- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784779120275
感想・レビュー・書評
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歴史小説は苦手だが、外国人作家が書いたということもあるのか、読みやすかった。
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どうしても映画のキャラクターでイメージしてしまい、
且つ外国人が描いたということで、当時の印象より、かなり自立した人物像で、それが本当にそうなのか、自分の江戸イメージが遅れているのか、単に応為親子が特殊なのか、判断しかねるのですが。淡々と進んで行く雰囲気もよく、とても面白かったです。
吉原にも足繁くかよっていて、なんかにまり。さばけた性格や、父との関係が良い。
とはいえ、映画キャラクター後付になってしまい、申し訳なかったり。 -
天才浮世絵師北斎とそれを支えた絵師の娘、応為の物語。
江戸末期から開国にかけて、きっちり調べて書いた歴史小説であるとともに、一人の女性の内面を掘り下げたことで、私小説的な香りもする歴史小説である。
なぜか、涙が浮かんでくる場面がいくつかあった。哀しみのためというよりも、自然と情景が浮かび、人々の気持ちが流れこんできて、心を揺さぶられたようだ。
外国人である作者が応為を発見してくれたことに感謝する。 -
葛飾北斎の三女、女流絵師応為と北斎の生き様を描いた作品。カナダ人の女性作家の翻訳物だが、翻訳物であることをあまり意識させない秀作。原作を読んでいないのでなんとも言えないが、訳者のモーゲンスタン陽子さんの訳が素晴らしいのではと感じる作品。
北斎の影武者として晩年まで父を支えた娘、北斎作といわれる作品のいくつかは彼女の作品であるとの前提のもと、変人天才画家北斎と暮らしたお栄を主人公に、激動の幕末を力強く生きる女絵師を描いていた秀作の上下二巻物。 -
タイトル見て即読み。
応為が主人公の小説ってほとんどないから貴重な本だとおもいます。
ときどき時代考証に首をかしげるけど(笑)、面白さの方が勝ってる。
酒好きで口悪くて絵にうるさくてお父さん並に性格ねじ曲がってるお栄ちゃんがすごく生き生きしていとおしくて抱きしめたくなった…!
北斎との関係が複雑すぎて一言で表現できない。
北斎をふだんは「父」、客観的なときは「北斎」と呼び分けてて「北斎」はドライなんだけど「父」と言うときものすごく愛憎入り混じってて生々しい。
吉原の女性たちも、何も知らないお栄ちゃんの目を通すから全然いやらしくないし、吉原の意味を知ってからもお栄ちゃんが全然変な目で見てなくて、そこも好き。
志乃さんは美しい人。
お栄ちゃんが志乃さんと訪れた南禅寺に百日紅が植えてあってニヤリとしました( ̄ー ̄)
杉浦日向子さんのマンガも読もう~。