現代思想2011年2月号 うつ病新論 双極II型のメタサイコロジー

  • 青土社
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791712229

感想・レビュー・書評

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  • 登録番号:10

  • 意識による目意的連関から自由になるために、人は基本的に芸術や前言語的コミュニケーションに意識的に訴えることができる。しかし、罪の意識、救済という目的連関にとらわれている人は意識的な無意識への委ねが困難な状態にあると考えられている。

    ビジネスマンの感情管理がうまくいかないというリスクは経営者側から見れば会社にとってもリスクであり、コストである。経営者側にとって従業員のメンタルヘルスケアとはリスクマネジメントであり、経営コストの抑制を意味する。

  • 「現代思想」の特集「うつ病新論」  -2011.06.13記

    記憶では70年代後半から80年代にかけてほぼ毎号のように購読していた青土社の月刊誌「現代思想」、30年ぶりくらいになるか、特集「うつ病新論」の2月号を取り寄せ、このほど通読、雑誌をほぼ隅から隅まで読み切るなどとんと久しいことだけれど、私にとってはそうさせるだけの内容であった。

    以下、参考になった論考を目次順に列挙しておく-
    ・立石真也「社会派の行き先-4」連載
    ・特集対談討議-内海健/大澤真幸「うつ病と現在性-<第三者の審級>なき主体化の行方」
    ・鈴木國文「<うつ>の味-精神科医療と噛みしめがいの薄れた<憂うつ>について」
    ・津田均「<うつ病>と<うつの時代>」
    ・熊木徹夫「<らしさ>の覚知-診断強迫の超克」
    ・村上靖彦「固有名とその病理」
    ・小泉義之「静かな生活-新しいことは起こらないこともありうる-アレント」
    ・粥川準二「バイオ化する社会-うつ病とその治療を例として」
    ・柳澤田実「ノンコミュニケーション-生の流れを妨げない思考のために」
    ・美馬達哉「ホモ・ニューロエコノミクスの憂うつ」

  • 双極Ⅱ型のことなんかほとんど出てこないぞw基本的にうつ病をめぐる思想状況の特集であって、双極Ⅱ型に着目した内海健がいかに貴重な存在であるかを再確認させられた。ただし、うつ病が明らかに変化したという一致した了解はきわめて興味深い。それは社会学的にもそうだろうし、思想的にも、もちろん精神医学的にも対応しなければならない事態である。そういった現況のひとつとして双極Ⅱ型が存在するという意味でなら、本書の特集は納得しうる。

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著者プロフィール

東京藝術大学名誉教授。精神科医。1955年東京都生まれ。1979年東京大学医学部卒業。東大分院神経科、帝京大学精神神経科学教室、東京藝術大学保健管理センターを経て現職。

「2023年 『発達障害の精神病理 IV-ADHD編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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