- Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
- / ISBN・EAN: 9784791762798
作品紹介・あらすじ
過剰労働、ニート、少子高齢化社会、安楽死、私的所有、愛国心…さまざまな局面で、国家や組織を駆り立て、私たちを容赦なく追い込む近年の社会状況。はたしてそこにはどれだけの閉塞的前提があるのだろうか?現象と要因そして先入観を丹念に解きほぐし、一人ひとりがより生きやすい社会に向けて構想する、たゆまぬ思考の軌跡。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
著者がさまざまな機会に発表した短い文章をまとめた本です。
これまで著者が取り組んできたテーマである「所有」はもちろん、広く政治や社会、そしてわれわれの働きかたや生きかたなど、あつかわれているテーマはさまざまですが、ていねいに考えを進めていく著者の姿勢がよく現われています。
みずからの立っている場所について思索を紡いでいくなかで、われわれはこの現実の複雑さに直面することになるのですが、そうした思索の道を著者の議論の展開にしたがいながらじっさいにあゆんでみることで、この社会のなにが変えられるべきであり、なにが保たれるべきなのかということが明瞭になってくるように感じました。
この社会のあるべきかたちについて、かならずしもわかりやすい処方箋が提示されているわけではないのですが、著者の真摯に思索する姿が浮かんでくるような内容で、興味深く読むことができました。 -
オフィス樋口Booksの記事と重複しています。アドレスはhttp://books-officehiguchi.com/archives/3860048.htmlです。
タイトルの本の著者である立岩先生は私が以前所属していた大学院の先生で、大学院に所属していた時のことを思い出しながら読んだ。私の関心のある分野とは異なるために、著者の研究に対するコメントを書くことはできなかった。今後の研究の方針として、私の研究と関連のある部分と立岩先生の著書との関連性を見つけ出したい。 -
興味のあるところは面白い。労働とか、自己責任とか、生きるということとか。確かにこのひとは頭がいい。
-
持つことと手放すことの間にある権利だとか自由だとか。
-
『自由の平等』から読んでおけばよかった(笑)。でも、短い論稿で、相変わらずの立岩流文体だけれど、読み易い(というより、ストレスが少ない(?))点は嬉しい。基本的に「言いたいこと」は同型。個人的には、?章「争うこと・考えること」は、考えさせられる点が多かった。「社会的――言葉の誤用について」など、痛い…。ひとつの論考が短めなので、入門編としていいかも(←自信なし)。