街場の読書論

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著者 : 内田樹
  • 太田出版 (2012年4月12日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778312886

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街場の読書論の感想・レビュー・書評

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  • ビジネス書とは、全く違う視点からの読書論。

    ビジネス書ではいかに効率よく本を読むかといったような、喉の渇きを癒すための読書のように感じる。

    しかし、いくら本を読んでもこの渇きは癒されない。水を飲んだ瞬間は癒されるが永遠に渇きは波のように押し寄せる。
    ビジネス書も読んだ瞬間は、モチベーションが上がるが、またさらなるスキルアップやバージョンアップが必要になる。

    この読書の渇きにとつきあうには、渇きとはなんなのか?渇きはどこからくるのか?と問いをたてて考えながら渇きを癒すのではなく、渇きと程よくつきあって共存していくのが良いと思わせてくれた一冊。

  • 1文芸棚
    軽快な語りである。本読書が著者との対話であるというなら、慣れてきた、文体、構成、話の進め方など。取り扱いの本は、軽い内容ではないと思うのだが、分かりやすく、扱っている技がある。
    2人文棚
    じんぶん、ちんぷん、長い文でさっぱり分からず。
    3内田棚
    自画自賛でも、おもしろい、読んでいない著作が多かった。
    4教育棚
    歌わざる英雄は何故、教育なのだろう。教えるものなのか?誰かがいわなければ分からないのだろうが、学生向けで分かる教育なのか?
    運がいい、という表現がとても気に入った。
    学ぶ力中学2年生が対象なのか。まさに好対象な時期ともいえる。これが大学に入ると込み入ってしまうのは何故だろう。
    6著作権不明
    グーグル、クラウドとネットが発達してきた以上、著作権を保護することは難しい。著者の利用可の考えは、とても好きである。また、中国の著作権に対しての指摘も最もである。擬似著作権についての話は知らなかったこと。「戦敗加算」なるものが敗戦国にいたとは驚きである。アメちゃんの考え方はフェアではない。

    ブライアン・ウィルソンの気鬱は心を打つものがあった。

  • あぁ‥かっこいい。
    『街場の文体論』も読みたい。

    私には難しいかなと探るように読み始めだけれど、とても読みやすかった。(理解したかどうかはともかく)
    知らない書名、知らない人のオンパレードだった「文芸棚」「人文棚」「ウチダ本棚」の章からとにかく楽しかった。
    そして「教育棚」「著作権棚」「表現とリテラシー」には比較的身近に感じる話題について、目から鱗な話がハッキリキッパリ書かれていた。格好良かった。
    「卒論の書き方」なんて、学生の時に読んでいたら‥!と、どうしようもないことを考えてしまう。

    一番興味深かったのは著作権についての考え方。
    そして人とともに「死ぬ」言葉のこと。
    人通りの多い場所で読んでいたのに、しばらく周りの音が聞こえなかった。
    止まった時間の中で読んだようだった。

  • 「爾来私は書物について《出力性》を基準にその価値を考量することにしている」 出力性てのは読んだあとに何かしたくなることらしい、例えばビールが飲みたくなるとか。この本は本が読みたくなって、文章を書きたくなりました。

  •  ブログから書物に関するエッセイ的なモノを寄せ集めた一冊。しかし、面白い。
     内容に関わらずサクサク読めてしまい、かつ、いちいち腑に落ちる。この技法に相変わらず唸らされます。
     実は読んだ後にあんまり内容が頭に残ってないのに、なんだかわかんないけど妙にモチベーションが上がっちゃうんですよ。
     だからブログをまとめただけであっても、同じような内容を繰り返してるだけでも、ついつい読んでしまうんだなぁ。

  • 重度のタツラー(内田樹の読者)であるわたしは、
    ここに書いてあることの大半を一度別のところで読んでいる。
    それでもやっぱり面白い。

    ひとつ、
    この本が読書論であるところの所以は、
    読書によってリンクする様々な思考を展開してみせているところだろう。

    本書では、
    読書を「scan」と「read」の二つに分けている。
    わたしはその先に「link」があると思う。

    つまり読書は、
    「今ある自分の知識・思考」と、
    「本に書いてあること」を繋ぎ合わせる(「link」させる)ことだと考えている。

    著者は、
    スワヒリ語40単語を覚えるプログラムの話を引いて、
    「脳の機能は「出力」を基準にして、
    そのパフォーマンスが変化するのである。
    平たく言えば、
    「いくら詰め込んでも無意味」であり、
    「使ったもの勝ち」ということである」
    と書いていることから、
    知識を使うことの重要性を説いており、
    本書ではまさに「自分の知識を使って本を読み解く」
    という前述したことを体現しているのである。

