凍える帝国: 八甲田山雪中行軍遭難事件の民俗誌 (越境する近代 9)

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  • 青弓社
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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784787220387

作品紹介・あらすじ

日露戦争開戦前夜に青森県・八甲田山で起こった雪中行軍遭難事件の衝撃は驚愕と悲嘆、好奇のまなざしと美談をも生み出した。死者はどのように慰霊・顕彰され、記憶はどう編纂されたのか。新聞報道や公文書、聞き取り調査などから大日本帝国の形成期を問い直す。

感想・レビュー・書評

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  •  1902年の八甲田山雪中行軍遭難事件と日本社会の関係を多角的なアプローチから迫っている。事件を引き起こした軍の責任が美談によって糊塗されていく過程、各種メディアによる事件の伝え方の変容、死者の慰霊と顕彰の実相などを的確に明らかにしている。特に事件の死者が実は靖国神社に合祀されていないにもかかわらず、長らく合祀されたと信じられている問題の検証と考察は圧巻である。

  • 『八甲田山遭難事件』を、地元・国・軍隊・報道は如何に伝え受け止めたか。
    死者の扱いはどうなったのか。
    靖国に祀られていないにも関わらず、そのように語られていた背景は何か。
    衝撃の事件がその後の大日本帝国を決定するものであったことは改めて驚きである。

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著者プロフィール

1975年、新潟県生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了、博士(文学)。専攻は民俗学。著書に『凍える帝国』(青弓社)、共著に『都市の暮らしの民俗学2 都市の光と闇』(吉川弘文館)、『戦死者のゆくえ』(青弓社)、『日本文化の人類学/異文化の民俗学』(法蔵館)など。

「2013年 『渋沢敬三と今和次郎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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