ファウジ-ヤの叫び (上)

  • ソニ-・ミュ-ジックソリュ-ションズ
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  • Amazon.co.jp ・本 (406ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784789713450

作品紹介・あらすじ

アフリカ西海岸、トーゴ共和国-幸せだった少女ファウジーヤの人生は、愛する父の死により一変した。"カキア"と呼ばれる部族の慣習から逃れ、ドイツに逃亡したファウジーヤは、亡命を望んで、単身アメリカに渡る。しかし、そこで彼女を待ち受けていたのは、悪夢のような監獄での生活だった。女性性器切除(FGM)を拒否して母国を捨てたファウジーヤは、異郷の地で幾多の迫害や苦痛を乗り越えて、自由を勝ち取るために闘っていく。波瀾に満ちたその体験を、自らの言葉で語った渾身のノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • 18歳のときにキャバクラの同僚に薦められて読んだ。衝撃のノンフィクションだった。
    女子割礼は、10歳にも満たない少女が、麻酔なし、なおかつ消毒もされていないガラスの破片などで、小陰唇やクリトリスなどを切除される。
    当然、事後処置も行き届いておらず、非常な苦痛を伴う。命の危険すらある。
    それが純潔の証で、花嫁に迎えられるための条件である。
    父母の意向で割礼を行わなかった主人公のファウジーヤは、父の死により、親戚によって割礼と婚礼を強要される。
    結婚式の日、花嫁衣装のまま、決死の思いでアメリカに亡命するファウジーヤ。
    しかしそこでも入管管理局による地獄の日々が待ち受けているのだった。
    当時18かそこらの小娘であったわたしには、本当にショッキングな内容だった。
    女性の人権云々の活動をする気はないが、「伝統だから」で済まされないラインの虐待・虐殺には賛成したくない。
    多くの人にこの本が知られますように。

  • 読み進むにつれ心が痛くなる。これが現実の話なのか。これが最近の話なのかと。割礼というその風習をなんとなくしか知らなかったが、現代まで生きている風習だとは思いもしなかった。あまりに自分のいる現実とはかけ離れているから。そしてその風習が間違いだと思うことなく子供が育てられていく環境がいまだにあるということ。そしてそこから逃れるためには命がけであるということ。なにも予備知識無くてもいい。まずはこの本を手に取り、こういう世界がまだあるのだと、それを知ってほしい。

  • 最初に。
    このお話は実話-ノンフィクションです。
    トーゴ共和国に今だに残る女性器を切除するという残酷な風習(この本では「カキア」と呼ばれている)から逃れるため、ドイツに亡命、その後、アメリカの入国審査に引っかかり監獄に入る事を余儀なくされた女性の話です。

    この物語の当事者であり、作者のファウジーヤさんの事はテレビで知りました。
    麻酔も行われず、不潔きわまりない環境で女性器を切除する儀式。
    消毒もしてないナイフなどで。
    女性はその後、出血多量や破傷風で死んでしまう人も多い。
    そのカキアという風習を知った時、今だにそんな事が行われている国があるとは・・・と思うのと同時に、そんな事が行われるのはよほどの未開地-裸同然の格好で自給自足似た暮らしをしている民族の話だろうと勝手に想像していました。
    しかし、この本を読んで自分の想像が全くの見当違いだったと分かりました。

    ファウジーヤさんの家は国ではかなり裕福な家で、私たちとほぼ同じような文化的な暮らしをしている。
    テレビもある、シャワーもある、車もあるという環境で、教育もきちんと受けている。
    ファウジーヤさんは自国語だけでなく英語も喋れるし、彼女の姉妹の中には何ヶ国語も喋れる人もいる。
    父親は働き者で教養深い人格者。
    母親は愛情深いひと。
    そんな家庭環境で、文化的に幸せに暮らしていたファウジーヤさん。
    所が、父親が亡くなり生活は一変。
    財産のほとんどを伯父夫婦が引き継ぎ、母親は家を追い出され、彼女は愛してもない父親ほど歳の違う男性と無理やり結婚されそうになる。
    しかもカキアを受ける事も強要される。
    それで彼女は母親と姉の助けを得て、国外に逃亡します。

    いくら文化的な暮らしをしていたとは言え、海外旅行など誰もができる国でなし。
    そんな所から言葉も通じない国にたった一人で逃亡するなど、どれだけ心細かっただろう。
    だけど世界中のこの風習を知らない人たちに、今もまだこんな残酷な事がまかりとおっているという事を知らしめた彼女の存在は非常に貴重だと思う。
    言いなりになるしか術のない女性たちがほとんどの中、彼女のような教養のある人が奇跡的にこういった本を出したという意義は非常に大きい。
    これを読んで、彼女の過酷な運命はそういう使命を果たすため用意されたものではないかと思いました。

  • 三葛館一般 289.3||KA

    本書を読んで初めて知った「カキア」という慣習。絶対的な男尊女卑。
    自由を手に入れるため、さまざまな苦難を乗り越えていく著者。
    同じ地球上で同じ時代に起こっている事とは思えない。
    こんな事実があることを知っておくのも大切だと思います。

    和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=29706

  • 幸せな少女時代だったのに。先進的な父の死で、ファウジーヤの世界は一変する。

  • アフリカ西海岸、トーゴ共和国—
    幸せだった少女ファウジーヤの人生は、
    愛する父の死によって一変した。
    “カキア”と呼ばれる部族の秘儀から逃れた彼女は、
    亡命を望んで、単身アメリカに渡る。
    しかし、そこで彼女を待ち受けていたのは、
    悪夢のような監獄での生活だった。
    女性性器切除を拒否して母国を捨てたファウジーヤは、
    異国の地で幾多の迫害や苦痛を乗り越えて、
    自由を勝ち取るために闘っていく。
    波乱に満ちたその体験を、
    自らの言葉で語った渾身のノンフィクション。

  • 信じがたい世界でした。あんまりにも自分たちの世界とかけ離れているため、感情移入も難しかったです。最後まで悪く言えば『他人事』のように読んでしまいました。これを読むには自分はまだ精神的に幼すぎたと思います。

  • 読んだ。そして驚いた。

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