- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784788510715
作品紹介・あらすじ
迷い、決断し、修正しながら手探りで進めていく質的研究のプロセスを追体験しつつエッセンスが理解できる、原理的にして実戦的な超入門。
感想・レビュー・書評
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質的研究手法を紹介。「ライブ講義」とあるように、本文は著者(教員)と学生の対話で成り立っているのが最大の特徴。初めの方の基礎的な概念説明では、この対話形式がすごくまどろっこしい。ここはごく普通の文章でよかったんじゃなかったんじゃないか。
一方、具体的なインタビュー→分析→理論構築というところになると、対話形式がすごく活きてくる。実際の研究で悩ましいと感じることが学生の愚痴を通じて語られ、それに対して著者が答えるという形になるので、研究の勘所や力加減みたいなソフトな部分が実感をもって理解できる。アドバンス編もあるようなので、機会を見つけて読んでみようか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
質的研究法を学ぶ学生の皆さんには、まず読んでもらいたい図書です。質的研究法と言っても方法は様々ありますが、研究の着想から論文の書き方、学会発表対策までの一連の流れをここまで丁寧に書いている書籍は他にないと言っても過言ではありません。
普通、教科書や専門書というのはなんとなく敷居が高くて、『よし、読むぞ!』と気合を入れないとなかなか読み進めないし、難解な定義や言葉で頭が混乱したりするものです。しかしながら本書は、学生との対話形式で議論を進めており、平易に読み進めることができます。まずはこの本を読んで頭をほぐしてから、更に詳しく掘り下げたい場合は、他の専門書に進むことをお勧めします。
(2012ラーニング・アドバイザー/シス情 SATO)
▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら
http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1302585&lang=ja&charset=utf8
(シリーズの別の巻「研究発表から論文執筆、評価、新次元の研究法まで」もあります:http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1329320&lang=ja&charset=utf8) -
「その本には上下が逆の円錐が二つ書いてあって、量的研究は「広く浅く」だけど、質的研究は「深く狭く」なんだ、少ないけど深いんだと書いてあった。たしかにそういうところはあるとは思うんだけど、それが質的研究のメリットだというのは、何か違うなって思う。それは結局「量」を規準に語っていて、体積でいうと同じだよって言っているわけでしょう」(46)
著者の言う、オリジナリティ(素材)の創出というところに質的研究の一つの意義が確かにあるなと思う。質的研究は最近やっている人が多いという話を聞くけれども、同時に研究というと、どうしても実証的研究のほうを思い浮かべる人も多いわけで、そういうのを敬遠している人に対しても「研究って魅力的だよね」と言えるだけのポテンシャルを持っているなと感じた。
なにはともあれ、質的研究をやりたくなる一冊。 -
質的研究の勉強会にでる準備として、まず一冊読み終わりました。アドバンス編も楽しみです。
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「質的研究とは何か」を、会話形式でわかりやすく講義していくような説明スタイル。ただぼんやりと「どうなのかな?」と思っている疑問を学術的にするためのヒントが満載。
①質的研究の優れている点(p24)
どうしても定量的な研究には量や数値で劣ると思われがち。だが、定量研究はなんらかの前提の上で統計にかけるなどを行うが、定性研究はその前提自体を問い直すことを行う。「その環境の中で生きている内部者の視点を持つ。」定量的な研究では見えない、そこに質的研究の意義がある。
・ 定量…実態調査、事実確認、仮説検証
・ 定性…仮説生成
②リサーチクエスチョンの考え方(p56)
質的研究は人々の内的視点を重視することが1つの特徴であり、人々の内的側面、意味世界の様相やその変化を捉えるのに向いている。だから、対象者が○年後にその出来事をどのように位置づけ、どのような意味を見出しているのかはRQになる。これは事実の問題ではなく、その人が当事感じていた“どのように感じていたかの”実感であるため、当時の事実のズレは問題にされないのである。
③リサーチクエスチョンを学問の俎上に載せる(第6回 テキストから概念を作る)
ある事柄に対して、1年後にどう感じているか、それが肯定的なこともあれば、否定的なものもある。そこから、その人にとっての位置づけや意味が多様化していることを分類すれば、概念が作り出せる。話した内容ごとにタイトルをつけ、それを分類する中で、通説とは違う一面が見えてくるはずである。 -
修論書く前に読みたかった…。とも思うけれども、一度書いてからじゃないと、納得できなかったかもしれない。
アドバンス編も読もうっと。 -
ふんばろう東日本(#fumbaro)を立ち上げた西條剛央さんの大学院講義を再現した本。質的研究の考え方を演習形式で分かりやすく説く。学生の反応が半端なくいい。彼の驚異的な活動はこういう方法論を応用しているからか、と納得。
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西條剛央氏の書かれた、質的研究に関する授業をまとめた本。
学生さんを相手に、質的研究の導入から研究方法の指導、そしてデータのまとめ方などを講義している様子が述べられている。
自分も一人の学生になった気分で読ませていただいた。
西條氏は、グラウンデッド・セオリー・アプローチ(GTA)を改良した方法を提案されていて、そのことにも述べられている。
さらに発展しているという「アドバンス編」がとても楽しみである。 -
すげーわかりやすかったです。
リサーチのやり方が、着想からモデル構築、発表や論文の具体的な書き方に至るまでこれ一冊でカバー出来ます。
卒論レベルだったらベーシック編のみで行けそう。