IDOL DANCE!!!: 歌って踊るカワイイ女の子がいる限り、世界は楽しい
- ポット出版 (2012年12月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (172ページ)
- / ISBN・EAN: 9784780801927
作品紹介・あらすじ
ぱすぽ☆やアップアップガールズ(仮)などの振付を手がける振付師・竹中夏海によるアイドルダンスの読み解き方。
丸々1冊「歌って踊るアイドル」の「踊る」に迫った、これまでにない書籍です。
アイドルダンスの特徴や独特の楽しみ方を振付師ならではの視点で分析するとともに、コンテンポラリーダンサー・梶原未由(珍しいキノコ舞踊団)、東京女子流ディレクター・佐竹義康&衣装担当・笠井奈津枝、玉井杏奈(ぱすぽ☆)への、ダンスをめぐるインタビューも収録しました。
表紙には講談社ミスiD(アイドル)2013グランプリのモデル・玉城ティナを起用しています。
感想・レビュー・書評
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いっぱいいて、どれが何やらもうわからないアイドルですが(笑)ダンスダンスレヴォリューションをちょっとやってみて「アイドルは馬鹿じゃできないねー」と痛感したのでした。歌って踊ってフォーメーションを変える。会場やメンバーが変わってもパフォーマンスの質を落とさない。そのためには毎日寝食を忘れて練習するのでしょう。
前半よりも後半の対談の方が面白く、事情がいろいろ分かります。
ふりコピは体育祭や学園祭の出し物としての需要も高いのでしょうね。総じて若者は「イベント」を重要視しているようですが、それはいつからでなぜなのか社会学の研究対象になるんでないかい?と思いついてしまった。某テーマパークの開業がやはり大きいかな。
表紙の写真はモデルの女の子でアイドルではないようですがウサギの着ぐるみの中身は著者だそうです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アイドルダンスをダンスのジャンルとして、歌詞とリンクする振り付けや、振りコピ文化や衣装など、このジャンル独自の面白さを振付師目線で伝える本。特に振りコピで沢山の人が踊ってくれるのが嬉しいという振付師目線の話はなるほどでした。
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アイドル振付師であり、自身ドルヲタでもある著者が、専門家からも一般のファンからも軽く見られがちなアイドルダンスというジャンルに光を当てた野心作。竹中夏海という人は本当に面白い人で、僕はこういう人が大好き。
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「同じ作品を二度みるなんて時間のムダありえない!」と常々思っていたが、気付いたらラブライブのライブディスクをもう20回以上は観ていた。それ以前はせいぜいPerfumeのダンスをなるほどなるほどと眺める程度だった自分が、どうして演者の振付から表情、立ち位置、動線、コンビネーション、フォーメーションの遷移まで追うようになってしまったのか。他の人は何に惹かれて観ているのかということで読んでみた一冊。
だが本書はアイドルダンス解説本、とするにはだいぶ個人的。歌詞とのリンク、振りコピ、フォーメーション移動など、解説らしき部分もないわけではないが、大部分は筆者が振付してきたグループのダンスの解説と関係者へのインタビュー。そのグループのファンであれば十二分に楽しめるとは思うが、それならば無理して一般化せず、そのグループのファン本として出してくれれば僕の目に留まることもなかっただろうに…。
文筆家以外の職業人が出す本の良し悪しというものは、個人の経験である特殊事情をどこまで一般化して書けるのかというところにかかってるんじゃないかと改めて認識した次第。 -
この本は、振り付けの仕方に的を絞っている。本書はYouTubeを見ながら読むとより理解が深まります。
提供側からの視点で書かれているところは新しいと思うが、もう少し顧客視点で分析がしてあればもっと面白くなったと思う。
アイドルの表情、しぐさ等で男どもが何故惹き付けられてしまうのかに踏み込んで、しかもそれを振り付けに活かしているというような裏話を期待していた。アイドル全般に渡ってこのような分析をするのは、もっと大きなお友達でないと無理なのかな。 -
ダンスから見るアイドル!おもしろかった!
