- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794222800
感想・レビュー・書評
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人とチンパンジーは遺伝子的にはほとんど同じだが、明らかに異なる
この違いは何なのか?多様な視点から考察している本。
芸術、人種の色違い、薬物などをなぜ自分から摂るのか、など。
銃・病原菌・鉄などの内容も含まれていて読みやすい内容でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
6万年前地球に悪魔が誕生した
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人間とは何か?ということを様々な学問の観点から探究する内容で、しかもそれを専門性のない人が読めるように記されている点が素晴らしいと感じた。
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ジャレドの著作の中でも特に人間の自然生物学的分析に特化した本。言語の発達が人間を人間足らしめている、ということが納得感を持って描かれて新鮮だった。
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P.54 「とどのつまり、ネアンデルタール人には、人間にとってもっとも重要な資質である「革新性(イノベーション)」、すなわち新たなものを生み出す能力が備わっていなかったようである」
ハッとさせられる。技術こそが人類の生活を変えてきたものであり、新しい技術を生み出せなければ、私たちは滅んでしまったネアンデルタール人と同じだ(滅びゆくのだ)。
700万年前にチンパンジーと袂を分かった人類の祖先は、最終氷河期の6万年前に突如針、釣り針、臼と杵、返しのついたモリ、弓矢などのテクノロジーを持ったクロマニョン人に至る。
これらのテクノロジーのおかげで、オーストラリア、北ロシア、シベリアに進出。ヨーロッパで遠距離の交易も始まる。装飾品を用い、芸術と美のセンスを持ち合わせていた。楽器を奏で、音楽があった。
クロマニョン人はアフリカや中東からヨーロッパに侵入し、技術で劣るネアンデルタール人を絶滅にいたらしめた。
言葉がこの人類の大躍進を可能にした。咽頭の筋肉が可能にしたらしい。
ジャレド・ダイヤモンド『第三のチンパンジー』
とても学ぶことが多かった。
• 北アメリカに人類が到達した当初、マンモスやウマ、ラクダ、地上性のナマケモノ等、多くの大型哺乳類種に溢れていたが、人類が到達した後80〜90%が絶滅に追い込んでしまったこと。家畜化できる可能性があった動物もいただろう。、ユーラシア大陸でウマを家畜化し、戦車として用いたスペインの探検隊により、南北アメリカ大陸の人々は蹂躙され虐殺された。
• 地理的条件により、人類の繁栄は大幅に決定づけられるということ。具体的には、栽培できる植物、家畜化できる動物の分布により大きく影響されたこと。そして気候によって生息環境が制限されるが、ユーラシア大陸は東西の軸に伸びており拡散が容易だったのに対し、アメリカ大陸は南北の軸に伸びており拡散が容易でなかった。さらに、ユーラシア大陸の中東で農業が始まったのは、小麦等のもともと生産性の高い穀物が自生していたおかげであり、対してアメリカ大陸には生産性の高い自生穀物がなく、あったのは当時生産性の低いトウモロコシであった。
• 古代文明が築いた多くの大都市が、人間自身が起こした木材伐採、過剰農業による環境破壊が、森林壊滅による砂漠化、土地の栄養不良、土壌流出による灌漑不可能化を引き起こし、最終的に放棄せざるを得ない運命となったことが実例をもとに記されており、驚異と脅威を感じた。ニューメキシコ州チャコキャニオンのプエブロ・ボニート遺跡、ヨルダンのペトラ遺跡、イースター島、ヘンダーソン島等の太平洋の島々
• 私たちが数種の動物を絶滅させたことにより、動植物の有り様が根底から変わってしまうことがあるということ。
• マレーシアでは数十年の間に淡水魚の半数が絶滅したということ。
• ジェノサイドは人類の歴史のどの時代にも見られ、類人猿のコモンチンパンジーと共通の人類の特性のひとつであること。
• 狩猟採取民は農民よりもずっと健康だったこと、より平等な社会で、余暇のある生活を送れていたこと。
• 農業の発展により、階層、中央集権社会も発展してきたこと。農業により戦闘にのみ特化した軍隊が生まれたこと。
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著者の他の本と重なる部分はあるが、一冊で様々な側面をさらっと味わえてお得。人間を知る旅へと引き込まれる。高校生くらいの時にこんな本に出会いたかった。
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あの名著「銃・病原菌・鉄」の作者です。
彼の基本理念は人類は皆等しく同じ能力を持っている。
決して西洋人だけが偉いのではない。
たまたま地理的、経済的な諸条件で偶発的に西洋人がのし上がった。
発展途上国の人々が経済的、政治的、宗教的な制約がなくなれば
今の所謂文明人の勝るとも劣らない活躍をするだろう。
文明の進歩とは何か?それを考えさせる一冊だと思います。