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- Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794205704
感想・レビュー・書評
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巻末の翻訳者解説にある,
「本当の恐ろしいのは,子に対する親のあからさまな迫害,虐待,冷遇などではなくて,愛情,思いやり,献身といった名の迫害なのである。あからさまな迫害の場合は,子どもとしても,親の迫害そのものはつらいものの,少なくともそれに対する不満と敵意は自由に表現でき,人格の統一性は保持できる。しかし,愛という名の迫害に遭った子どもは,迫害される苦しみは同じように味わわされていながら,その上に,その迫害を迫害と感じることを禁じられ,それに対する不満と敵意を抑圧することを強いられ,さらに,それを世奥圧したという事実をも抑圧することを強いられ,本当は感じているはずもない感謝と愛情を,しかも心から親にささげることを強いられる」という文章に集約される。
本書に書かれた,シュレーバー氏は,まさにそのような愛情による迫害を受けた被害者である。詳細をみるコメント0件をすべて表示