造反有理 精神医療現代史へ

著者 :
  • 青土社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (434ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791767441

作品紹介・あらすじ

1960年代、精神医療批判の運動があった。それは当時の社会変革運動の流れに深く関わりながら、従来の制度や治療法への激烈な造反として噴出した。ロボトミー手術、電気ショック療法、薬物療法などへの糾弾から、開放病棟の試み、および地域医療の実践も展開された。関係者の証言、膨大な文献資料を掘り起こし、いまだ正解の見えない精神医療と社会の関係に鋭いメスを入れる、圧巻の現代史。

感想・レビュー・書評

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  • かつて日本の精神医療および学会において論争があり、抗争があった。それは反精神医学と呼ばれるような「過激な」思想や、精神科医療の現場における悲惨な環境改善を求める問題提起だった。これらについてまとめた本、だと話はわかりやすいのだが、立岩真也の文章はそのような簡単なものにはならない。

    読み通したところでよく分からないところが多く(書いた本人もよく分かっていない模様)、体系立った知識が得られたとは言い難いが、一方でこの人が一体どのような思考法をして、また何故このような不可思議な文体を採用してるのかについては少し分かった。

    極めて回りくどい表現を使う意図は「物事を整理した上で、断定する」という行為を周到に避けているから。様々な要素を捨象することで厳密にデータ化したり、世の物事をスパッと切り取る概念を生み出す代わりに、様々な夾雑物に塗れた世界の中で可能な限り誠実に物を書こうとした結果とも言える。

  • 詳しいだけに予備知識がないと辛い。

  • 最初に,同作者の「精神病院体制の終わり」を買って,パラパラと読んでいたら,この本が最初で,その後に調べたり書き足したりと続編を書いたとあったので,まずはこっちを先に読むこととする.

  • 8月新着

  • 人間的回復を期した闘争[評者]佐藤幹夫=ジャーナリスト 東京新聞
    http://www.tokyo-np.co.jp/article/book/shohyo/list/CK2014033002000176.html

    重い。。。

    青土社のPR
    「精神障害者に現代社会はどう向き合ってきたのか――。
    1960年代に、精神医学批判の運動があった。当時の学生運動の主張=大学解体とも関わりつつ、患者を社会に適応させようとする従来の医療のあり方に鋭い批判と糾弾を浴びせた。
    「造反派」と名指しされたその動向と、彼らに批判された側、両者の実態を膨大な文献から掘り起し、肉薄する。
    開放病棟、薬物療法や生活療法への問い、ロボトミー手術への批判などを具体的に検証し、鎌田實、中井久夫、神田橋條治らの錚々たる医療者たちの若き日の模索と成果と挫折とはいかなるものだったのか考察する。
    本書は、日本における精神医療批判史として、また今日の障害者のケア論につながるまさに注目作であり、著者の到達点である。 」
    arsvi.com:立命館大学グローバルCOEプログラム「生存学」創成拠点→生存学研究センター
    http://www.arsvi.com/index.htm

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著者プロフィール

立岩 真也(たていわ・しんや):1960年生まれ。立命館大学大学院先端総合学術研究科教授。社会学専攻。著書に『私的所有論 第2版』(生活書院)、『弱くある自由へ――自己決定・介護・生死の技術』『造反有理――精神医療現代史へ』『精神病院体制の終わり――認知症の時代に』(以上、青土社)、『介助の仕事――街で暮らす/を支える』(筑摩書房)、『自由の平等』(岩波書店)、『自閉症連続体の時代』(みすず書房)、『人間の条件――そんなものない』(新曜社)など。共著に『ベーシックインカム――分配する最小国家の可能性』『税を直す』『差異と平等――障害とケア/有償と無償』『相模原障害者殺傷事件――優生思想とヘイトクライム』(以上、青土社)、『生の技法――家と施設を出て暮らす障害者の社会学』(生活書院)ほか多数。

「2022年 『人命の特別を言わず/言う』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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