暴力の人類史 下

  • 青土社
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感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (700ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791768479

感想・レビュー・書評

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  • 大著である。何とか読み終わった。そして、読んで良かった。歴史を俯瞰するとはまさにこの事を言う。著者の類まれなる探究、深掘り、定量化、博識、洞察力、妥協しない精神、クリティカルシンキング力そしてユーモアが全編に渡って繰り広げられており、壮大なる山登りをした気分。
    要は、人間は進歩しており、まだまだ問題は山積ではあるものの、退化することはあり得ないと言うこと。基調にあるのはホモサピエンスに対する肯定感と期待。
    この著者に大いに関心を持った。

  • 暴力を減らしたもの、それは読書、共感、理性!

  • 上巻に同じ

  • タイトルを見ると、人類が地球上に現れてから現代に至るまでの戦争や紛争の歴史が累々と記載されているかのような印象を受ける。だが、内容は真逆である。
    まずは歴史面から。狩猟・採集時代から農耕時代、そして中央集権的な国家の出現、さらに17世紀~18世紀にかけてのヨーロッパ啓蒙主義の時代、そして第二次世界大戦以降から現代に至るまで、一貫して暴力が減少していることを様々なデータを提示して論証する。
    次に、人間の心理面から。話題は人間の攻撃性に目が向けられ、攻撃はいくつかの心理学的システムにより発動されることを明らかにする一方、人間は協調や利他的行動を取ることが本来的に備わっていることも明らかにする。
    最後に、これら2つの論証の結果から、人類が暴力を減少させてきた要因について論及する。
    そこから見えてくることは、我々は人類史の中でも稀有の暴力の少ない時代を享受しているということだ。確かに、日々のニュースでは紛争や暴力の話題が絶えない。データで示される直近の急激な暴力の減少幅も、長い人類の歴史のスパンから見れば外れ値と言えなくもないかもしれない。それでも、人類はこれからもより暴力の少ない社会に向かっていくこと(向かっていくための努力をしなくてはならないが)について確かな説得力を持って我々に語りかけてくれる。我々の子や孫の世代にも、希望を持てる、そのようなことを感じることのできる名著。

  • 下巻では、上巻で述べられた歴史的背景を引き続き考察し、実際どのような要因が影響して暴力が減少してきたのか探っていく。
    後書きより抜粋すると、暴力の減少は6つの動向(平和化のプロセス、文明化のプロセス、人道主義革命、長い平和、新しい平和、権利革命)があり、5つの内なる悪魔(捕食、支配優位性、報復復讐、サディズム、イデオロギー)のいずれかが、4つの善なる天使(共感、セルフコントロール、道徳、理性)のいずれかに負けた結果だと言う。
    膨大すぎて自分でまとめるのは困難…。とにかく読み切れた自分に拍手。

  • この本は、読書家でも知られらる、ビルゲイツが大絶賛した本です。
    著書の深い考察と論理的思考により「暴力は確実に減っている❕」という事実を証明してくれています。
    「私達はかつてないほど平和な時代をいきている!」というのは、よく考えるとめちゃくちゃ幸せなことだと思いました。
    めちゃくちゃいい本です。

    ぜひぜひ読んでみてください

  • 配置場所:1F電動書架A
    請求記号:209||P 66||2
    資料ID:W0180714

  • 開発目標16:平和と公正をすべての人に
    摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB99754193

  • 下巻の方は、人類がこのように時代を経るに従って暴力を遠ざけ平和になって来たかというメカニズムについて考察している。
    しかし長かった!

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著者プロフィール

スティーブン・ピンカー(Steven Pinker)
ハーバード大学心理学教授。スタンフォード大学とマサチューセッツ工科大学でも教鞭をとっている。認知科学者、実験心理学者として視覚認知、心理言語学、人間関係について研究している。進化心理学の第一人者。主著に『言語を生みだす本能』、『心の仕組み』、『人間の本性を考える』、『思考する言語』(以上NHKブックス)、『暴力の人類史』(青土社)、『人はどこまで合理的か』(草思社)などがある。その研究と教育の業績、ならびに著書により、数々の受賞歴がある。米タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」、フォーリンポリシー誌の「知識人トップ100人」、ヒューマニスト・オブ・ザ・イヤーにも選ばれた。米国科学アカデミー会員。

「2023年 『文庫 21世紀の啓蒙 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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