複製された男 (ポルトガル文学叢書 17)

  • 彩流社
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  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784779118340

作品紹介・あらすじ

彼がオリジナルで、自分が複製された男なのか!
孤独な現代人の苦悩とアイデンティティの危機をミステリー仕立てで描いた
ポルトガルのノーベル賞作家サラマーゴの傑作。
アメリカで映画化!
世界23カ国で翻訳!
「本書のストーリーは、通信技術がどんなに発達しても、個人間のコミュニケーションの問題は解決しないということを示しているように思われる。ネット社会といわれる現代において、人々の孤独はむしろ深まっているのである。執拗に繰り返されるテルトゥリアーノ・マッシモ・アフォンソという主人公の古めかしい名前は、人々のつながりが失われ、個人の匿名化が進んだ現代社会で、あたかもその存在を強固に主張しているようだ。」(本書「訳者解説」より)

感想・レビュー・書評

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  • 映画版が好きで何年も繰り返し観てるんだけど、何度観てもやっぱりわからないところがあるので、原作ってあるのかな〜と探して読んでみた。
    1ページに改行なしでみっちり並んでる文字にはじめは戸惑ったけれど、やっぱり面白い!
    そして映画版よりわかりやすい。
    何か重要なことが起きたときも、くどくど説明せずに一言で済ますので、人の死もあっさり伝えられるところが独特で好き。

  • 【由来】
    ・チョムスキー 戦争のからくり P201

    【期待したもの】

    ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。

    【要約】


    【ノート】


    【目次】

  • 映画の原作を読んでみるシリーズ。
    とにかく文章がカチカチして読みづらく、悪訳なのかと思ったが後書きによると原作が難解なのだというからそのテイストを反映させた結果か。途中で放り出そうと思ったが、後半そっくりさん(ドッペルゲンガーか)との対面後はひきこまれて読み進めたのだから、さすがノーベル賞作家というべきか。それでも映画がなければそもそも先に進まなかっただろうけれど。しかも前半は俳優が誰かを手間暇かけて探し当てるシーンなのだよね、ググれと(笑。
    比べると映画は巧くできていたという感想。忠実な映画化なのだが、男のパートナー達の設定を変えたため立ち位置が面白いし、交通事故や入れ替わりという事象は同じなのに意味が全然違っているのはユニーク(小説版のラストを支持するがこれはこれでありと言う意味)。しかし(映画の)蜘蛛のイメージはいらなかった。

  • 法学部4年

  • とにかく読みづらいのです、印刷のせいもあるのですが、文字間も行間も詰まってるうえに、改行なし、セリフも情景描写も構わずベタ打ち状態なので、シーンの切れ目も掴みづらく飛ばし読みも難しい状態です。
    映画を見ているので大筋は分かっているのですが…

  • 改行がほとんどなく、固い印象の文体で、登場人物も少ないまま物語が進む。
    飛ばし読み。結局どういう話なのかなーとは思いながら、最後までじっくり読む気持ちになれなかったし、ラストの方は一体何やってるの?でした。
    映画化ということで手にしたけれど、私は映画観てからの方が楽しめたのかも

  • 半分まで読めればあとはサクサク。
    こわかった。

  • 自分が自分であることと、それを証明する言葉のあやにはどれほどの意味があるのだろう。ましてや、自分と「全く」同じ外見の人間と出会ってしまった時、人はどうすれば自分であることを証明できるのだろうか。言葉の難しさ、自分が自分であることの危うさを、サラマーゴ特有のアイロニーの中で描いた小説。退屈せずに最後の章まで読み切ることを強くお勧めする。

  • 独自の文体らしいけど、改行が少ない、というかほとんど無い状態。

  • サラマーゴは自分のことを
    「本質的にエッセイストだが、エッセイの書き方がわからないから小説を書いている」と、言っていたそうだ。
    『白の闇』は天性のストーリーテラーとして、ドラマティックな展開に目が離せなかったが、『複製された男』は『あらゆる名前』がそうであるように、哲学的な考察がところどころに散りばめられている。
    その反面として、前半は盛り上がりに欠けて、少々退屈だった。
    が、後半、瓜二つの男たちが出会ってから一気に読んだ。
    細部までまったく自分と同じ肉体をもつ、もう一人の人間・・・。
    自分の唯一性を奪うような他人はやはり『敵』なのでしょうか?

    最後のシーンの決然とした主人公が印象的だった。
    家族や友人、身の回りの社会を守ってこそ、アイデンティティは保たれる、彼の決意にそんなことを感じました。
    何度も読み返したい作品。

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著者プロフィール

1922年、ポルトガルの小村アジニャガに生まれる。様々な職業を経てジャーナリストとなり50代半ばで作家に転身。『修道院回想録』(82)、『リカルド・レイスの死の年』(84)、『白の闇』(95)で高い評価を得て、98年にノーベル文学賞を受賞。ほかに『あらゆる名前』(97)、『複製された男』(2002)など。2010年没。

「2021年 『象の旅』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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