- Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
- / ISBN・EAN: 9784778313531
感想・レビュー・書評
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小説でありながら、出版業界の裏側を痛快に描いたビジネス書として読めた作品。
牛河原の営業スタイルは、善悪を別にして、どの業界でも得るのもがあるだろう。上司や部下、お客である著者すべてに納得させるパワーを持っている。
出版業界の夢を喰い物にしている牛河原だが、最後に本を出版することの意味を示してくれたことで、本を嫌いにならなくてよかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
百田尚樹はほんとに器用な作家だと思う。この本もそれなりに、書きこなしている。しかも、面白い。
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夢を売る男、コイツ絶対ヤダ〜、と思ってたけど、読んでくうちに、ちょっといい奴だったりするとこもあって憎めなくなる。
でも、現実、身内にいたらやっぱりダメ。 -
すごく面白くてすいすい読めた。日本人は本を読まないけど、自己表現したくて本が書けると思っているということがなんかわかる。
私もエッセイぐらいだったら書けるかなって思った時期があった。
フリーターの話は無いだろうって思った。ここまではっきり決断力を持ってたらきちんと仕事が出来てそう。このモデルは百田さん自身のような気がする。 -
苦しい出版業界の裏事情と新たなビジネス。世界で一番自己表現したい民族である日本人。老若男女、様々な人たちが自分の本を出し、夢を買うために大金を積む。主人公の巧みなトークに乗せられて・・・
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2013「海賊とよばれた男」で本屋大賞を受賞した著者による、
面白自費出版物語の本です。
実際にあったような話のように書いている小説ですが、
これって、多少事実もあるんでしょうねえ。
事実、自分の知り合いにも、この手の話があった事は聞いています。
自費出版という世界が普通の人には、経験がないと思いますが、
本を読むことが好きな人は一度は自分の本を世の中に出して、
世間の皆に注目してもらいたいと思う心理をうまく表現した小説だと
感じた。
特に笑ったのは、著者自身のことを、主人公である、敏腕編集者の
牛河原に言わせたこの言葉が笑った。
昔有名だった作家は、自分の得意分野を書き続けることが多いと言った
あとに、
「かといって、元テレビ屋の百田何某みたいに、毎日、全然違うメニューを
出すような作家も問題だがな。前に食ったラーメンが美味かったから、
また来てみたらカレー屋になっているような店に顧客がつくはずもない。
しかも次に来てみれば、たこ焼き屋になってる始末だからな」
皆さんもご存知のように、著者は、毎回本を出すごとに、違う分野を
書き続けていて、毎回、違う本をだす理由がスゴイ。
自分が面白いと興味をもった物、人で決めるらしい。
そして、その分野の本を、100冊から200冊を読んで、書き込んでいる。
今回の本屋大賞の出光興産の会長の出版された本は、ほぼ読んで、
書いた内容なんだろうなあと想像すると、スゴイ作家ですよねえ。 -
こんなに業界の内幕を描いていいの?面白いけど実話みたいでちょっと怖い。百田何某の話と言って自分を皮肉っているのも面白い。日本人が自分を表現したい欲望が強いと言うのはホントかも知れない。ブクログも自分を表現する場も兼ねてるしね。百田さんはいろんなジャンルの話を書くけどエンタメ感は抜群だし読者を喜ばせてやろう、と言う意識はいつも感じます。最初から最後まで自虐ネタみたいな話だけど最後の5頁で泣きました。泣かせ方上手いねぇ~。
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banditさん、読みましたか読みましたか。とっても面白かったですよねえ。この作品!!
ここまで小説を書く人をけちょんけちょんにけなしながら...banditさん、読みましたか読みましたか。とっても面白かったですよねえ。この作品!!
ここまで小説を書く人をけちょんけちょんにけなしながら、最後に「とっくに読んでいる。いい作品だった」とオトす牛河原さんに泣けましたよね。
私は、大阪でも田んぼがたくさんあるど田舎に住んでいて、そして、刊行1ヶ月前くらいにうりゃーって予約するので、比較的アイドルな本が手に入りやすいんだと思います。まさに、ブログ「本!本!本!」を書いていた人と同じやり口です(笑)2013/06/24
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出版業界の裏側がわかる面白い作品。
一番おもしろかったのは、本人が書いている
「かといって、元テレビ屋の百田何某みたいに、毎日、全然違うメニューを出すような作家も問題だがな。前に食ったラーメンが美味かったから、また来てみたらカレー屋になっているような店に顧客がつくはずもなく、しかも次に来てみればたこ焼き屋になってるしまつだからな」という一文。 -
書籍出版業界の凋落裏話・自虐ネタ満載の一冊。この本を出した出版社もさすがに伝統ある大手ではないようで・・・(苦笑)。 確かに今の出版業界の苦境は容易に乗り越えられそうには思えない。自虐ネタにもなってる元テレビ屋の作家自身が相当危機感を持って繰り出した必殺パンチがこの小説か?
図書館の新入荷書籍のリストを見ても、特に「小説」カテゴリーは「ナニコレ?」系が多いとは常々思うところ。無名の著者の書いた、あらすじだけでホントつまんなさそうな本(あくまで主観です)を、どうして公立図書館がこんなに沢山買うのかって素朴に疑問。本出すのは勝手なんだけれども、出す前から紙の無駄となる顚末がほぼ読めてるものをあえて出版する出版社には何か裏がある、と思わざるをえない。そういう点ではコスト負担を著者と分かち合い、更に幾らかマージンを受取る仕組みはリアルに業界再生の方向性を示しているかも。ただし、売れるかどうかは千三つ以下だって言わなきゃダメだけどね。