廃墟のなかのロシア

  • 草思社
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794210074

作品紹介・あらすじ

ソルジェニーツィンが見据えたソ連崩壊後のロシアの惨状。そして祖国再生への熱いメッセージ。

感想・レビュー・書評

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  • 遅まきながら読む。

    ソルジェニーツィンの、生まれ育った環境にて、既にこの時、ロシアとウクライナについて…

    一読に値する。


  • >ある社会がいかに不健全かは言論を司る文化人が民衆の不安や苦しみ、気持ちからいかに離れているかによって判断できる
    これがなくなるとひたすら極端な方向に走り出す

    >彼らによれば我が王朝はフリーメーソンとは何も関わりがなく、支配層には誤りはなかった。あらゆる事件の犯人はシオニズムでありユダヤ人と名指しされる

    >両陣営はいがみ合いを繰り返すばかりで困難な未来を十分に考慮した控えめではあっても真っ当な意見を述べることなどおよそできなかった。真の問題はそっちのけだった。燃え盛る両極の間には死の戦場が広がりどんなに魅力ある真面目な提案でもそこに持ち込む気持ちはとても起こらなかった

  • ノーベル文学賞受賞作家アルクサンドル・ソルジェニーツインが、現代ロシアの諸問題を語る。
    ソ連崩壊後、誕生した新生ロシアについて、政治・外交・教育と多方面にわたって政府の対応のまずさを批判し、様々な提言をしています。
    ロシアが領土を蚕食されたことについて憤慨していますが、その一方でロシアの未来については領土に固執する必要なしと、一見矛盾するような主張があります。
    しかしそれは、領土を失ったことより、その原因となった外交のまずさや軽率さを批判しただけなので、注意深く読まないと著者の真意を見落としてしまうかもしれませんw
    またこの中で、シベリアに中国人が流入し、植民地状態になっている現状にも触れられていますが、それを当然のことと受容しているのが興味深いです。
    全体を読み終えて感じるのは、やはり著者の祖国ロシアへの愛、そして同胞への希望ですね。
    著者はロシアの未来に決して失望しておらず、可能性を指摘して、ロシア人たちへの奮起を促しています。
    しかもそれは決して過激なナショナリズムではなく、平和を求める姿勢が前提となっているので、昨今のナショナリズムに燃える日中関係を見てきた我々には深く考えさせられるところがありますw

    ニン、トン♪

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