妖香 (ヴィレッジブックス)

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制作 : John Saul  野村 芳夫 
  • ソニーマガジンズ (2002年3月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784789718363

妖香 (ヴィレッジブックス)の感想・レビュー・書評

  • ジョーン・ハプグッドは地元の名士ビルに嫁ぎ、息子マットと3人で穏やかな毎日を過ごしていた。ビルはマットの実の父親ではなかったが、マットを我が子同然に愛し、全てがうまく行っていた。しかし、痴呆の進んだ母エミリーを引き取ってから生活は一変する。死んだジョーンの姉シンシアが帰ってくると繰り返し、ジョーンにあらん限りの罵倒を投げつけるエミリー。それにも黙って母の世話を続けるジョーン。ビルとジョーンはエミリーの扱いを巡って別居状態となり、3人の幸せな日々は終わりを告げた。屋敷の中には妖艶なジャコウの香りが漂い、誰も居ないのに人の気配がある。その最中、狩猟中にマットは気を失う。目を覚ました彼を待っていたのは、額を撃ち抜かれた継父ビルの無残な屍体だった……。

    邦訳での前作「魔性の殺意」以来7年ぶりの新作だったが、やっぱりソール節「全開」である。田舎町、血のつながらない親子、仲の悪い(上が下を苛める)姉妹関係、児童虐待、歪んだ母と娘の関係、多重人格……ソール作品ではおなじみのガジェットがこれでもかと出てくるのだ。そうなるとプロットもカラクリも、結末までも半ば見えてしまいそうなのだが、それでもなお、過去の亡霊と得られなかった愛情によって精神を蝕まれていくジョーンの姿は、悲しくかつ恐ろしい。

    巻末の解説にある「よぶんなこだわりをかなぐり捨て、彼ならではの持ち味を絞り込んだ、いわば開き直った作品」とは、この作品の特色を言い当てているように思う。

  • 幽霊物なのか、人間の狂気を描いたものなのか、ちょっと微妙なところ。私としては「狂気」の方を取りたいけれど、「狂気」といえば呆けて娘や孫を虐待する老婆だけで充分。幽霊物として読んでもまったく遜色なし。
    トラウマだの児童虐待がやっぱり盛り込まれてるのはこれぞジョン・ソール。だけど後味があんまり悪くなかったのはちょっと意外。それでも「この子は死んじゃったら可哀想だよね」って子が死ぬ(しかも無惨に)ところは相変わらず。

  •  ホラーサスペンスの金太郎飴、ジョン・ソールの新刊。ソールはどれ読んでも面白いんだけど、ここんとこちょっと方向転換しようとしてたみたいな作風が続いてた。が、これは「恐怖の金太郎飴」といわれたソールらしい原点にかえったような作品。いや、原点ていうより無駄なものをそぎ落として、更に研ぎ澄まされたような感じになっている。
     だもんで、怖い。結局、一番の恐怖は抑圧された人間の精神ってことなんだろうけど、それにしてもねぇ。
     にしても、こーーーんなに面白いソールなのに、どうしていまいちメジャーにならないんだろうね。

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