著者は日女体卒でPASSPO☆やアップアップガールズ(仮)の振付をしている人です。中学の時から振付をしていたというから、根っからの振付師ですね。
アイドル・ダンスの特徴や、衣装や小道具、フォーメーション等々、歌唱には全く触れず、それ以外のパフォーマンスすべてを熱く語っています。
特に東京女子流のプロデューサーと衣装担当との鼎談が面白かった。
オーディションで選んだ子をもとにグループを作るのではなく、グループのコンセプトが先にあって、ポジションごとに予め設定したキャラに合う子を集めるなんて、なんと戦略的。
他にもBerryz工房やPerfumeなどのパフォーマンスが取り上げられています。
それにしても、Perfumeってプロから見ても、完成度が高いんだねぇ。 -
85点
ダンスやアイドル論、今のアイドルのあり方などが、
深いアイドルへの愛をもって語られる良書。
まぁそこまで深い話はないのだが、それでも本当にアイドルのことが好きなことが伝わるので、好感が持てる。 -
振り付けからみるアイドル。
発見があるかわいさって大事かもね。 -
ずっと積ん読になってて、やっと読みました。ぱすぽなどの振り付けを担当する竹中夏海さんが、アイドルとダンスや自分のキャリアについて語った本。
アイドルという現象の中の人の話として語られていて、最後にはアイドル自身へのインタビューなど本当にアイドルとアイドルダンスを知れる一冊だと思いました。 -
体育大卒で振付師として活躍する筆者が
アイドルの踊るダンスをダンサー・振付師視点で考察する、
ユニークな一冊です。
もともと振付師が演者につけた振り付けを
ファンたちもコピーして踊る「振りコピ」文化が
アイドルとそれを応援するファンたち、
ひいてはダンスそのものとの距離さえも近づけて
そこに喜びを感じるという、図式が面白い。
もともと自分で踊るとそのダンスを客席で見られないため、
ひとに振り付けしたダンスを見ているほうが好き、と語る彼女。
珍しいキノコ舞踏団で活躍する同輩や、
自ら振り付けを担当するアイドルたちの
プロデューサーや衣装さんとの対談も見ものなので
アイドルファンだけでなく、ダンスに興味のある方も
けっこう楽しめる読み物ではないかなーと思います。 -
すごく読みやすくて最後まで一気に。
アイドルのダンスをこんなに構造的に捉えたことがなかったので、とても勉強になった。 -
アイドルグループのダンスには独特の世界がある。歌詞にひもづいていること、振りコピ(振付のコピー)をすることがその特長だと。実際にアイドルの振付師が、どのように考えながら振付を決めていくか。アイドル産業は、この10年の取り巻く環境の変化により、ビジネスモデルが変化しており、それに合わせるカタチで、AKBなどの触れるアイドルグループが出現している。その中で、どのような振付、衣装を含めてアイドルグループのアイデンティティを確立していくのか、それを考えるヒントになり、おもしろい。
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第一章で「振りコピ」カルチャー(見るのではなくマネする)を中心にしたダンス論を展開していて、ここは面白いが…中盤以降はダンスを論じるのではなく漠然としたアイドル論になっていってしまう。残念。
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浮かれた感じのタイトルとは裏腹に『アイドルとは何か?』と言う問い掛けに対して
『ダンス』『振り付け』を切り口に切り込んで行く『アイドル哲学の書』。
『アイドル』とは『アイドルらしさ』を演じる事では無く
自己の魅力を客観視し、自己の内面を自らの肉体を媒介として
『さらに良く伝える』事に務める表現者の事である。
筆者は『アイドル』とは『人気者になる事である』と言う現在の
芸能界における『アイドル』のあり方を一言で言い表しているが
それは宇多丸師匠の言う所の打者に対する『ホームランを打て』
という指示に比類するような
過酷な『アイドル道』への研鑽を少女達に課しているのであり
それに耐えうるには自らが『楽しむ』事でしか抗えない。
『アイドル』とは『仕事』として割り切れるほど甘い『職業』では無いのだ。 -
アイドルのダンスがグループアイドルのキャラクター性や衣装との組み合わせを考慮しているのは当然として、(歌のカラオケに当たる)振りコピにまで考えを及ぼしながら作られているとは知らなかった。
残念ながら著者当人の想いが十分に文章に落とし込まれているとは言えないが、それでもアイドル達を輝かせ、そしてファンまで踊らせることが可能なアイドルの振り付けに対する著者の情熱は強く伝わってくる。
加えて著者のアイドルを愛している様子が文章からにじみ出ていて、その点でも好感を持てるし、読んでいて非常に安心できるし微笑ましく思えた。
文章が今ひとつな分、対談はいい感じで、東京女子流のディレクターと衣装担当者との対談や、コンテンポラリーダンスをやっている著者の友人との対談も非常に興味深く読めた。
特に後者のそのダンスを一度しか観ないコンテンポラリーダンスの観客と、同じダンスを何十回も観るアイドルファンに対するダンスの設計の違いや、アイドルのキャラクター性の発露の仕方などの話は、ダンスやアイドルだけに限らず、広くエンターテインメントについての参考になる話で、とても楽しめた。
それにしても文中で何度もPerfumeについて触れられていて、彼女たちのアイドルダンスの完成度の高さを思い知らされたのだった。 -
そうなんです。歌って踊るかわいい女の子がいれば、世界は幸せなんです。
アイドルのスキャンダルだったり、生活が辛くてぎりぎりでやってて、とかアイドル向いてない、とかアイドル本人には色々な悩みがあると思うけど、そういう子たちに自分を作らないで、楽しんでっていう著者のエールが詰まってて感動します。