裏読み深読み国語辞書

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著者 : 石山茂利夫
  • 草思社 (2001年2月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794210371

裏読み深読み国語辞書の感想・レビュー・書評

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  • 国語辞典に過度の期待をしても叶えられない。なぜなら国語辞典の限界が、日本語表記の限界に連動するためだ。

  • 辞書というものは、まちがいがないものと思いこんでいた。この本を読むと、それがいかに盲信に近いものであったかがよく分かる。まさに目からうろこが落ちるとはこのことである。今ひとつは、辞書なんてものは、書かれている言葉こそ違え、大きな差はないものと思いこんでいたが、これも大まちがいだった。赤瀬川源平著『新解さんの謎』を読んで、ユニークな辞書もあるものだと驚いていたが、著者によれば、「『新明解国語辞典』は独特な語釈がよく話題にされるが、それを除けばまっとうな辞書である」ということになる。それに比べれば、辞書という時まっ先に思い浮かべる「広辞苑」は意外に足腰の定まらぬ感を受ける。ずっと通してきた表音式仮名遣いによる検索方式を、平成3年になって、現代仮名遣いに変えているのもその一つである。もっとも、広辞苑だけが、他の辞書と異なる検索方式だったというのは、この本を読むまで気がつかなかった。これ以外にも辞書は、その編者によってずいぶん異なる個性を持っている。どの辞書を選べばよいのかを知りたいという読者には、「あとがきに代えて」を先に読むことをお勧めする。著者の丁寧な解説は、辞書の持つ個性を明らかに示してくれている。いろいろ驚かされたが、もっとも驚いたのは、「異字同訓」についての指摘である。たとえば、「あたたかい」「あたためる」を、場合によってどう使い分けるかが例題に出されている。すらすら解けたつもりでいたら、「使い分け症候群」にかかっているのだと宣告されてしまった。実は、どこまでさかのぼってもはっきりした使い分けなどされていないのが本当のところで、事実ほとんどの辞書は「暖」と「温」を併記している。それでは、なぜ、はっきりした使い分けが出来たのかというと、官庁、地方公共団体、教科書会社、日本新聞協会だけが、常用漢字表のルールのもとになっている「『異字同訓』の漢字の用法」の中にある使い分けの実例にならって表記しているからだ。言い換えれば、われわれは伝統的な表記でもないものをこれらの団体による印刷媒体によって、いかにもそうであるかのように思わされてきたことになる。知っていると思うことこそ辞書を引いてみる必要があるのだと、あらためて思い知らされた。

  • レポートのネタに読んでみました。

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裏読み深読み国語辞書はこんな本です

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