彼」を買い取ってしまった。シンと名づけられた彼はドールゆえの一途でけなげな愛を南里に注ぐが-。
感想・レビュー・書評
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再読…いや〜面白い(〃ω〃)
本筋のストーリーはもちろんなんだけど…
阿部ちん最高!凪良さんの書くオタクは最高です笑笑
スピンオフもまたまた再読せねばo(・x・)/詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最近痛くない傾向の作品ばかりだったのと、タイトルがかわいかったのとで、うっかりしてしまいました…
こんなに目を泣きはらすとは思わなかったです。
久し振りにティッシュ大量消費のストーリーでした。
近未来の日本を舞台にした、ドールオタクの南里と裏ドールのシンとの悲恋。凪良センセの痛い作品にはもう免疫があると思って挑んだんですが…
ドール相手の純愛。そして、ドールからの掛け値なしの純愛。
切なすぎて、涙腺崩壊しました。オタクの生態とか、心理描写が如実に描かれていて、とてもじゃないけど客観視できなくなりました。南里の気持ちにめちゃくちゃ感情移入してしまいました。
人間のために便利に使われて、人間のエゴに振り回され、それでもマスターに忠実に尽くすアンドロイド。
正当な利用法以外にHの相手は許容範囲としても、戦闘用というのには震撼とさせられました。いかにもありえる話です。
人間としての価値観、常識のライン引き…いろんな問題を突きつけられた気がしました。
南里は何があってもアンドロイドのシンをおとしめることなく、自分のかけがえのない人としてとても純朴に愛していて、いろんな場面で胸が熱くなりました。そして、南里によって目覚めていくシンが、いろんな感情を知ってどんどんかわいくなっていくのにもじーんときてしまいました。
かわいいタイトルの言葉に何回泣かされたか…!
人間もアンドロイドも愛の前では何の線引きもないな、と思わせるラストがとてもよかったです。
幸せに永遠という保証はなくても、愛する気持ちがあれば可能性は無限なんだなと思わせてくれます。
凪良センセは、泣かせるのが天才的に上手いです。いろんなテーマに挑戦してくれるのも嬉しいです。
…そして、何となくスピンオフの予感。 -
プログラムによってマスターだけを愛するアンドロイドを手に入れた南里。機械との恋に閉塞感はなく、むしろ二人の初恋のような初々しさにときめいた。だが、物語はそんな人間と機械を戦争によって引き裂いていく。機械であるシンたちのマスターへの献身は変わらないのに、それを使う人間は変わっていく身勝手さ。だけど南里はそれに抗う。
記憶や体も失って丸になったシンとの生活は、萌えると同時に、泣きそうなほど幸せの光景に見えた。
そんな南里だけがたどり着いたシンとの結末は、ご都合主義かもしれないが、未来のお伽話のようで心が安らいだ。どうか二人、いつまでも幸せであって欲しい。 -
絶版ぽくて、電子もないので手に入れるのに苦労した笑 ショートケーキをショートケーキたらしめるものは苺だ。つまり、「ショートケーキの苺には触らない」は、ショートケーキがショートケーキであるための呪文。これが、シンとナンリ、両者の記憶、もといアイデンティティを引き出す呪文にもなっているのがオシャレな構成。
最後の「辛かった思い出の箱だけがあって、ふたを開けても当時の気持ちは残ってなくてからっぽだ。それは多分、今がとても幸せだからなんだろう。」という台詞がすごく沁みた。これって、トラウマ寛解の理想の形だなと思った。 -
ちょびっツかと思ったら銀河鉄道999だったでござるの巻
機械帝国…機械化人間だ…
と思ったら凪良先生も999の影響受けてるって奥付で書いとった
これをハッピーエンドと全肯定できるほどまで私の脳が先進国じゃないんですけども
現代だからこそありうるオチなのかなあとも思った
テーマがテーマだから何度かしんどくてやっぱメンタルが頑健なときに読むのをオススメしたい -
タイトルからは想像もつかないSFでした。アンドロイド(ドール)と人間の恋。
余所事のはずの戦争が急に身近になったり、円安で経済が困窮してたり、リアルとシンクロしてる点に背筋が寒くなったりもした。
タイトルの意味の深さを知るための物語。凪良さんらしい泣きと笑いのバランスが絶妙。泣けました。 -
発売当時、ランキングで見かけて気になってはいたものの読まなかった作品でした。いざ読もう!と思った時には紙の本が存在しておらずそのままに…。本屋大賞のおかげで重版、無事に読めた。なんかもう哀しいし辛い。二人は幸せかもしれないけどわたしはただ辛い。でも、読んで良かった。