街場の読書論

著者 :
  • 太田出版
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本棚登録 : 1131
感想 : 113
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778312886

感想・レビュー・書評

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  • 本書は、筆者がこれまでブログや雑誌などに寄稿した、読むことや書くことに関する文章(加筆修正された)が収録されたものである。前に一度読んだ文もあったけれども、学ぶことが多かった。その中でも特に秀逸だったのはあとがきだった。読む価値の高い一冊だと思う。

  • ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00182391

  •  最近、内田さんのブログを知りました。今から過去の膨大なブログを編年体で読んでいくのは大変なので、分野別になっているこの本はとても助かります。
     頭のいい人の物の考え方が、少し分かったような気がします。他のも読んでいきたいです。

  • 普通。別段面白くもなかった。ブログの文章を編集してるだけなので、素直にブログから読んだ方が読みやすい気がする。まぁブログの文章を集めて本にしてる時点で多少の読み辛さは避けられないか。

  • 書くとはどういうことか、読むとはどういうことか。ある書き手の言葉が読者に伝わるとはどういうことか。
    そういうことに関する論考が集まった本です。

  • 街場の読書論
    内田さん独特の書き口で読んできた(読んでいる)本の解説を加えている著書。時に著者の思い以上の何かを汲み取り、展開していく様はさすが内田先生、非常に読みやすく、頭がよくなった気になってしまう。頭がオーバドライブする感覚、一度味わってみたい。

    下記、備忘録のため章を記載。
    (何かしら記憶の糸口があると、思い出しやすいから)

    1章 文芸棚
    シャーロックホームズの溯及的推理
    ある出来事の前段を推理する力

    2章 人文棚
    平川克美

    3章 ウチダ棚

    4章 教育棚

    5章 著作権棚

    6章 文章とリテラシー

  • ときたま内田樹のブログを読む。この人のここ数年にばかすか出た本は、ブログコンピ本が多いので、読んでいると、あーこれ確かブログで読んだなーと思う。この本は、おもに「書物」や「書くこと」について内田が書いたものが編まれている。

    とくに5章の著作権棚におさめられている文章は、「『We』がこの頃ほんまに売れへんなー」ということと照らして、いろいろと考えることが多かった。たとえば「読書と書籍購入者」には、こんなことが書いてある。

    ▼ネット上で無料で読もうと、買って読もうと、どなたも「私の読者」である。本は買ったが、そのまま書架に投じて読まずにいる人は「私の本の購入者」ではあるが、「私の読者」ではない。私は「私の読者」に用があるのであって、「私の本の購入者」に用があるわけではない。
     著作権についての議論ではどうもそこのところが混乱しているような気がする。
     もの書く人間は「購入者」に用があるのか、「読者」に用があるのか。(p.312)

    そりゃもう「読者!」に用があるわけだが、『We』をつくる経費もなんとか賄いたいから「購入者」もそれなりにいてほしい。「『We』がこの頃ほんまに売れへんなー」という実感からすると、(今のまま続けるのはかなり厳しいなア…)と思い、「こちらからお金を払っても申し上げたいことがあるので、本を書いている」(p.311)という内田の心向きを読むと、(私は『We』を出すことで何がしたいんやろう?)と思う。

    『We』の一読者だった私が、ひょんなことから「乱読大魔王日記」を書くようになり(原稿料はずーっと現物支給だった)、校正を手伝ったりの時期を経て、『We』の編集部に入った。「読者」だった頃と、変わらないこともあるけれど、「つくる、編集する」側に入って、感覚が変わったところもやっぱりある。

    読者であった頃から、『We』の行商を手伝ったりもしていたが、つくって売る側になって、より一層(『We』がもうちょっと売れへんかなー)と考えるようになったことが、いいのかわるいのか…とも思う。読んでもらいたいという気持ちと、買ってもらいたいという気持ちと、ちょっと分けて考えたほうがいいんかな…と内田があれこれ書いてるのを読んで思った。

    「このメッセージは自分宛てだ」と感じられるかどうか、そこが大事なところやと内田は書いていて、『We』を「これは、私のための雑誌や」と思える人に届けられるかどうか(そして、いま届けられているか)、のようにも思った。

    「あとがき」にある贈与と存在の話がよかった。

    ▼贈与の本質は「これを受け取ってください」と差し出すことです。そのとき手渡される「これ」にはあまり意味がありません(そう思っている人が多いですけれど、違います)。
     そうではなくて、「はい、どうぞ」という贈与行為そのものが重要なのです。
     というのは、「はい、どうぞ」は「あなたはそこに存在する」という重大な認知的言明を含んでいるからです。
     贈与に対する「たしかに受け取りました」という返礼も同じです。それは「私に贈与したあなたはそこに存在する」という言明に他ならないからです。
     「あなたはそこに(受信者として)存在する」という言明に対して、「あなたはそこに(送信者として)存在する」という鏡像的な言明が返される。この相互認知、お互いに「あなたはそこに存在する」という言葉を贈り合うこと、それがすべての夾雑物を削ぎ落としたときの贈与の本質だと僕は思います。(p.412)

    present、存在そのものが贈りものだという、西村理佐さんのお話に通じるものがある(理佐さんのお話は、『We』181号に掲載)。

    (11/25了)

  • とにかく分かりやすい。するする読める。

  • ★★ブログをまとめた本。書き手の最優先課題は「どうすれば読み手がこのメッセージを『自分宛だ!』と思ってくれるか」に集約される。つまりリーダブル、文字通り「読解可能」な文章であること。なになに?メッセージが運搬しうる最も重要なメタ・メッセージは「宛先が存在する」こと?中身より宛先?続きは『クリエイティブ・ライティング 街場の文体論』現時点で未完成本で。。。

  • 三葛館一般 019||UC

    テーマとなる本についてのエッセイ。本について書かれていたり、挙げられてはいるもののあまり本にはふれていなかったりします。
    独特の語り口調で引き込まれます。

    和医大OPAC →http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=64240

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著者プロフィール

1950年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。神戸女学院大学を2011年3月に退官、同大学名誉教授。専門はフランス現代思想、武道論、教育論、映画論など。著書に、『街場の教育論』『増補版 街場の中国論』『街場の文体論』『街場の戦争論』『日本習合論』(以上、ミシマ社)、『私家版・ユダヤ文化論』『日本辺境論』など多数。現在、神戸市で武道と哲学のための学塾「凱風館」を主宰している。

「2023年 『日本宗教のクセ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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