よしながふみ対談集 あのひととここだけのおしゃべり

  • 太田出版
3.69
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本棚登録 : 1200
感想 : 185
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778310875

作品紹介・あらすじ

語れども語れども…マンガ界の名手よしながふみ、待望の初対談集!!爆笑&含蓄&貴重なお話満載、ファン垂涎のマンガ・トーク。

感想・レビュー・書評

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  • 『フラワー・オブ・ライフ』で震えるような感動を与えてくれた漫画家よしながふみと
    やまだないと、福田里香、三浦しをん、こだか和麻、羽海野チカ
    志村貴子、萩尾望都という豪華なゲストとの貴重な対談集。

    ブクログ仲間さんのレビューで気になっている『まんがキッチン』で
    漫画に出てくる印象的な料理やお菓子を実際に作って披露しているという
    料理研究家の福田里香さんが武蔵野美大出身ということを初めて知って
    画材や漫画の構成への異様な(?)詳しさに納得したり

    永遠に続く幸せなどなくて、幸せな一瞬を積み重ねて大事に貯金しながら生きていく
    そういうものを描きたいと頷き合う三浦しをんさんとの会話に胸を打たれたり

    「やおい」の定義は男性同士に限ったことではなく
    『ケイゾク』の柴田と真山、『トリック』の山田と上田、という男女でも
    『ガラスの仮面』のマヤと亜弓さんのような女性同士でも成立している、
    という力説に、おお!と目から鱗が落ちたり

    原作をあまりに愛するファンから、
    「アニメ化やドラマ化をどうして許しちゃったんですか?!」と糾弾されて
    宣伝になるからではなく、数ある漫画の中から別の畑のクリエイターが
    これを映像化したい!と選んでくれた嬉しさがあったのだということを
    初対面のよしながさんに共感してもらったうれしさに
    16時間おしゃべりし続けたという羽海野チカさんに涙したり

    自分の作品が、萩尾望都さんを始めとする「24年組」の
    素晴らしい作品を読むための入り口となってくれればいいと言い切る
    よしながさんの24年組への深い敬意に感動したりして

    よしながさん達8人の漫画への想いの熱さに
    思わずエアコンの設定温度を下げてしまいたくなるような本でした♪

    • まろんさん
      そうなの!びっくりするような豪華メンバーなのです!

      しをんちゃんとよしながさんが意気投合、っていうのは予想つくんだけど
      羽海野さんと、初対...
      そうなの!びっくりするような豪華メンバーなのです!

      しをんちゃんとよしながさんが意気投合、っていうのは予想つくんだけど
      羽海野さんと、初対面で16時間話し込むほど仲良しだなんて知らなくて
      おおー!おおー!って小さく叫びながら読んでました(笑)
      あと、よしながさんがかなり「気遣いの人」で
      しかも漫画への愛を語り始めると止まらないのがよくわかって
      もともと好きなのに、さらに好感度10割増になりました♪
      2012/08/18
  • 大変お恥ずかしいことですが、太田出版というのがどういう会社かとか全然わからないまま「よしながふみの対談集だって!」というだけで図書館で借りたもんで、中身があまりにBLの話ばかりで開いてのけぞってしまいました。一生分の「攻」「受」という文字を見た。いや、あとで考えれば、表紙でわかっただろうよって話なんですが。
    とはいえ、三浦しをん、羽海野チカ、萩尾望都といった超メジャーな方も対談相手として登場しているし、話題になっているのはサブカル以外の漫画の場合も多いので話についていけないということはなく楽しく読みました。特に、きっと有名な話なんだろうけど、よしながふみと羽海野チカの同人(というかスラムダンク)まわりの話とかはまとめて読むのは初めてだったので大変興味深く、あらためて井上雄彦の凄さを感じたり、縁というものの不思議さを思ったり。
    私がよしながふみの漫画の何を好きかというと、風呂敷を広げすぎないできちんと畳んで完結させていくところなのですが、今回この対談集の中で彼女が語るのを読んで、「自覚的」であることも好みなんだな、と認識しました。特に少女漫画の描き手の中には、無自覚にエゴを漫画の中に放出しているようでそれもまあ面白い場合もままあるんだけど、よしながふみはそこのところをコントロールしていて、それが私にはここちよい。対談集の中でもよしながふみはいろんなことを語りまくっているわけですが、その場の思いつきで垂れ流しているわけではなく、永年ひとりでじっくり考えてきたことがたくさんあるんだろうなとわかるような語りっぷりなわけです。だから漫画を描く時にも、自分の思想や嗜好の言語化の上に立って表現活動を行っているので、作品の中で剥き出しの生のものをぶつけられることないのがいいんだな、と。逆に、これだけものを考えて喋る人でありながら、文字メディアには(読むのも書くのも)興味が向かないというのもまた面白いなと思いました。漫画バカ一代ですね。(もちろん最大の賛辞です)