    わたしが毎日シコシコと日記をしたためるのも、
    こうした修練の一貫であると言える。

  •  内田さんには、いつも頭と常識をかきまわしてもらうのを期待しているのだが、今回は励ましてもらった。

    (1)情報強者とは、自分に必要な情報があるときに、「教えて」といえば、「うん、いいよ」という人のところにホットラインがつながるようにネットワークが構築されている人のことである。(p366)

     復興のことで、本当の現場の情報をするためにネットワークづくりをしていた自分にぴったり。

    (2)人間がいきてゆくために本当に必要な力についての情報は、他人と比較したときの優劣ではなく、「昨日の自分」と比べたときの力の変化についての情報なのです。(p285)

     もともと強い劣等感にさいなまれている自分としては、自分自身の力を少しでも伸ばすことに価値を見いだしたい。

    (3)共同体はそのメンバーのうちで、もっとも弱く、非力な人たちであっても、フルメンバーとして、自尊感情をもって、それぞれの立場で責務を果たすことができるように制度設計されなければならないと思っているからです。それは親族や地縁集団のような小規模な共同体でも、国民国家や国際社会のような巨大な共同体でもかわりません。(p244)

     今回の本は、ちょっと心が弱っているので、励みになりました。

     参考文献。ローレンス・トーブ『3つの原理』(ダイヤモンド社)、平川克美『株式会社という病』(文春文庫)『移行的混乱』(筑摩書房)、難波江和英ほか『現代思想のパーフォーマンス』(光文社新書)

  • 本のガイドというよりも、引用した上での思考哲学といったほうが正しい。しかし、いつもの論評よりはテンポが軽めなのでさくさく読める。
    ジョルジュ・サンドの『愛の妖精』やケストナーの『飛ぶ教室』ってそんなにおもしろいのか、読んでみたくなった。

    読みやすい本のコツとは、コミュケーション・プラットホームの構築。読者に対してゆっくりと理解を得ながら進む文章。目から鱗が落ちる指摘。いい本を書く人は本に対する感性が鋭い。

    著作権に関する論評も納得。質を問わずに数だけ捌こうとする出版ビジネスにうんざり。

  • これは手元に置いておきたい本。

    著作権棚の章が面白かったなぁ。
    たぶん最近もやもやと考えている事柄についてだから。
    作家さんのTwitterとか見ていると、
    図書館で本を借りて読むことへの否定的な意見もまーちらほら目にする。
    で、それに対してなんだろう、なんか違和感を感じていて。
    お金を払わない読者は作家に取って不要なんだろうか。とか。
    そういうのぐるぐる考えていたので、この章が興味深かった。

    そしてここでも内田さんの論というのは、贈与がベースになっている。
    私たちの読書体験は必ず、贈られたもの、無償のものから始まる。
    あぁ、なるほどなぁって。
    すっごく個人的な感覚なんですけど、図書館で本をたくさん借りる方って、
    基本的にご自分でも本をバンバン購入しているんですよね。
    それがこの章で言われている「『無償で読む読者』が増えれば増えるほど、『有償で読む読者』予備軍は増える。」ということなのかなぁ。

    他にもいろいろ考えるところがあるので、とりあえず何度か読み返したい。

  • 広い意味での読書。 どんな場面でも読書の必要性がわかった。 ただ、どうしても読書の幅が狭まるのを広い観点から本を模索していきたい。

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街場の読書論に関連するまとめ

街場の読書論の作品紹介

"ひとりでも多くの人に話を聞いてほしい、書いたものを読んでほしいと思う人間にとっての技術的な最優先課題は「どうすれば、聴き手や読み手はこのメッセージを『自分宛てだ』と思ってくれるか」ということに集約されることになります。当然ですね。それが「リーダビリティ」といういささかこなれの悪い言葉を使って、この本の中で僕が論じていることです。"

本はなぜ必要か。
どうすればもっと「伝わる」のか。
強靱でしなやかな知性は、どのような読書体験から生まれるのか――。
ブログ「内田樹の研究室」と、各媒体への寄稿記事より、「読書」と「表現」に関するものを厳選、大幅に加筆・改訂。
次なる世紀の行く手を照らす、滋味たっぷり&笑って学べる読書エッセイ。

街場の読書論のKindle版

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