  • 才能があるもの同士の対談に圧倒されつつ、
    まさにこれを読んでる時間が幸せの瞬間だった。
    分かり合えている感覚や信頼関係が文章から溢れていた。
    羽海野チカの森田さんと山田さんの困ったらすぐ飛んでいくけどべたべた仲良くはない、という関係性が好きだったのでその話が書いててとても嬉しかった。
    好きだ好きだで真山に根負けした理花さんがアンドレとオスカルというのも面白かった。
    改めてハチクロが好きだと思ったし、読みたい漫画が増えた。
    こんなふうに語り合える相手がいるのは幸せだと思った。

  • 個人的に読後に様々な思いが巡る対談集だった。
    フェミニズムに関してのよしながさんの見解はすごく頷けるものがあった。
    人がより自由に生きていく為にはどうしたらいいのだろう、嫌な人もいるけどそれを殴って叩きのめすのではなくて、嫌な事があったときにとりあえずご飯食べなというような優しさというのは女の人ならではの発想だと思う。
    抑圧され、どうしようもない理不尽なことが多い中でじんわりと暖かくなるような優しさを持てる女性の方が懐が深く愛情深いなと個人的には思うので女性の描く物に感動することが多いのだと自分でも納得できた。

  • 三浦しをんとの対談で、男男でも女女でも男女でも、「この関係性もえるー!」と思ったらそれはやおいなんだよ、って考え方に、なるほどーと思った。

    耽美とかBLとかやおいとか、色々呼び方があって、全部違うところから来ていて、女同士だったらまた百合とかGLとか、ややこしく、そこの認識の差ってこうじゃない?っていう話をいろいろしてくれていて、面白くて、よかった。

    しかし「小暮ぶち犯してえ~」と思う一方でこんな色々考えてるのかあ、賢ぇなあ、と思った。

     少女マンガ読みたくなりました。

  • ちょっと古めの少女漫画を読むのに、どこから手をつけたら良いのか
    迷っているなら、まずこれを読んでみてください。

    話の中で出てくる面白そうな作品から手をつけてみれば、どんどん
    世界は広がっていくはず。

    ちなみに私はこれを参考にして吉野朔美と志村貴子に出会えましたよ。

  • 漫画談義、とても興味深く読んだ
    私も萩尾望都先生の作品好きです。
    BL談義は途中でちょっと疲れてしまい、飛ばし読みしてしまいました。

  • あたしに一番足りてないのはここなんだよなというところが書いてあった本。

    あとマンガってこの世の中にほんとにたくさんあってこの本にでてきたマンガは大半がまだ読んでないやつで読みたいと思わされた作品も割とあって、こんなにたくさんのマンガをこのあとの人生で読み切れるかちょっと不安になった笑

    好きなこの好きな本だったっていうのも知らずに読んでなんだかハッピー☆

  • 対談集。ハチクロの羽海野チカさんから大御所萩尾望都大先生まで、幅広いジャンルの作家さんや漫画家さんが登場します。世代が近いせいか、話題に出てくる作品の大半がわかるので、単純に少女漫画マニヤとしても楽しめるし、それ以外の部分でも、深いなあ、と感心することしきり。なかなか読みごたえのある1冊でした。

  • 同人誌ってものを読んだことはないのだけれど、この人の考え方って興味深い。
    三浦しをん、羽海野チカも大好きだし。

    ただ、知らないマンガが出てきすぎ…。よしながふみも、羽海野チカもスラムダンク愛してるのね。


    当たり前のことだけど、作家もマンガ家も、表現しなくては生きていけない人たちなんだな、と。

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著者プロフィール

東京都生まれ。代表作の『西洋骨董洋菓子店』は2002年、第26回(平成14年度)講談社漫画賞少女部門受賞。2006年、第5回(2005年度)センス・オブ・ジェンダー賞特別賞、第10回(平成18年度)文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。ほかの作品に、『大奥』『フラワー・オブ・ライフ』『愛がなくても喰ってゆけます』『愛すべき娘たち』『こどもの体温』などがある。


「2022年 『きのう何食べた?(20)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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